実物大ザトウクジラの模型を完成させるまでの一部始終が公開中
ポリスチレン製ブロックを削りだして実物大ザトウクジラの模型を完成させ、水族館に展示するまでの様子の一部始終がImgurで公開されています。めったに見られない圧倒的スケールの模型作りの現場をじっくり見ることが可能です。
Life-size humpback whale sculpture, I made one. - Album on Imgur
http://imgur.com/a/yRrZ4
ということで、まずは4×3×8フィート(1.2×0.91×2.4メートル)のポリスチレン製ブロックを32個用意。成人男性と比較しても圧倒的な大きさです。
写真を3Dモデルに変換してくれるAutodesk 123D Catchと3DモデルソフトウェアのSketchUpを利用して作成したザトウクジラの3Dモデルを実寸大に拡大し、ボックスに下絵を描いていきます。男性が乗っているボックスに描かれているのはザトウクジラの頭部にあたる部分。
ボックスは熱されたワイヤーでカットが行われていったとのこと。
削りだしの作業は模型を参考にしながら行われましたが、非常に難しく、何度もやり直しが行われたそうです。
輸送や建物のドアの大きさを考慮すると、ザトウクジラはパーツごとに分解でき、建物の内部で組み立てられる仕組みにする必要があります。
そのため、骨組みも胴体部と尻尾の部分で分解できるように設計されました。以下は尻尾の部分の骨組み。
これで、パーツごとの模型と骨組みの準備が完了。まだ写真に写っているポリスチレンの塊がどんな模型になるのか、想像もつきません。
続いて、コーティングと着色のため一時的に模型の組み立てが行われていきます。頭部をつり下げつつ移動させて……
胴体と接合。頭部の黄色い部分は「もう少し容積が必要では?」と思っていたところだそうですが、実際は必要なかったとのこと。
頭部と胴体だけでも、かなり巨大。削りかすは全部で55ガロン(208リットル)の大袋6つ分に達する日もあったそうです。
尻尾の部分の骨組みが溶接されている様子。骨組みの周りをポリスチレンが包み込んでいる状態で溶接が行われています。ポリスチレンは燃えやすいため、消火器を手元に置いて作業が行われました。
胴体に約3.6mの胸びれと約4.2mの背びれが追加されていきます。
これがほぼ全てのパーツを接合した様子。巨大ザトウクジラと合わせて約5.8mの子クジラも作られていました。
コーティングを行うため、ポリスチレンはメッシュ素材によって包まれ、結節と呼ばれるこぶがくっつけられていきます。今はまだ継ぎ目が見えていますが、これから継ぎ目も消されていきます。
ザトウクジラの目はこんな感じ。完成までに12個の試作品が生み出されました。
模型に目をつけると、一気に生き物っぽくなりました。コーティングも施され、継ぎ目が消えています。
カボチャっぽい見た目ですが、並んでいるのはザトウクジラにくっつけていくフジツボの模型。
そしていよいよ塗装へ。
これが塗装済みのザトウクジラ。左側の胸びれはくっつけるだけのスペースがなかったため、別途で塗装が行われたようです。
完成したザトウクジラを輸送のため再び分解。
トラックの荷台に載せられてザトウクジラの頭部が運ばれて行く様子は非常にシュールです。
そして水族館のカフェテリアに運ばれ、10日かけて組み立てが行われたとのこと。予想されていた重さは2720kgでしたが、最終的には1905kgほどになり、軽量化に成功。
横から見るとこんな感じ。
別の角度から。圧倒的な存在感です。
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