乗り物

なぜ飛行機は飛ぶことができるのかをわかりやすく解説したムービー「How Do Airplanes Fly?」


海外旅行に出かける際には飛行機で空を飛んでいくわけですが、何気なく乗っている一般的な大型旅客機であるボーイング747は全長70.7メートルの巨体に最大で394.6トンもの重量を搭載して飛行することができます。そんな巨大な物体が空を飛ぶ仕組みについて、飛行機の原理の説明で頻出する「ベルヌーイの定理」を使わず、イラストでわかりやすく説明したムービーが公開されています。

How Do Airplanes Fly? - YouTube


飛行機が宙に浮くことができるのは、「飛行機のかかる複数の力が釣り合っている(正味の力がゼロ)」であるため。


正味の力がゼロである場合、静止した物体は静止したままになり、動いている物体は動き続けることになります。


この法則は地表10kmでも変わりません。


空を飛んでいる飛行機は乗客・荷物を含む機体は重力によって下に引っぱられていますが……


飛行中の機体にぶつかる空気中の分子の力や、エンジンから噴射される分子の力が作用しています。


そんな空気中の分子が機体を上昇させる力が、機体を引っぱる重力と釣り合っていれば、飛行機は宙に浮いていられることになります。


ここで「飛行機は目に見えない分子の力をどのようにコントロールしているのか」という疑問が出てきますが、飛行機は飛行中に翼の下部に多くの分子がぶつかるような形状に設計されています。


地上にいる飛行機の翼に衝突する分子数は上部・下部ともに同程度であるため、飛行機が勝手に上昇してしまうことはありません。


しかし、機体が動いている時、カーブ状に設計された翼がわずかに傾くことで……


翼の上部よりも下部に多くの分子が衝突することになり、衝突時の勢いも強くなるため、「翼を押し上げる圧力」が大きくなります。


翼の傾きによって、上部にぶつかる分子の数は少なくなり、衝突時の勢いも小さくなります。


これは前に進む推力によって翼の上部が保護されるからで、雨の中を走ると前はぬれても背中がぬれにくいことと同じ。


さらに飛行機の翼に当たる風はカーブを描くため、分子はカーブの中心から外へはじき出されます。そのため、上部にぶつかる分子の圧力が小さくなっているわけです。


つまり、飛行中の飛行機の翼は下からの圧力を大きく受けられる形状になっているため、下からの圧力が重力より大きくなることで、空を飛べるということになります。「落ちる力」より「浮上する力」が上回るため、機体が宙に浮くという仕組み。


分子が衝突する力は飛行機を減速させる圧力としても働きますが、エンジンがそれ以上の力で分子を後ろに押し出しているため、「宙に浮きながら前に進む」という作用が起こっているわけです。


なお、飛行機の推進力を得ているエンジンには「プロペラ」「ジェット」「ジェットで回るプロペラ」などの種類がありますが……


最も効率的なエンジンとは、「小さなジェットで動く大きなプロペラ(ファン)」になるとのこと。


「プロペラ」とは複数枚のブレードを回転させることで推進力を得るための装置であり、ブレードは効率的に推進力を得られるよう、先端に向かってねじれたような形状をしています。


複数枚のブレードを持つプロペラを回転させてエンジンに空気を送り込むことで推進力を得られるため、「小さな翼」とも言えます。


そんなプロペラを搭載したジェットエンジンが飛行機の翼についているわけなので、飛行機とは「翼に翼がある」という構造になっています。


飛行中に「小さな翼」であるプロペラが分子を後方に押し出すことで、飛行機は推進力を得ることができ……


プロペラで得た推進力により、「大きな翼」が分子を下にはじき飛ばすことで、分子が衝突する時に生じる「機体を減速させる力」より大きな圧力を作り出しているわけです。

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in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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