若いデジタルネイティブ世代はGoogleの検索結果と広告との区別が付かないことが調査で明らかに
By Philippe Put
イギリスの情報通信庁のOfcomが5~15歳の未成年を対象に、テレビやインターネットといったメディアの使用に関する調査を行いました。その調査で未成年者のほとんどがGoogleの検索結果に表示される広告と、検索結果の違いを理解していないことが判明しています。
Childrens 2015 Report to webmaster final.docx - childrens_parents_nov2015.pdf
(PDF)http://stakeholders.ofcom.org.uk/binaries/research/media-literacy/children-parents-nov-15/childrens_parents_nov2015.pdf
Ofcomはイギリスの5~15歳と、別の年齢区分として3~4歳の未成年者を対象にメディアの使用について調査を実施。調査では12~15歳の29%がテレビよりもYouTubeを好んで見ると回答し、テレビを好んでみると回答したのは21%で、初めてYouTubeがテレビを上回りました。また、PCではなくスマートフォンやタブレット端末でオンラインに接続している未成年者の数は増加の一途をたどっており、若い世代の間ではモバイル端末でインターネットのコンテンツを閲覧するのが一般的となってきているようです。
By Pabak Sarkar
インターネットに関する調査では、12~15歳の約70%が「オンライン上で別のユーザーと接するときは、現実で他人と接するときとは異なる話し方や行動などをとる」と答えており、また、「ニュースといった情報を知るにはYouTubeが最も信頼性が高く正確である」と考えている未成年者の数が2014年の3%から8%にまで増加していることが判明。ただし、調査結果で最も興味深いのは検索エンジンの検索結果に関するものです。
OfcomはGoogleで検索したときのスクリーンショットを未成年者に見せ、「検索結果の一番上に表示されているのは、『広告』『最も関連性の高い検索結果』『最も人気がある検索結果』のどれか?」と聞いたところ、12~15歳の約70%がページトップの広告を広告と理解していなかったとのこと。また、12~15歳の約20%は「検索結果に表示されていることは真実に基づいた情報である」と信じていることも判明しています。
調査を実施したOfcomのJames Thickett氏は「インターネットは子どもたちに学習や探求に関して、今までとは異なるアプローチ方法を与えてくれます。しかし、若いデジタルネイティブ世代がオンラインの世界を正しく楽しむために、ノウハウを向上させる助けを必要としているのは明らかです」と調査結果にコメント。モバイル端末が登場したおかげで、インターネットが身近になったものの、その使い方や知識といったものは未成年者の間で正確に理解されていない現状が浮き彫りになりました。
インターネットを正しく利用するための能力は「ネットリテラシー」と呼ばれており、近年若者によるソーシャルメディアへの不適切な投稿が問題となったときには若者のネットリテラシー不足が指摘されたことがあります。日本では総務省が「ICTメディアリテラシーの育成」というネットリテラシーを育成するプログラムを開発し公式ページで公開中。子どもたちのインターネットに対する知識不足を補うべくさまざまな取り組みが行われており、その効果に期待したいところです。
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