ゴキブリの動きや耐衝撃性を取り入れた人命救助ロボットが開発中
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/00-top_m.jpg)
ゴキブリの動きをモデルにした昆虫ロボや、iPhone/iPadで操作できるゴキブリ的なラジコンなど、不快害虫として嫌われがちなゴキブリをなぜかロボットにしてしまった製品がいくつか登場していますが、カリフォルニア大学バークレー校はゴキブリの体の構造に着目して、災害時の人命救助に役立つロボットの開発を行っています。
Cockroach inspires robot that squeezes through cracks | Berkeley News
http://news.berkeley.edu/2016/02/08/cockroach-inspires-robot-that-squeezes-through-cracks/
This robot cockroach could eventually help search-and-rescue teams | The Verge
http://www.theverge.com/2016/2/8/10936886/robot-cockroach-prototype-search-rescue-uc-berkeley
Researchers squish cockroaches in order to design a robot | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2016/02/researchers-squish-cockroaches-in-order-to-design-a-robot/
ゴキブリから着想を得た、カリフォルニア大学バークレー校のPolyPEDAL研究室で開発中の人命救助用ロボット「CRAM」がどのように動くのかは、以下のムービーで見ることができます。
なお、ムービーには本物のゴキブリが動き回る様子が出てくるので、閲覧には注意が必要です。
Cockroach robots to the rescue! - YouTube
![](https://img.youtube.com/vi/81Zv8PPF8bE/maxresdefault.jpg)
CRAMは、関節機構を備えた圧縮可能なロボットという意味の「compressible robot with articulated mechanisms」の略称で、いくつものパーツを組み合わせた骨格と柔らかい素材の殻を備え、骨格と殻が平らに変形することで狭いすきまを通ることができるロボットです。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/009_m.jpg)
CRAMの開発に携わっている研究者のKaushik Jayaram氏とRobert Full氏は、「ゴキブリの特徴的な動きと、耐衝撃性から着想を得て、がれきの間や狭いスペースで活躍できる人命救助ロボットの開発に乗り出した」と語っています。殻は拳ほどの大きさで、素材はボール紙とポリエステルが使われています。一見するとダンゴムシの体のような構造の外殻は、日本の折り紙にも発想を得て制作されたとのこと。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/001_m.jpg)
PolyPEDAL研究室では、ゴキブリをさまざまな環境下で観察。例えば耐衝撃性についての実験では、ゴキブリが自重の900倍もの衝撃に耐えうることが判明したので、ロボットの殻の構造にも活用。殻を上から押しつぶしても……
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/002_m.jpg)
壊れることなく、簡単に元の形に戻ります。およそ20ポンド(約9kg)の荷重に耐えるとのこと。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/003_m.jpg)
また、ゴキブリは体を平らに変形させることで、なんと高さ3mm程度の狭いすきまや、幅4mmほどの道も通ることができたとのこと。PolyPEDAL研究室ではゴキブリが狭いすきまを通る際に、脚を扇形に開いて素早く移動していることを発見し、CRAMの脚パーツを設計。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/004_m.jpg)
脚が180度に開く構造になっています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/005_m.jpg)
CRAMが歩行中の様子は以下の通り。広い場所では体を縮めずにそのまま歩行しています。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/007_m.jpg)
高さが半分ほどになった狭い空間では、体をぺったんこにして歩行。
![](https://i.gzn.jp/img/2016/02/09/robot-cockroach-rescue/008_m.jpg)
CRAMは災害時の人命救助用ロボットとしての活躍が期待されており、開発費用の一部はアメリカ陸軍からも提供されているとのこと。Full氏は「ゴキブリの構造には、自然界のデザインの神秘が隠されている」と語り、今後の課題は災害の場面に適したロボットの素材を見つけることであると語っています。
・関連記事
ゴキブリの動きをモデルにした昆虫ロボ「HEX BUG」を動かしてみた - GIGAZINE
バンダイが新発売するゴキブリのおもちゃを大量に動かしてみた - GIGAZINE
iPhone/iPadで操作できるゴキブリ的な何か「ゴキラジ!! for iPad/iPhone USB 赤外線 RC」 - GIGAZINE
ゴキブリをモチーフにした世界最速の小型ロボット「VELOCIRoACH」誕生 - GIGAZINE
ゴキブリが突然目の前から消える仕組みを再現したロボット - GIGAZINE
核戦争後に地球を支配するのはゴキブリなのか? - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in ハードウェア, 生き物, 動画, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article Life rescue robot incorporating movement….