ハードウェア

激安2万円強でVRゲーム対応&GTX 1080を上回るコストパフォーマンスのAMD新グラボ「Radeon RX480」登場


台湾・台北で2016年5月31日から開催中の世界最大級のITトレンドショー「COMPUTEX TAIPEI 2016」で、AMDが激安199ドル(約2万2000円)でOculus RiftやHTC Viveなどの本格VRヘッドセットが使えるグラフィックボード「Radeon RX480」を発表しました。NVIDIAのNew Kingこと「GeForce GTX 1080」を圧倒するコストパフォーマンスをアピールしています。

AMDがCOMUPTEX TAIPEI 2016に合わせて開催したAMD発表会の様子は以下のムービーで確認でき、22分ころからRadeon RX480のプレゼンテーションが始まります。

AMD Live at Computex 2016 - YouTube


新型グラフィックボードを発表するのはAMDのGPU開発責任者兼上席副社長のラジャ・コドゥリ氏。「AMDのゲーミングに対する姿勢はシンプルです」と話をスタート。


AMDのビジョンは、次の2億5000万人の新しいゲーマーを作ること。そのために低価格でハイパフォーマンスな製品を迅速にリリースすること。そして、VRゲーム人口を1億人に増やす計画。


「では、VRゲーム人口を1億人に増やすにはどうすればいいのか?」


「VR体験の素晴らしさは、みんな文字で読んで知っているだけ。実際には体験したことはないはず」


その理由は価格にあります。高級なVRヘッドセットでVRゲーミング体験をするためには、非常に高いスペックのGPUが必要。世界に14億台あるPCの中でたった1%のマシンしかVRを動かせないという狭き門だとのこと。


そして、実に84%の人が、100ドルから300ドル(約1万1000円から約3万3000円)のグラフィックボードなら手が届くと回答しているという事実もわかっています。


また、VRヘッドセット「Oculus Rift」開発者のパーマー・ラッキー氏のツイートには、VRの普及には価格がネックになるというところからAMDはヒントを得たとのこと。


みんな、VRゲーミングは高すぎると考えています。


多くのゲーマーや一般消費者が、VRから取り残されています。


「AMDは多くの人にVR体験を届けます。それも来年ではなく、今ここで」


VRゲームが手の届くところに来れば、開発者も増え、さらに優れたVRコンテンツが登場し、より一層普及するという好循環になるはず。


「AMDは、ハイパフォーマンス、ローコストのVR対応グラフィックボードを提供することで、VRを民主化します」


「紹介しましょう。AMDの新グラフィックボード『Radeon RX480』」ということで実機が登場しました。


「プレミアムな体験を手の届く価格で」ということで、AMDのリファレンス機のRadeon RX480には、これまでのハイエンドモデルに採用されてきたプレミアムデザインを採用しているとのこと。


価格はなんと199ドル(約2万2000円)


Radeon RX480は、コンピュートユニット(CU)が36基で構成され、バンド幅256GB/sのGDDR5メモリ採用で、TDPは150W。5TFLOPS以上の性能を持っています。


14nmのFinFETプロセス採用で、ワットパフォーマンスは最大1.7倍、アーキテクチャ改良によって最大2.8倍に到達するとのこと。


もちろんDirectX 12やVulkanなどのグラフィックAPIに対応。


AMD FreeSync+DirectX 12サポートで、ゲーマー期待の「Battlefield 1」が滑らかに動く様子がデモされました。


ハイパフォーマンスなゲーミング体験には、ハードウェアの役割は半分で、ソフトウェアの役割がもう半分あると述べるコドゥリ氏。


DOOM開発者もRX480とAMDのDirectX 12サポートを賞賛しています。


「では、優れたゲーミング体験には700ドル(約7万7000円)も必要なのでしょうか?」と、明らかにNVIDIAの新グラフィックボードGTX 1080を意識した発言。


GTX 1080との比較がスタート。


右が700ドルのGTX 1080で左が「ずっと安い」RX480の映像。


RX480を2枚使ったCrossFire構成では、GTX 1080を上回るFPSをたたき出すとのこと。


RX480を2枚使っても価格は500ドル(約5万5000円)未満。コストパフォーマンスはずっと上だというわけです。


それだけではないと強調するコドゥリ氏。コドゥリ氏によると、先ほどの比較ではGTX 1080のGPU使用率がほぼ100%だったのに対して、RX480は51%。ドライバの改良によって、まだまだ上積みが期待できるので、性能差はさらに広がり得ると指摘しています。


ふたたびプレゼンテーション冒頭のスライドに戻りました。AMDはRX480で、VRゲーミングならびに特別なゲーミング体験を多くの人に届けると確約。


VRゲーミングに対応し、CrossFire構成ではGTX 1080をも上回る上にコストパフォーマンスでも圧倒する「Radeon RX480」は、2016年6月29日に199ドル(約2万2000円)という価格で発売予定です。

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in ハードウェア,   動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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