Android版Chromeに「セーフブラウジング」機能追加、悪意のあるサイトからの保護が強化される
マルウェアやフィッシングサイトなどの脅威からユーザーを保護するために、GoogleはAndroid向けに提供しているブラウザ「Chrome」にセーフブラウジング機能を追加していたことを発表しました。
Google Online Security Blog: Protecting hundreds of millions more mobile users
https://googleonlinesecurity.blogspot.co.uk/2015/12/protecting-hundreds-of-millions-more.html
Google Turns On Safe Browsing In Chrome For Android | TechCrunch
http://techcrunch.com/2015/12/07/google-turns-on-safe-browsing-in-chrome-for-android/
この機能は、Android端末にセーフブラウジング機能を搭載するクライアントを追加することで実現されるものとのこと。9月24日にリリースされた「Google Play Services バージョン8.1」に含まれる機能の1つとして提供されています。
この機能がオンになっていると、「不正な行為の疑いがある」とGoogleが判断したサイトを訪れようとした場合に、ブラウザの画面で警告が表示されるようになります。この措置により、ユーザーはマルウェアやフィッシング、悪意のある不要なアプリケーションのインストールなどから保護されて、安全にブラウジングを行えるようになるとのこと。
セーフブラウジング機能は、Android版Chromeのバージョン46で搭載済み。記事作成時点での最新バージョンは「バージョン47」となっていることから、実はすでに多くの人がこの機能を使っていることになっています。機能の状態は、Chromeのメニュー画面から[設定]→[プライバシー]と進んだところにある「セーフ ブラウジング」のチェックの有無で確認が可能。手元にあった編集部のNexus 6 (Android 6.0 Mashmallow)とSony Xperia Z3 (Android 4.4 KitKat)の両方で、セーフブラウジング機能がオンになっていることが確認できました。不要な場合は、チェックを外して機能を停止することも可能です。
この機能は、実はPC向けChromeではすでに広く使われていたもので、今回の登場は、ようやくAndroid端末でも同様の機能が使えるようになったもの。Android版の実装に時間がかかったことについてGoogleは、モバイル端末が避けて通れない「データ量の制約」に対処する必要があったためとしています。セーフブラウジング機能が必要とするデータは非常に巨大なものになるため、モバイル端末の通信量を圧迫する可能性が懸念されます。そこでGoogleではChromeに備わった「データセーバー機能」にセーフブラウジング機能を統合することで、通信のトラフィック量を低減させ、通信品質が良くない環境でも機能を使えるようにしたとのこと。また、端末のメメモリーとプロセッサーの処理を低減させるための改良も加えられています。
このように、セキュリティを高める機能がどんどんと追加されるのは心強くも感じられるところ。とはいえ、悪意のあるサイトやマルウェアは次々と生みだされているので、やはり最終的には自分でセキュリティを意識することが重要と言えます。セーフブラウジングが実際に機能しているかどうかは、テスト用のページにアクセスして確認することが可能です。
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