カメラに映り込む動体をリアルタイムで除去できる「Monument Mode」などAdobeの技術力をまざまざと見せつける「Adobe MAX 2015」デモ
アメリカ・ロサンゼルスで開催中のAdobeの開発者会議「Adobe MAX 2015」では、簡単かつ自由自在にフォントをデザインできる「Project Faces」が公開されるなど次世代技術の数々が披露されていますが、この他にもカメラの映像からリアルタイムで動く物体を除去する「Monument Mode」など、Adobeの技術力の高さと先進性をまざまざと見せつけるデモが行われています。
Sneak Peeks at Adobe MAX 2015 Rocked
http://blogs.adobe.com/conversations/2015/10/sneaks-peeks-at-adobe-max-2015.html
Adobe's New App Turns 2-D Selfies Into 3-D Magic | Co.Design | business + design
http://www.fastcodesign.com/3051912/adobes-new-app-turns-2-d-selfies-into-3-d-magic
◆Monument Mode
「Monument Mode」は、撮影したムービーから動きのある物体をリアルタイムで除去して画像を作成できる機能。例えば、人でごった返す観光地の風景から観光客を取り除いた写真を作成するなどの利用方法が考えられます。Monument Modeの威力は以下のムービーで確認できます。
Adobe MAX 2015 - Sneaks - Monument Mode - YouTube
「MAX」と読める岩をバックに撮影中。
フレーム内に男性が大げさな動きを見せていますが、ムービーから男性がリアルタイムで除去されています。
男性と女性がカメラを横切るように歩いて行きましたが、やはりカメラの映像には二人の姿は消されています。
完全に風景だけになった時点でシャッターを切ると……
こんな感じで風景だけを写真に収めることができました。
◆Project Dollhouse
写真から奥行きの情報を取得して、イラストにする技術が「Project Dollhouse」としてデモされました。Project Dollhouseで遠近感を使ったイラストを描く様子は以下のムービーで確認できます。
Adobe MAX 2015 - Sneaks - Project Dollhouse - YouTube
人形の家を使って奥行き情報を取得してイラストにします。
タブレットのカメラで人形の家を撮影しつつ……
手でアウトラインを引いてきます。
外観だけでなく部屋の内部もOK。
アウトラインを引いた後で……
犬の画像を選択。
適当な場所に配置すると……
イラストの中に犬が描かれました。遠近法に従って、イラストが変形したり拡大縮小したりするようです。
次に奥の壁を選んで……
大きな「MAX」の文字が描かれたポスターを配置。ポスターも壁に合わせて自動的に変形します。
最後に人形の家のレイヤーを取り去ると、こんな感じで遠近感を使ったイラストが出来上がりました。
◆3D Portraits
「3D Portraits」は2Dの人物画像を3Dにデータ化する技術。3Dデータはそのまま3Dプリンターで出力することが可能です。Adobe MAX 2015では男性の写真を即座に3D化して3Dプリンターで出力した作例が紹介されました。
3D Portraitsで立体データを作成する様子は以下のムービーで確認できます。
立体化したい人物の写真を取り込んでなぞりつつ、「Hair(髪)」「Head(頭)」などの情報を認識させ入力していきます。
約3分で立体データの完成。
この女性は……
こんな感じに。
出力したデータを3Dプリンターに入力すると、即座に立体物を作成することも可能。各部分の色の情報も反映されるので、3Dプリンターの出力が大いに捗りそうです。
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