「Firefox 42」正式版リリース、トラッキング保護を実装でプライバシー機能が強化

By Jean-François PARIS

日本時間の2015年11月3日(火)から「Firefox 42」の正式日本語版がダウンロード可能となります。Cookieや一時ファイル、ページの訪問履歴を保存せずにブラウジングできるプライベートブラウジング機能にトラッキング保護が実装され、サイト運営者以外の第三者による行動追跡を許可しているコンテンツを非表示にすることができ、プライバシー機能が強化されています。

Firefox のダウンロード — 自由な Web ブラウザ — Mozilla
https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/

Firefox 42.0 リリースノート
http://www.mozilla.jp/firefox/42.0/releasenotes/

Android 版 Firefox — モバイル Web ブラウザ — 柔軟なカスタマイズと、プライバシーを重視するブラウザ — Mozilla
https://www.mozilla.org/ja/firefox/android/

Android 版 Firefox 42.0 リリースノート
http://www.mozilla.jp/firefox/android/42.0/releasenotes/

◆デスクトップ版のダウンロード
Firefoxは自動更新機能によって順次自動アップデートされますが、今すぐ最新バージョンを使いたい場合は以下からダウンロード可能です。

・Windows版
http://download.mozilla.org/?product=firefox-42.0&os=win&lang=ja

・Mac OS X版
http://download.mozilla.org/?product=firefox-42.0&os=osx&lang=ja-JP-mac

・Linux版
http://download.mozilla.org/?product=firefox-42.0&os=linux&lang=ja

◆追加になった主な新機能・デスクトップ版
Firefox 42に追加された新機能として、プライベートブラウジングにトラッキング保護が実装されました。プライベートブラウジングを開くとトラッキング保護がデフォルトで有効になっています。

プライベートブラウジングでサイトを閲覧中にトラッキング保護を解除するには、アドレスバーに表示されている盾のアイコンをクリック。

「このセッションのみ保護を無効にする」をクリックすると、サイトにアクセスして終了するまでのセッションの間のみトラッキング保護を無効にできます。

また、開いているタブで音声が再生されているときに、スピーカーのアイコンが表示されるようになりました。アイコンをクリックすると……

わざわざタブを開くことなく音量をミュートにすることができます。

◆Firefox 42デスクトップ版での変更点

○新機能
・トラッキング保護つきプライベートブラウジングが実装され、サイト間で行動を追跡する要素をブロックできるようになりました
・音声を再生しているタブにアイコンが表示されるようになりました。そのアイコンをクリックすることで、音声をミュートできます。バージョン 19以降Flashもこの機能に対応しています
・パスワードマネージャが以下の点で改良されました：
ユーザ名とパスワードの保存タイミングの検出方式が改良されました
コンテキストメニューからパスワードを入力できるようになりました
Windows版のChromeもしくはIEからパスワードをいつでもインポートできるようになりました
・サイトのセキュリティと、プライバシーのコントロールを行うコントロールセンターが追加されました
・WebRTCに関する以下項目が改良されました：
IPv6をサポートしました
ICE候補の生成と、サイトからのIP取得に関する設定が行えるようになりました
アドオン開発のために、allow/denyとcreateOffer/Answerへフックポイントが作成されました
getUserMediaで使用されているデバイスへの、アプリケーションからモニターと制御が向上しました

○変更
・スタイルの変更をを多用するサイトのパフォーマンスが向上しました

○HTML5
・ES6のReflectが実装されました
・ImageBitmapとcreateImageBitmap()が実装されました
・HTML5のvideoむけMedia Source Extensionが全てのサイトで利用できるようになりました

○開発者
・HTMLのソースをタブに表示できるようになりました
・WiFi経由でのリモートデバッグが可能になりました。これによりUSBケーブルの接続や、ADBのインストールをすることなく、リモートデバッグができるようになりました
・非同期呼び出しのコールスタックが表示されるようになりました。これによりsetTimeoutや、DOMイベントハンドラ、Promiseのハンドラの処理を追いやすくなりました
・Web IDEでFirefox OSシミュレータのシミュレートするデバイスを設定できるようになりました。これにより様々なスマートフォン、タブレット、TVをシミュレートできるようになりました
・CSSフィルタをプリセットできるようになりました
・CSSフィルタツールチップ内で、フィルタのプリセットを保存できるようになりました

○既知の問題
Unicode で表現された国際化ドメイン名を含む URL へのリダイレクトが正しく行われず、Server Not Found エラーが発生します

◆Firefox 42 Android版での変更点

○新機能
・トラッキング保護つきプライベートブラウジングが実装され、サイト間で行動を追跡する要素をブロックできるようになりました
・他のアプリケーションから送られたURLをバックグラウンドで開くようになりました
・検索パネルで、QRコードからURLを読みとれるようになりました
・Androidの制限付きプロフィール向けの家族向けブラウジングをサポートしました
・about:loginsで保存されたアカウントを閲覧できるようになりました。この画面でアカウントの編集や削除も行えます
・URLバーへ音声による入力ができるようになりました
・アプリを切り替えることなく、複数のリンクを開けるようになりました
・パネルのナビゲーションにスクロール可能なタブを利用するようになりました

○変更
・スタイルの変更をを多用するサイトのパフォーマンスが向上しました

○HTML5
・ES6のReflectが実装されました
・ImageBitmapとcreateImageBitmap()が実装されました
・HTML5のvideoむけMedia Source Extensionが全てのサイトで利用できるようになりました

○開発者
・WiFi経由でのリモートデバッグが可能になりました。これによりUSBケーブルの接続や、ADBのインストールをすることなく、リモートデバッグができるようになりました

○既知の問題
・Unicodeで表現された国際化ドメイン名を含むURLへのリダイレクトが正しく行われず、Server Not Foundエラーが発生します

なお、次期バージョンのFirefox 43は2015年12月15日(火)にリリース予定です。

◆2015/11/04 追記
新しいプライベートブラウジング機能に関する公式ムービーが公開されました。

What's new in Firefox? - YouTube


プライベートブラウジング機能については、「≡」→「新しいプライベートウィンドウ」の順にクリックすれば確認できます。

「トラッキング保護」機能はプラべートブラウジング機能でデフォルト状態で有効になっています。Mozillaによると、サードパーティ企業のユーザートラッキング(追跡)をブロックすることでページ表示速度を高められるそうで、このようなユーザートラッキングの防止策は、Chrome、Safari、Microsoft Edge、Internet Explorerには搭載されていないとのこと。

トラッキングしているコンテンツを検出した場合、「盾」のアイコンが表示されます。

また、複数のサイトをまたいでユーザーを追跡する危険性のあるコンテンツをブロックするため、サイトの一部が表示されないことがある、とのこと。

なお、セッションごとにトラッキング保護機能を無効化することも可能です。