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リオ五輪の「おならの臭いがする緑色のプール」は業者による作業ミスが原因と判明


トップアスリートによる熱い戦いが連日繰り広げられているリオオリンピックで発生した「謎の緑色のプール」は悪臭を放っていたことが報じられており、中には「おならの臭いがする」と表現する選手まで現れる次第でした。一時期はプールそのものの使用を中止して水を入れ替える作業が行われたのですが、その原因はプールの水質を管理する業者が投入した薬剤が不適切だったことが明らかになっています。

Rio Olympics: Green Pools Caused by Hydrogen Peroxide Dump - The New York Times
http://www.nytimes.com/2016/08/13/sports/olympics/rio-schedule-michael-phelps-medals.html

Rio diving pool—still green—now closed and smells like farts | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2016/08/rio-diving-pool-still-green-now-closed-and-smells-like-farts/

リオオリンピックの会場で突如現れて話題となったのが、水の色が一夜にして緑色に変色してしまったプールでした。事態が発生したのは、水球や飛び込み種目が開催される「マリア・レンク水泳センター」にある2つのプールで、8月9日から10日にかけて突如として水の色が緑色に変わり、濁ってしまうという状況に陥りました。


その原因は水の中に「藻」が発生したことが後に明らかになったのですが、実際に競技を行う選手からは「くさい」「目が痛い」など抗議の声が次々と挙がるという状況となり、大会組織委員会は原因の究明と対策に追われることとなっていました。

Ermmm...what happened?! pic.twitter.com/pdta7EpP2k

— Tom Daley (@TomDaley1994)

この状況に対して組織委員会は声明で、会場内の暑さと通気不足のために藻が繁殖して色が変わったと発表し、水質検査の結果、選手にとって危険はないことが分かったと発表していました。しかし、臭いや目の痛みもさることながら、濁りが生じたことでペアで演技を行うシンクロナイズドスイミングなどの競技だと、選手が演技ができない状況に陥ってしまいます。

競技の運営に支障があるということで、大会主催者は8月13日、水を浄化する試みが失敗に終わったことを認め、373万リットルという水を入れ替えると発表しています。この措置が取られるのは水球が行われている50メートルプールで、このプールでは、同14日からはシンクロナイズドスイミングも開催されるため、主催者は透き通った水が必要だと判断したとのこと。

リオ五輪主催者が白旗、緑色の水は総入れ替えへ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3097411

そしてこの事件の発端となった原因が明らかになっています。水の中に藻を発生させ、濁った緑色に変えてしまったのは、プールの管理を請け負っていた地元の業者が投入した「過酸化水素」だったことが判明してきました。


プールの水質を管理するために最も広く用いられているのは塩素系の消毒剤で、これは学校などのプールでも塩素が使われているのをみたことがある人も多いはず。しかし、塩素に過酸化水素を加えると結果的に塩素の効果が弱まり、消毒力が減少するために藻の発生につながってしまったというのが、事件の原因だったというわけです。

ただし、水質を改善するために過酸化水素を投入すること自体は間違った選択ではありません。今回のミスは、すでに塩素が使われていたプールに過酸化水素を投入してしまったところにあります。この業者は8月5日に過酸化水素160リットルを投入しており、これが水質悪化を引き起こす原因となっていました。

水質改善がうまく行かず、「ギブアップ」を宣言した形になった主催者は、競技用プールの水を近くの練習用プールの水と入れ替える作業を強いられることとなりました。この作業には、現状の水の排水に6時間、そして新しい水の移し替えに4時間かかることとなり、合計で10時間を要する作業となってしまいました。


これ以外にもリオオリンピックでは、今後開催される予定のヨットレースなどの競技が行われる海の水質悪化が深刻であるなどの問題を抱えており、こちらもどのような状況となるのか、おのずと注目が集まることになりそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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