タコが水族館から大脱走ミッションを完遂し海へ帰ることに成功
By AV Dezign
人間に捕まった生き物が命からがら脱出するという話は、「ファインディング・ニモ」や「フリー・ウィリー」など映画で描かれることがありますが、ニュージーランドの水族館で飼育されていたタコが自力で脱走し海にたどり着くという映画顔負けの脱出劇を見せ話題を呼んでいます。
Inky the octopus squeezes through drain pipe to escape National Aquarium | Stuff.co.nz
http://www.stuff.co.nz/national/78818963/inky-the-octopus-squeezes-through-drain-pipe-to-escape-national-aquarium
Octopus slips out of aquarium tank, crawls across floor, escapes down pipe to ocean - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/news/animalia/wp/2016/04/13/octopus-slips-out-of-aquarium-tank-crawls-across-floor-escapes-down-pipe-to-ocean/
ニュージーランドにある国立水族館から脱走したのはオスのタコのインキー君です。国立水族館によれば、ある日飼育員がインキーくんの姿が見えないことに気づき調べたところ、水槽に残された吸盤の跡からインキー君が脱走したことがわかりました。
By Ray Sadler
吸盤の跡をたどると、インキー君は飼育員が閉めた水槽の上ぶたのわずかな隙間から脱出し、そのまま床を伝って排水溝へと逃げ込んだことが判明。インキー君が逃げ込んだ排水溝は下水管が海まで直結しており、インキー君は下水管を通って海にたどり着いたと見られています。
ラグビーボールほどの大きさのインキー君が脱走に使用した排水溝はわずか直径15cmしかありませんでしたが、タコは軟体動物で体のほとんどが筋肉であり、体を伸縮して小さな隙間でも通りぬけることが知られており、直径15cmの排水溝はくぐり抜けるのに十分な大きさ。以下のムービーはインキー君ではありませんが、捕獲したタコが船の水抜きの小さな穴から見事に脱出する映像が収められています。
Octopus Houdini - YouTube
インキー君は2014年に伊勢エビ用のワナにかかったところを漁師が国立水族館に寄贈したタコで、名前のインキーは公募でつけられました。国立水族館のロブ・ヤレル館長は「タコは知能が非常に高く好奇心が旺盛で、限界に挑戦することを好む性格です。インキーは特に人なつこく知能も高かったので、水槽とフタの隙間から脱出できると考えたことは明らかです」と述べ、「今回の経験を次に生かします」と話しました。
タコが水槽から脱出した事例は過去にもあり、確認可能な事例の中で最も古いのは1875年にイギリスのブライトンにある水族館の水槽からタコがいなくなったというものです。また、脱走ではありませんが、サンタモニカピア水族館で飼育されていたタコが水槽の上部に取り付けられていたリサイクル装置のバルブを分解し、水族館が水浸しになるという事件を起こしたこともあります。タコは知能が高く、簡易な水槽であれば簡単に脱出してしまうということで、タコが水槽を脱出するときの行動について事細かく調査した(PDF)レポートまで公開されています。
なお、インキー君が脱走した水族館はインキー君の捜索を予定しておらず、新しいタコの飼育も考えていないとのことです。
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