ハードウェア

PCに挿すだけで30分以内でHIVテストを行えるUSBドングルが登場


従来は専門の機関に依頼が必要で、結果が出るまでに2~3日の時間が必要だったHIVテストを、自分で実施してわずか30分以内に結果を知ることができるUSBドングルが発表されました。

Scientists have developed a type of HIV test on a USB stick
http://phys.org/news/2016-11-scientists-hiv-usb.html

A USB stick that can test HIV levels in under 30 minutes | TechCrunch
https://techcrunch.com/2016/11/10/usb-hiv/

このHIVテスト用USBデバイスを発表したのは、インペリアル・カレッジ・ロンドンとDNA Electronics社の研究者チームです。この装置を使えば、血液を一滴採取するだけで血中に含まれるHIVウイルスの数値レベルを検査することが可能です。


検査を行う時は、まず患者の血液を少しだけ採取し、ドングルにたらします。するとドングルに搭載されたチップが作動して、血中にHIVウイルスが存在しているかをチェック。血中にHIVウイルスが存在する場合には血液の酸度が変化するという特性があるので、この装置では血液の酸度を測定して電気信号に変換し、コンピューターに送信することでHIVウイルスの数値レベルを評価することが可能になってるとのこと。

このドングルで検査できるのは、HIV-1タイプのウイルスがどの程度血中に存在しているのかという項目であり、主にHIVウイルスを保有していることが明らかな患者に対する検査に用いることが想定されています。それよりも前の段階の「HIVに感染しているかどうか」の検査の場合は、すでに市販されている診断キットを用いることがより適切であるとのこと。


現在主流となっているHIV治療は、HIVウイルス(レトロウイルス)の増殖を抑える「抗レトロウイルス治療」と呼ばれるもので、治療においては定期的に血中のHIVウイルスの数値レベルを検査し続けることが重要となっています。従来であれば、この検査を行う際には患者の血液サンプルを採取して専門機関に送る必要があり、結果が出るまでには数日間かかっていました。そのため、特に医療機関が近くにない患者の場合には十分な処置を行うことに問題が存在していました。

そんな問題のソリューションとなりそうなのが、このUSBドングルというわけです。このデバイスがあれば、あとはPCさえあれば誰でも短時間で検査を行うことが可能になり、しかもインターネット経由でデータを送ることで、遠く離れた場所からも処置を行うことが可能になります。


装置はまだ開発中の段階ですが、最新の調査では991件の血液サンプル検査を実施したところ95%の確度が確認されたとのこと。また、結果が出るまでにかかった時間は、平均して20.8分(20分48秒)だったとのことです。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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