ピクサーとディズニーの社長が1972年に作成した世界初の貴重な3Dレンダリングムービー
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオおよびピクサー・アニメーション・スタジオの社長を務めるエドウィン・キャットマル氏が、当時の同僚だったフレッド・パーク氏と共に自分の左手のモデルを世界で初めて3DレンダリングしたムービーがVimeoで公開されています。ムービーが作成されたのが1972年というのも驚くべきことの1つです。
40 Year Old 3D Computer Graphics (Pixar, 1972) on Vimeo
ムービーで使用されている技術は、被写体からモデリングしてレンダリングする今日のゲームや映画、特殊効果で使われている3Dレンダリングと変わらないとのこと。
「HALFTONE ANIMATION」という文字もCGで作成されているそうです。
「A Computer Animated Hand」
画面に映し出された3DCGの手。
グルンと回転しました。
回転して手の甲の部分まで見えます。しわなどの細かい部分は表現されていませんが、手の形や関節はしっかりと描写されています。
映像は実際の手のモデルをレンダリングして作成されたもの。
3Dのポリゴン部分はモデルに直接描いたそうです。
書かれている文字までは判別できませんが、モデル全面に図形がびっしりと書き込まれているのがわかります。この図形の情報をレンダリングして3DCGとして出力したとのこと。
装置を使ってデータ化し……
そのデータを直線で出力。
スムーズシェーディングなしでのハーフトーン処理を施すとこう。
スムーズシェーディングを加えると、よりリアルになります。
レンダリングされた手が動いている映像は1972年に作られたのが信じられないレベルです。
画面に向かって指さす手。
手のひらを上に向けると……
手の内部まで見えます。
カメラはそのまま手の中へと入っていきます。
これは直線だけで描かれたアニメーションの顔。
直線だけで描かれた顔にスムーズシェーディングをほどこすと、実際の顔に近づきました。
なお、キャットマル氏らよって作成された世界初の3Dレンダリングムービーは、ハリウッドのプロデューサーによって発見され1976年公開の映画「未来世界」に使用されました。
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