寿命のない永久に使えるデータストレージ「5次元データストレージ」が登場
ナノ構造のガラスにフェムト秒レーザーで5次元(5D)構造のデジタルデータを書き込み可能で、百億年以上にわたってデータをアーカイブできる「5次元データストレージ」をサウサンプトン大学が開発しました。
Eternal 5D data storage could record the history of humankind | University of Southampton
http://www.southampton.ac.uk/news/2016/02/5d-data-storage-update.page
Eternal 5D data storage could record the history of humankind | Optoelectronics Research Centre | University of Southampton
http://www.orc.soton.ac.uk/962.html
サウサンプトン大学光電子工学研究センター(ORC)の科学者が開発した5次元データストレージは、ナノ構造のガラスに5次元のデジタルデータの記録および検索プロセスをフェムト秒レーザーで書き込むというもので、1000度までの耐熱性を持ち、360TBのデータを室温で事実上無期限で保管でき、190度の高温環境下でも138億年にわたってデータを保管可能とのこと。非常に安定性と安全性に優れたポータブルメモリーの登場により、国立公文書館・博物館・図書館といった大型アーカイブを持つ組織の情報維持に大いに役立てることができると考えられています。
5次元データストレージが世界で初めて使用されたのは、世界人権宣言(UDHR)のコピーをエンコードしたもので、これらの技術の発展は、人類の文明最後の日まで蓄積した人類の技術や情報を安全に保管できるとして注目されています。サウサンプトン大学の研究者は2016年2月17日に「超高速レーザーでガラスに書き込む『5次元データストレージ』」という論文を公開する予定。研究チームはこれらの技術を商業化するべく、産業パートナーを募っているとのことです。
なお、5次元データストレージの製造工程が以下のムービーで公開されています。
Fabrication process for 5D optical storage - YouTube
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