サイエンス

400万年ぶりに南極で二酸化炭素濃度が400ppm到達、観測史上最高濃度に

by Christopher Michel

アメリカ海洋大気局(NOAA)が、2016年5月23日に南極の二酸化炭素(CO2)濃度が400ppmを越えたと発表しました。地上の観測点ではすでに各地で400ppm越えを記録していますが、南極での400ppm越えはNOAAの観測史上初のことで、400万年ぶりのことだとみられています。

South Pole is last place on Earth to pass global warming milestone | National Oceanic and Atmospheric Administration
http://www.noaa.gov/south-pole-last-place-on-earth-to-pass-global-warming-milestone


Antarctic CO2 Hit 400 PPM For First Time in 4 Million Years | Climate Central
http://www.climatecentral.org/news/antarctica-co2-400-ppm-million-years-20451

NOAAでは1958年からCO2濃度の観測を開始。傾向としては北半球における晩秋から春にかけて増加し、そこから夏に向けて減少します。これは、北半球には陸地が多く、植物が光合成を行ってCO2を消費するためで、NASAが公開している年間CO2濃度推移のムービーを見ると一目瞭然です。

二酸化炭素の流れを地球規模で可視化した圧巻のムービー - GIGAZINE


データは2006年のもの。

「地球温暖化」はここ30年来の問題で、その主因である「温室効果ガス」については世界的に排出量削減の取り組みが行われていますが、温室効果ガスの1つであるCO2排出量はなかなか減らず、むしろ2012年から4年連続で増加量が2ppm越え。2015年にはハワイのマウナロア観測所でのCO2増加量が、過去56年で最大の値である3.05ppmを記録しました。

世界の大気中CO2、2015年は飛躍的に上昇 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3080017

2015年に特に増加幅が大きかったのは、エルニーニョ現象による天候不順から来る森林火災や干ばつ、熱波などが原因。これにより、大気中のCO2濃度は世界平均で402.59ppmに達しました。

2015年は「最も暖かい一年」だったことが確定、2014年の記録を大幅に更新 - GIGAZINE


そんな環境でも400ppm未満を保っていたのが南極です。これは、人間活動が多いことから必然的にCO2排出量も多くなる北半球から特に離れた場所であることも要因で、NOAAの世界温室効果ガス・リファレンス・ネットワークの主任科学者であるピーター・タンス氏が「南極はCO2濃度400ppmを記録していない地上で最後の地だった」と語る、いわば「地球温暖化の最後の砦」でもありました。

ところが、2016年もCO2排出量の増加幅は衰えず、2016年5月23日にとうとう南極でも400ppm越えを記録することとなりました。2014年以降の南極でのCO2濃度推移をグラフ化するとこんな感じ。400ppm越えが不可避の事態であったことがわかります。

by NOAA

NOAAによると、「CO2濃度の年間増加量が2ppm越え」の記録は2016年も続いて5年連続となることは確実であり、“好ましくないマイルストーン到達”だと表現しています。

イギリス気象庁ハドレーセンターやエクセター大学の研究チームは、大気放出物・海水温データ・気候モデルを用いて、2016年にマウナロア観測所で観測されるCO2濃度は400ppmを切ることがなく、このCO2排出量の増加幅も含めて考えると、今後、マウナロア観測所では400ppm以下が観測されることはないという結論を出しています。

El Nino and a record CO2 rise : Nature Climate Change : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/nclimate/journal/vaop/ncurrent/full/nclimate3063.html

ちなみにNOAAによると、この水準に至ったのは400万年ぶり。つまり、アウストラロピテクスが生存していたであろう時期以来ということになります。

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in サイエンス, Posted by logc_nt