アンチウイルスソフト「Avast!」がライバルの「AVG」を1300億円で買収へ

無料で使えるアンチウイルスソフトとして人気のある「Avast!(アバスト)」が、競合ソフトである「AVG」を13億ドル(約1312億円)で買収する見込みであることがわかりました。

Avast and AVG: A Future Together
https://blog.avast.com/avast-and-avg-a-future-together

Avast to Buy AVG for $1.3 Billion to Add Security Software - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-07-07/avast-to-buy-avg-for-1-3-billion-adding-security-software

「Avast!」(以降、Avast)の開発元であるAvast softwareのVincent Steckler氏は、CEOとして8年前に講演を行ったとき、1時間の講演を終えた後にある紳士から「AVGについての、とてもいい講演でした」と声をかけられて、「Avast」と「AVG」が混同しやすい存在であることを意識するようになりました。

名前が「AV」から始まり、1980年代終わりにチェコで創業(Avastは首都プラハ、AVGは2番目の都市ブルノ)したアンチウイルスソフトウェア、というところまで共通している両者は、ともに高い品質のソフトウェアを無料で提供し、ワールドクラスの研究開発チームを持ち、チェコ国外のマーケットに多くのユーザーがいる、というところまで共通していて、大きく異なるのは、Avastが非上場なのに対して、AVGはニューヨーク証券取引所に上場しているという点ぐらい。

Avast | Download Free Antivirus for PC, Mac & Android
https://www.avast.com/index

AVG 2016 | PC､Mac､Android 用の無料アンチウイルス & 最適化ソフト | AVG ホームページ
http://www.avg.co.jp/

「これだけ似ているのだから、2つの会社が1つになるというのはとても自然なことです。それが、今我々が計画していることです」と、Steckler氏はAvastとAVGの統合を明かしました。

すでに、会社同士の間では、AVG株をAvastが1株25ドル(約2520円)、総額13億ドル(約1320億円)で購入するということで合意が行われていて、AVGの株主がこの申し出を受理すれば、合併が実現するとのこと。すでに、AVG株の13％を保有する筆頭株主のTA Associatesは、Avastへの株売却に合意済み。買収資金としてクレディ・スイス・グループAG、ジェフェリーズ、UBS AGが16億9000万ドルを提供することになっています。

順調にいけば、買収は2016年9月から10月に完了するとみられています。