通信を匿名化できるTorネットワークの流れを世界地図上に可視化する「TorFlow」


複数の通信経路を中継した仮想回線を構築することで、通信元を秘匿できる匿名通信システムが「Tor(The Onion Router)」です。「Silk Road(シルクロード)」などの違法な薬物などを売買する闇サイトで悪用されることもありますが、ジャーナリストや政治活動家など、プライバシーやセキュリティを保護する必要のある人たちの間で重宝されています。そんなTorネットワークが世界中のどこで使われているのか可視化できるのが「TorFlow」です。

TorFlow
https://torflow.uncharted.software/

TorFlowを開くと、アメリカ大陸とヨーロッパ大陸が青く光り輝く天の川のような帯でつながっているのがわかります。この青い粒子の帯がTorネットワークの流れを可視化したもの。


マウスホイール、または画面右上のプラス・マイナスをクリックすると地図のズームイン・アウトが可能。特にTorの通信が盛んに行われているのはヨーロッパで、初期状態で表示されている2016年1月13日では、フランス、イギリス、オランダ、ドイツ、スイスなどの国がTorネットワークのラインでつながっています。


地図上の国をクリックすると、国別のTorネットワーク情報を表示することができます。例えばドイツをクリックすると、右側に日付ごとのTorネットワークの動向を棒グラフで表示することができます。


グラフをクリックすると、当時のTorネットワークの動きを地図上に表示できるようになっています。


アメリカのあたりでズームインしてみると、ヨーロッパに比べて通信量は少なく、Torネットワークの動きが見えづらくなってしまいました。


そんな時は画面左下のメニューから各項目を設定することで、同じデータでもより見やすく可視化できるわけです。


画面下側のバーを操作すれば、年代を変更して世界中のTorの流れを確認可能です。


日本はこんな感じで、Torネットワークの粒子をかなり大きめにしてようやく見えるくらい。つまり日本は諸外国に比べてTorネットワークの利用者が少ないということがわかります。


日本ではあまり一般的ではないものの、Torはヨーロッパ・アメリカを中心に利用者が増加しているわけです。Torはもともとネット検閲で知られる中国や、YouTube・Twitter・BlackBerryサーバー(BES)をブロックしていたパキスタンなどの政府による監視や抑圧を逃れるためのもの。しかし、違法な品物を売買するために使われることがあることから、「ダークウェブ」と称されることもあります。

そんなTorの扱い方は企業によって異なり、FacebookはAndroidアプリ向けにTor通信アドレスを設け、TorブラウザによるFacebookへの安全な接続をサポートしています。


また、Twitterは約20人のユーザーに対して「あなたのアカウントが個人情報の取得を目的に、政府関係者のグループに狙われている可能性がある」と警告したことが報じられており、その対策としてTorの使用を推奨するメッセージを送ったことがわかっています。

Twitter warns users they may have been hacked by 'state-sponsored actors' | Technology | The Guardian
http://www.theguardian.com/technology/2015/dec/14/twitter-warns-users-hacked-state-sponsored-actors

一方で、Googleは誰でも閲覧可能な「オープンウェブ」で、IS(イスラミックステート)などのテロリストが自由に情報を公表できないような措置をとるべく、テロリストのプロパガンダが検索エンジンによってインデックスされない仕組みを構築することについて、The Guardianに語っています。テロリストのネット活動を「ダークウェブ(Tor)」に封じ込めるという方法が提案されており、具体的には「追跡型広告」と同じ技術により、プロパガンダを投稿する人物を特定するといった方法を画策中とのことです。

Google says Isis must be locked out of the open web | Technology | The Guardian
http://www.theguardian.com/technology/2016/jan/20/google-says-isis-must-be-locked-out-of-the-open-web

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in レビュー,  ネットサービス, Posted by logw_ny