動画

ヨーロッパ最大級のサッカースタジアムが日本製の「新カンプ・ノウ」に改修決定、収容人数10万人超えの新スタがどうなるかわかるムービー公開中


スペインのリーガ・エスパニョーラに所属するサッカークラブ・FCバルセロナのホームスタジアムである「カンプ・ノウ」は、ヨーロッパ最大級の9万9786人を収容可能なサッカー専用スタジアムです。同スタジアムは50年以上も昔に建設されたスタジアムで、老朽化対策の必要性が叫ばれていたのですが、2016年3月8日に日本の日建設計とFCバルセロナの本拠地・カタルーニャにあるジョアン・パスクアル−ラモン・アウシオ建築設計が提案したスタジアムの改修デザイン案が採用されることが決定します。さらに、2016年4月21日には改修により生まれ変わる「ノウ・カンプ・ノウ(新カンプ・ノウ)」がどのようなデザインになるのかがわかるイメージやムービーが公開されました。

Así será el Nuevo Camp Nou | FC Barcelona
http://www.fcbarcelona.es/club/nuevo-campnou-contenidos/detalle/ficha/asi-sera-el-nuevo-camp-nou


世界に発信する新カンプノウ | FC Barcelona
http://www.fcbarcelona.jp/club/detail/article/new-camp-nou-opened-to-the-world

カンプ・ノウをホームスタジアムとするFCバルセロナはヨーロッパでも有数のサッカークラブです。FCバルセロナは世界最高峰のサッカーリーグであるリーガ・エスパニョーラで23度の優勝を果たしている名門クラブで、クラブの見せる攻撃的なプレーにより世界中に多くのファンを持っており、同時に地元カタルーニャ州の象徴としても絶大な支持を得ています。なお、FCバルセロナは世界のサッカークラブ収入ランキングでは2位につけるほどのビッグクラブです。

そんなFCバルセロナのホームスタジアムであるカンプ・ノウは収容人数9万人超えと、2015年に完成したばかりの市立吹田サッカースタジアムの倍以上の収容人数を誇ります。しかし、同スタジアムが完成したのはなんと50年以上前の1957年9月24日で、老朽化により改修の必要性が叫ばれており、FCバルセロナは数年前からカンプ・ノウの改修計画を進めていました。

カンプ・ノウの改修デザイン案としては以下の条件が挙げられており、これらの条件を満たすデザイン案を建設コンクールの中で決めることとなります。

新カンプノウの必要条件 | FC Barcelona
http://www.fcbarcelona.jp/club/detail/article/requirements-of-new-camp-nou

新カンプノウの特徴は下記の通り:

全席が屋根で覆われ、天候(風、日差し、雨)から守られる作りになっている。新たなドームは、47.000 m2になる予定だ。
新スタジアムは、一階から斜面をつけるために、どの席にも死角がなく、完璧な視野を有することになる。スタジアム内のあらゆる席に、新画面とビデオカメラが搭載される。
ビデオカメラは、LEDタイプシステムで高解像度の最新デジタルテクノロジーが用いられる。
二階は今までどおりだが、アクセスと快適性が向上する。
三階は、現在のラテラル席と同じレベルになり、アクセス、快適性、サービスが向上する。
観客の収容人数は、105.000人まで増加する。
椅子は、より快適で適応しやすいものに、全部取り替えられ、スペースも向上する。
それぞれの階に、身体的な動きが限られている人々、また、他の障がいを抱えている人々のことを念頭においた席が用意される。
廊下のスペースはより多くなり、コミュニケーションがとりやすく、サポーターが過ごしやすいスペースとなる。
現在の階段は、現行の規約に沿ったものとなり、より使いやすく配置される。
キャパシティの増加により、ウエイティングチケットを消化でき、現在、不足している分も補足できる。
プロジェクトは、国際規格が認めるエネルギー効率及び環境保全の基準に乗っ取ったものであることが明記されている。
対戦相手を応援するサポーターの安全が最大限に守られ、年間チケットを所有しているファンや観客への迷惑が最小限になるように、アクセスやスタジアム内での動線なども分け、それぞれのサービスが提供される。
新カンプノウのあらゆるエリアでのホスピタリティ、飲食施設などのスペースが向上する。エスパイ・バルサには、地下駐車場が建設され、カンプノウと新パラウ・ブラウグラナをつなぐ地区が開けて、アクセスしやすいパブリックスペースになる予定だ。


以下の画像は現在のカンプ・ノウの全景写真。メインスタンド側の一部にしか屋根が取り付けられていないため、新カンプ・ノウではスタジアムの全席が屋根で覆われることが求められてきました。また、より優れたサッカー観戦体験が可能になるように、一階スタンドから斜面をつけることになるそうです。

