ドローンに狙いを定め電波妨害して撃退するアンチドローンライフル銃「Dronebuster」
禁止区域を無断で飛行する無法者ドローンに対抗する手段としてさまざまなアンチドローンデバイスが開発されていて、その1つが「Dronebuster」です。Dronebusterはライフルのような形状をしており、ドローンのリモートコントロールを妨害し撃墜する機能を搭載しています。
Our Work | National Security | Tactical Systems | Battelle DroneDefender | Battelle
http://www.battelle.org/our-work/national-security/tactical-systems/battelle-dronedefender
Dronebuster will let you point and shoot command hacks at pesky drones | Ars Technica
http://arstechnica.com/information-technology/2016/05/dronebuster-will-let-you-point-and-shoot-command-hacks-at-pesky-drones/
アメリカのメリーランドで開催された展覧会「Sea Air Space」で登場したDronebusterは、非営利団体のBattelleが開発したアンチドローンデバイスで、実際に使用している様子は以下のムービーから確認できます。
Battelle DroneDefender - YouTube
「私有地につき不法侵入は起訴する」と記載された看板が映し出されました。
そこへ現れたのがタブレット装着したリモートコントローラーを操作している男性。
男性は私有地にも関わらずドローンを飛行させています。
しかも撮影まで行っていました。
そこへ登場したのがDronebusterです。スコープが付いたライフルのような形をしているDronebusterは、リモートコントローラーからの電波やGPS、ロシアが運用している測位システムのGLONASSを妨害する電波を発信し、ドローンに「帰還」もしくは「着陸」というコマンドを送ることが可能。
Dronebusterに狙いをつけられたドローンは空中でフラフラとバランスを崩しました。
Dronebusterを地面と水平になるように傾けていくと……
ドローンはゆっくりと高度を下げてきました。
リモートコントローラーでは操作不能な状態で、ドローンを操作していた人は不思議そうな表情を浮かべます。
Dronebusterが地面と完全に水平になると……
ドローンは地面に着地。
Dronebusterの有効距離は約400m。起動時間は0.1秒以下という速さで、連続使用時間は5時間となっていて、すでにフィールドでのテストを実施済みです。Dronebusterの特筆すべきポイントは、危険な飛行を行うドローンを「落下」させるのではなく、安全に「着陸」させられるというところ。アメリカ政府の関係者の中にはDronebusterの導入を考えている人がいるとのことですが、妨害電波を発信する行為自体が違法になる可能性もあり、今後の議論に期待したいところです。
Dronebuster以外にもさまざまなアンチドローンデバイスが登場しており、ソフトウェアを使ってドローンを撃墜する「SkySafe」というのもあり、SkySafeを実際に使用している様子は以下のムービーから確認可能です。
Sky Safe Anti Drone System - YouTube
画面左下の男性がドローンを操作中。
画面の右から別の男性が登場。男性の右側には大きな黒いボックスが置かれています。
男性がスマートフォンからSkaySafeを使うと、画面上に飛行中のドローンの名前が表示されました。
ドローンを選択して「DISABLE(無効化)」をタップすると……
ドローンがフラフラしながら落下し始めました。
そのまま地面にポトリ。SkySafeは正式に認可されていないドローンを検知して、ドローンの飛行機能を停止させる機能が搭載された防御システムで、すでにローンチされていて、記事作成時点では飛行テストのパートナーを募集中です。
ロンドンのヒースロー空港でドローンが旅客機に激突したり、ドローンがホワイトハウスの敷地内に墜落したりなど、危険で明らかに違法な飛行を行うドローンが増えており、こういった無法者ドローンに対してDronebusterやSkySafeといったアンチドローンシステムが有効であると考えられています。
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