99.99%が暗黒物質(ダークマター)でできた天の川と同等サイズの銀河「Dragonfly 44」が発見される
目には見えないながらも宇宙の大部分を占めると考えられている暗黒物質(ダークマター)は、宇宙研究の中でも大きな関心事です。エール大学の研究者が、ほとんどダークマターだけでできている新種の銀河「Dragonfly 44」を発見し、ダークマターの性質の解明に期待が寄せられています。
A HIGH STELLAR VELOCITY DISPERSION AND ~100 GLOBULAR CLUSTERS FOR THE ULTRA-DIFFUSE GALAXY DRAGONFLY 44 - IOPscience
http://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8205/828/1/L6
A new class of galaxy has been discovered, one made almost entirely of dark matter - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/news/speaking-of-science/wp/2016/08/25/a-new-class-of-galaxy-has-been-discovered-one-made-almost-entirely-of-dark-matter/
Found: Dragonfly 44, a strange galaxy made mostly of dark matter | Fox News
http://www.foxnews.com/science/2016/08/25/found-dragonfly-44-strange-galaxy-made-mostly-dark-matter.html
エール大学の研究チームが、天の川と同等のサイズでありながらわずか1%の質量しか持たない新しい銀河「Dragonfly 44」を発見しました。この新種の銀河は、驚くことに99.99%がダークマター(暗黒物質)で構成されているとのこと。
Dragonfly 44を発見したピーター・バン・ドッカム博士は、暗黒系の銀河を探していたわけではないとのこと。「私たちは当初、銀河のはずれに何が存在するのかを研究しようと思っていました。しかし、偶然にも小さな斑点を確認したのです」とドッカム博士は述べています。ドッカム博士と同僚は、撮影された画像に欠陥があると思ったとのこと。しかし、データを詳細に検証した結果、まったく新しい種類の物質であることが分かったそうです。
天の川のような一般的な銀河では、大部分が無数の星で支配されていてダークマターはちりぢりにしか存在していません。しかし、Dragonfly 44は全体を暗黒物質が占めているという点で極めてユニークで、これまで研究が進んでいなかったダークマターを直接調査できる可能性があることから、ダークマターの解明に大いに役立つと期待されています。
なお、ドッカム博士はDragonfly 44は唯一のダークマターでできた銀河ではなく、周辺に同様の銀河を見つけられると予想しています。
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