By Oh-Barcelona.com

そして2016年3月8日、建設コンクールにより日本の日建設計とバルサの本拠地・カタルーニャのジョアン・パスクアル−ラモン・アウシオ建築設計による改修デザイン案が採用されることが決定しました。

新カンプ・ノウはこうなる | FC Barcelona
http://www.fcbarcelona.jp/club/detail/article/this-is-the-new-camp-nou


それから1か月ちょっとが経過した2016年4月21日、新しいカンプ・ノウ(新カンプ・ノウ)がどのようなデザインになるのかがわかるムービーが公開されました。

NOU CAMP NOU - Un somni obert al món: així serà el nou Estadi - YouTube


NOU CAMP NOU - Un somni obert al món: així serà el nou Estadi - Video Dailymotion


カタルーニャの街中に……


新カンプ・ノウの姿を発見。ラス・コルツの町に溶け込むデザイン案であったことが「提案デザインの意義深い点でもあった」とのこと。


スタジアム正面には広くスペースが開けており、ここには車も段差も壁もありません。


新カンプ・ノウを正面から見るとこんな感じ。「NOU CAMP NOU(新カンプ・ノウ)」の文字と、3層に分かれたデザイン、さらにはスタジアムの天井からスタジアム前の広場にまで伸びるスリットのようなものが特徴的。


スタジアムの天井部分


スタジアムをグルッと囲む3層に分かれた通路部分はとても広くて開放的。


通路から見るとこんな感じ。かなり天井が高くて開放感のあるデザインになりそうです。


夜間になりスタジアム内がライトアップされると通路の天井に入ったスリットから光りが漏れてくるような不思議な設計になっています。


スタジアム内にはFCバルセロナがこれまで獲得してきた数多くのトロフィーが展示されたスペースも用意されています。


スタジアム内のスタンドをグルリと囲むように設置される屋根。


スタジアム内から見るとこんな感じ。これで雨や雪が降っても快適に試合観戦ができるようになります。


日中の新カンプ・ノウ全景と……


夜間のライトアップされた新カンプ・ノウの全景。


スタジアムから伸びるスリットのようなものは夜間になると光る模様。


FCバルセロナの愛称であるブラウグラナ(青とえんじ)に光るスタジアム。


スタジアムから広場に向けて伸びるスリットに沿ってスタジアム方向に歩いてくるサポーターたちの姿。


新カンプ・ノウの必要条件にあった「廊下のスペースはより多くなり、コミュニケーションがとりやすく、サポーターが過ごしやすいスペースとなる。」は見事にクリアしていそうです。


スタジアムを上空から見下ろすと……


新しく設置される屋根には「NOU CAMP NOU」の文字。


スタジアムのスタンドはこんな感じ。1階席はこれまでよりも傾斜がつけられてより観戦しやすくなり、2階席と3階席は現状通りとなる模様。


新カンプ・ノウに入場するのはFCバルセッロナのアイドルであるリオネル・メッシ選手。


収容人数は10万5000人に拡張され、より多くのファンがFCバルセロナの試合を観戦できるようになります。


なお、新カンプ・ノウの工事は、2017/2018年のシーズンに着工となり、2021/2022年シーズンに完成する予定です。


新カンプ・ノウの改修デザイン案を出した日建設計は、100年以上の歴史がある日本屈指の建築設計事務所で、これまで日本国内では埼玉スーパーアリーナや新潟スタジアム、東京ドームなどの設計を担当してきました。日建設計は白紙撤回されたザハ・ハディド氏による新国立競技場設計に携わっていた事務所でもあるのですが、日本の企業が関わることとなった新カンプ・ノウがどのようなスタジアムに仕上がるのか、完成が待ちきれません。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ガンバ大阪の募金約140億円で作ったサッカー専用スタジアムがどれだけ凄いかよく分かる写真いろいろ - GIGAZINE

サッカー観が一変するガンバ大阪の募金140億円で作った新スタジアム観戦ガイド - GIGAZINE

サッカーの本場イングランドで迫力満点の試合を実際に観戦してきました - GIGAZINE

「キャプテン翼」からサッカーの素晴らしさを教えてもらった世界中のプロ選手たち - GIGAZINE

2014年7月から解体工事が始まる国立競技場のスタジアムツアーに参加してきました - GIGAZINE

世界最高の選手リオネル・メッシの何がすごいのかが統計的データ分析で明らかに - GIGAZINE

in 動画,   デザイン, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.