TVが視聴者の感情を読み取って正確な視聴率を割り出すテクノロジー

By Marco

TVの視聴率調査は「視聴者がTVや広告を見て実際にどのような反応を示しているか」ということまで分析することは難しいとされています。そんなTVを見ている人が幸せ・悲しみ・恐怖・驚き・困惑など、どのような感情を示しているかを検出できる顔認識技術が、視聴率調査のスタンダードになりつつあります。

Now Advertisers Can Watch You Watch TV - Fortune
http://fortune.com/2016/02/13/bbc-ads-crowdemotion/

2015年秋にBBCが5153人の協力を得て、PCのウェブカメラからネット上で表示される広告を見た時の反応をスキャンするという試みを実施しました。その結果、人々はニュース記事のような体裁でだまして読ませる広告よりも、「広告」と銘打った広告の方が拒絶反応が少ないことがわかっています。同様にBBCはTVで最新の顔認識技術を用いた視聴者のリアルタイム感情分析技術を模索中とのこと。

BBC Global Newsのリサーチ部門の上級マネージャーAndrew Tenzer氏によると、「『困惑』はある種の興味を抱いていることを意味したり、深い思考を表わしたりするように、人の感情は非常に繊細な情報を物語ります」と話しています。これらの情報は従来の調査方法やアンケートでは得られないとのこと。

By Keirsten Marie

顔認識技術の重要性を認めたBBCは、2015年にスマートセンサーを使った顔認識技術のスタートアップCrowdEmotionを買収しており、数百人の人々を対象に「Top Gear」や「SHERLOCK（シャーロック）」などのTV番組を見た反応を調査しています。

同様にアメリカの複数の企業も、TV番組とコマーシャルを見た視聴者の反応を顔認識技術による感情分析を採用し始めています。2015年にTV視聴率調査の大手企業であるニールセンが、肌の発汗量・視線の動向・その他生体情報からTV視聴者の正しい感情を測定する技術を開発したInnerscope Researchを買収しました。しかしニールセンは今のところ、TV視聴率の調査にこれらの技術を導入していないとのことですが、今後の視聴率調査の標準規格として採用される可能性は十分に考えられます。