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匿名ハッカー集団「アノニマス」を守る弁護士の正体


アノニマス」といえば、フランスの首都パリで起きた同時多発テロの首謀者を名乗るテロ組織「イスラム国(ISIS)」に宣戦布告したり、「腐敗した世界的な銀行カルテルへの蜂起」という名目のもと世界中の銀行のサーバーなどをダウンさせたりと、ハクティビズムを体現するハッカー集団です。そんな「アノニマスを守る存在」がアメリカにはいるそうで、その知られざる実態をGreat Big Storyが追っています。

Better Call Jay: Meet the Lawyer Who Defends Anonymous - YouTube


「アノニマス」という名前を聞いたことがある人は多いでしょう。その正体は、インターネット上で社会・政治的な変化を推進するための活動を行うハクティビスト集団です。そんなアノニマスでも、弁護士を必要とすることがあります。それも、とびきり腕の良い弁護士を。


アメリカ・カリフォルニア州のベンチュラに、その「とびきり腕の良い弁護士」がいます。


彼の名前は「ジェイ・レイダーマン」で、Great Big Storyは初めて会った際の感想として「ごく一般的な男性に見える」と語っています。


しかし、コンピューターの前に座ったレイダーマンさんは、一般的とはほど遠い人物になります。


「私はアノニマスのメンバー、もしくはアノニマスの関連グループに所属するハッカーが告訴された際に弁護するという役割を担っています」と、自身の役割について語るレイダーマンさん。


レイダーマンさんは刑法専門の弁護士ということで、JAY LEIDERMAN LAWという弁護士事務所を運営しています。


そんな人物がなぜアノニマスの弁護士になったのでしょうか?


レイダーマンさんはプロボノの一環として、Twitter上で複数のユーザーに法律的なアドバイスを行っていたそう。

@JayLeidermanLaw ~ No worries man. We got this.

— WauchulaGhost (@WauchulaGhost)

You've done much to advance digital protest @neonheretic there is nothing wrong with you asking for help.

— Jay Leiderman (@JayLeidermanLaw)


そんなレイダーマンさんの活動を見ていたのが……


コマンダーXという人物。彼はアノニマスの中でも有名なメンバーのひとりで、そんな人物からある日レイダーマンさんはメールを受け取ったそうです。


レイダーマンさんによれば、「コマンダーXは私が弁護したアノニマスメンバーの最初のひとりになりました。そして、コマンダーXは私が彼の味方だと感じてくれたのか、その後は一方的にアノニマス専属の弁護士のように私を使い始めました」と、初めてメールを受け取ってからアノニマスを守る弁護士となっていったことを明かしています。


レイダーマンさんとアノニマスがどのようにしてコミュニケーションをとっているのかというと、暗号化された専用のチャットプログラムがあるそうです。


実際にアノニマスのメンバーとチャットするレイダーマンさん。


この通信手段についてレイダーマンさんは、「恐らく、NSAは私の通信手段を傍受できるでしょう。しかし、誰かが私にコンタクトをとってきても、私は会話している相手が誰か知りません」と語ります。


レイダーマンさんいわく、アノニマスを弁護する上で最も困難なのは、数十年前に制定されたデジタル法を基に弁護を行う必要がある点だそうです。その「数十年前に制定されたデジタル法」というのは、Computer Fraud and Abuse Act(CFAA)。


レイダーマンさんは「友達のNetflixアカウントのパスワードをネット上にさらしたとします。すると、これは連邦犯罪に該当することになるのです。このCFAAの罰は重すぎるものであり、CFAAは明らかに破綻した法律です。こういったケースを法廷で追求し続けることが、ハクティビストの助けになることを私は望んでいます」とも語っており、プロボノ活動から始まったアノニマスの支援を今後も続けていく方針であることを明かしています。

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in 動画, Posted by logu_ii

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