ぐずぐずと先延ばしにする習慣を打ち破るために「脳をだます」というシンプルな実践法
仕事や課題の締切が近づいているのにやる気が起こらずぐずぐずしてしまう……という経験をしたことがある人も多いはず。この、プロクラスティネーター(ぐずぐずと先延ばしにする人)の心理がどうなっているのかはTEDの講演で解説されていましたが、プロクラスティネーターを脱する実践法として、「脳をだます」というシンプルな1つの方法が解説されています。
a simple mind hack that helps beat procrastination | shyal.com
http://shyal.com/blog/a-simple-mind-hack-that-helps-beat-procrastination
科学系ニュースサイトScience ABCによると、procrastination(ぐずぐずしてしまうこと)は「無意識的な恐怖・喜びなど情動の処理に携わる大脳辺縁系と、認知行動の計画や適切な社会的行動の調節に関わる前頭前皮質の戦いによって引き起こされるもので、戦いに大脳辺縁系が勝利すると、今日すべき行動を明日に引き延ばしてしまう」とのこと。
つまり、締切を後に後に先延ばししていしまわないためには、脳を「だまし」て、前頭前皮質が勝利する必要があるわけです。ここでポイントとなるのが、「やるべきことをどのようにイメージするか」ということ。
心理学者・Neil Fiore氏の著書である「The Now Habit」によると、プロクラスティネーター(ぐずぐずと先延ばしにする人)でない人はタスクを以下のようにイメージするとのこと。
自分がこれから行うタスクは長さ13フィート(約3.9メートル)・厚さ4インチ(約10センチ)・幅1フット(約30センチ)の固い板の上を歩くこと。自分にはタスクをこなすのに必要な肉体的・精神的・感情的な能力が備わっている。慎重に一歩を踏み出してもいいし、踊ったり、スキップしたり、板を飛び越えてもいい。何の問題もなくタスクをこなせる。
一方、プロクラスティネーターがイメージするタスクは以下の通り。
やるべきタスクは先ほどと同じ、長さ約3.9メートル・厚さ約10センチ・幅約30センチの固い板の上を歩くこと。能力も持っている。ただし今回は地面から100フィート(約30.4メートル)上空、建物と建物の間に板がつるしてある。板の道のゴールである向こう側を見つめ、タスクを完了させるべき1歩を踏みだした時、どんな気持ちになるのか?自分に対して何を語りかけるのか?
タスクは同じでも、プロクラスティネーターとプロクラスティネーターでない人は、タスクを前にした時の心理が異なります。プロクラスティネーターはタスクを「完了させること」に重きを置くため、最初の一歩が踏み出せないということが多々起こります。そのため、例えば「部屋をきれいにする」というタスクであれば、タスクに取り掛かる時にイメージするのは「完璧にきれいになった部屋」ではなく、最初の一歩である「シンクに食器を持っていく」という取っかかりの行為であるべき。この行為によって、大脳辺縁系はそれまで感じて本人を捕らえていた「無意識の恐怖」を感じなくなり、安心して新しい記憶を作れるようになります。つまり、前頭前皮質が勝利するわけです。
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