ハードウェア

自作レールガンに2万7000ジュールのエネルギーを投入し標的を一瞬で破壊する強者が登場


「DIY 250 lb Giant Mobile Railgun, 27,000 joules.(250ポンド、2万7000ジュールの巨大携帯型レールガンをDIY)」というタイトルで、自作の携帯型レールガンをZebralemurさんが公開しています。250ポンド(約110kg)という「携帯型」と呼ぶにはギリギリアウトな気もするサイズ感ですが、その見た目とパワーは恐るべきものになっており、火薬等を一切使わずに電気の力のみでスローモーションムービーでも捉えきれないようなスピードの弾速を実現してしまっています。

DIY 250 lb Giant Mobile Railgun, 27,000 joules. - Album on Imgur
http://imgur.com/a/GrAiE

レールガン」は、弾丸を電磁誘導で加速させて撃ち出す装置のことを指します。SFやアニメ・ゲームなどに登場する架空の武器にはこのレールガンが多く存在するのですが、そんな超兵器を自作してしまったのがZebralemurさん。

黒くて長い無骨なデザインの携帯型レールガンがコレ。弾丸はアルミニウム製。トリガーを引くと、まず二酸化炭素を使って弾丸をあらかじめ約50mph(時速約80キロメートル)ほどにまで加速させ、続いて弾丸は2枚の銅板製のレールを通って撃ち出されます。高電圧が流れる銅板に弾丸が接触することで、磁場の相互作用で弾丸はさらに加速するのですが、電気が流れていない場合は銅板レールと弾丸の間には強い摩擦が発生してしまうそうです。しかし、高電圧で弾丸表面のアルミニウムは溶けてしまうそうで、この溶けたアルミニウムが潤滑剤となり摩擦を減らしてくれる模様。なお、電流フローはC形(交流定電圧制御+交流電流制限)を採用しているそうです。


レールガンを抱えているのが製作者のZebralemurさん。


レールガンは2万7000ジュールものエネルギーを使用しているのですが、それをレールガン本体に供給するのがこの金属プレートに大量にくっついている青色の筒状コンデンサー。コンデンサーは1つ当たり6000マイクロファラッドのものを使用し、56個の同コンデンサーをつないで使用している、とのこと。なお、これらのコンデンサーを用意するのにかかったコストは2600ドル(約32万円)だそうです。


初めて自作のレールガンをぶっ放した際のムービーがYouTube上で公開されています。

Backyard RAILGUN: Field Testing the 250 lb Electric Gun, 27,000 Joule (max) - YouTube


車の荷台に積んであるのは大量のコンデンサー。


レールガンも登場。


撃ち出すのはこのアルミニウム製の弾丸。


コンデンサーを金属板でつなげ……


これにむき出しの銅線をセット。


そしてレールガンに……


銅線をつなぎます。


砲身からちょろっと出ているのは……


弾丸を加速するための銅板レール。


この中を弾丸が加速しながら通過します。


砲身にフタをして……


ボルトのようなものを挿して固定。


トリガーはこんな感じ。


というわけで、初めての試射では350V、2万500ジュールでレールガンを撃ちます。


発射した瞬間にレールガンにつないでいた銅線が吹き飛びました。


別角度から見るとこんな感じ。


弾丸はどこまで飛んでいったのか……。


コンデンサーをつないでいる金属板を見てみると……


一部が焼け焦げていました。


たまらず大爆笑する製作者のZebralemurさんたち。


そんなこんなで、「試し撃ち」→「改良」というサイクルを何度も続けます。

2回目の試し撃ちではカボチャをターゲットにしています。

EM Railgun Metal Vapor/Plasma Explosion. Launch #2 - YouTube


4回目の時点で銅板レールが熱で変形してきていることがよく分かります。また、ここでようやく発射の度にケーブルが吹き飛ばないよう、コンデンサーとケーブルをボルトで固定。

250lb Railgun vs. Car Door: 27,000 Joules. Launch #4 - YouTube


5回目では弾道測定用のゼラチンに発射。

250lb Railgun Confirmed lethality: Ballistics Gelatin Test. Launch #5 - YouTube


7回目ではスマートフォン&カボチャを撃ち抜きます。

250lb Railgun vs. Galaxy S3, 27,000 Joules, Launch #7 - YouTube


9回目と10回目の試射はこんな感じ。

250 lb Railgun vs. 10 x Fine China Plates- Launches #9 & #10 - YouTube


以下のムービーは12回目の試し撃ちの様子を撮影したもの。的になったのはブタの貯金箱で、これが一瞬でバラバラに破壊される様子がスローモーションで撮影されています。

250 lb Railgun vs. Piggy Bank. Launch #12 - YouTube


12回目の試射の標的はブタの貯金箱。


今回は2万7000ジュールのエネルギーで弾丸が撃ち出されるようです。


発射した瞬間、画面が火花で覆われて……


ブタの貯金箱がバラバラに砕け散っています。


別角度から。


発射した瞬間に火花がブタの貯金箱を包み込み……


火花が消えると中から破片が飛び出します。


さらに別アングルからスローモーションで撮影。


火花がブタの貯金箱を包み込む前に既にバラバラに砕け散っていることが分かります。


撃ち抜かれた後に火花に包まれて……


バラバラに。


作者のZebralemurさんは「これは民間で作られたレールガンの中で最も強力なものだ!」と誇らしげに語っていますが、同時に「作成手順を公開してはいるものの、作成を推奨しているわけではありません。高電圧コンデンサーと高速な弾丸は非常に危険で、これは安全に作ることができないと断言できるものです」と注意喚起しており、「絶対に家で試してはいけない!」とも述べています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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