タランティーノ映画に隠された10の真実
脚本・監督を務め、さらに自身も俳優として出演することで知られるユニークなクエンティン・タランティーノ監督が輩出してきた数々の映画作品の中には、よく見るとほかの映画とのつながりを持たせているものや、公には明らかにしていないものの、2本の作品のキャラクターが兄弟であるなどの秘密が隠されています。そんな「タランティーノ映画に隠された10のつながり」がムービーでまとめられています。
10 Hidden Connections In Tarantino Films - YouTube
◆01:犯罪者兄弟
「レザボア・ドッグス」では、宝石強盗をもくろむ登場人物たちが、お互いのことを「Mr.ホワイト」「Mr.オレンジ」などのコードネームで呼び合います。
そのため、メンバーの本名はほとんど知られていませんが、強盗犯の1人「Mr.ブロンド」の本名は「ヴィック・ベガ」。
そして、「パルプ・フィクション」の登場人物の1人で、ジョン・トラボルタが演じるマフィアの1員の名前は「ヴィンセント・ベガ」。
名前が似ている2人ですが、2本の映画公開後に、タランティーノ監督が「ヴィック・ベガ」と「ヴィンセント・ベガ」は兄弟という設定で、ベガ兄弟が主演する映画も計画していたということを明かしました。しかし、俳優の年齢の問題から、この計画は頓挫してしまったとのことです。
◆02:ユダヤの熊
「トゥルー・ロマンス」には、「リー・ドノウィッツ」というキャラクターが登場しますが、この役はハリウッド映画プロデューサーとして知られるソウル・ルビネックが演じています。
そして、「イングロリアス・バスターズ」で、敵兵をバットで撲殺する「ユダヤの熊」と呼ばれていた軍曹の役名は「ドニー・ドノウィッツ」。名字が同じ2人ですが、タランティーノ監督は、2人が本当の親子であることを明かしています。
◆03:映画の中で映画
タランティーノ監督は、「トゥルー・ロマンス」「パルプ・フィクション」「キル・ビル Vol.2」「イングロリアス・バスターズ」の4作品の中で、登場人物が映画館に行くシーンにおいて、自身が関係した過去の作品を上映していることを認めています。また、ムービーでは語られていませんが、タランティーノ監督が制作総指揮を務めた「ホステル」でも、ホテルのTVで「パルプ・フィクション」が上映されているなど、よくよく見てみると、ほかにもそんな「茶目っ気」が見つかるかもしれません。
また、ユマ・サーマン演じる「キル・ビル」の主人公であるザ・ブライドは、「ハンゾー・ソード」で敵をぶった切るキャラクターとして知られています。
そんなユマ・サーマンが「パルプ・フィクション」で演じたミア・ウォレスは、過去にTV番組の女性ヒーローモノのナイフ使いを演じてお倉入りしたことがある、と告白するシーンがありますが、ミア・ウォレスが果たせなかった夢が「キル・ビル」で達成されているとも考えられるとのこと。
◆04:ビッグ・カフナ・バーガー
「パルプ・フィクション」でサミュエル・L・ジャクソン演じるマフィアの1員であるジュールスが食べているのは、「ビッグ・カフナ・バーガー」という空想上のチェーン店のハンバーガー。
しかし、ビッグ・カフナ・バーガーがタランティーノ映画に初登場するのはその時ではありません。「レザボア・ドッグス」でMr.ブロンドが手にしているのは、ビッグ・カフナ・バーガーのジュース。
さらに、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」で、ジョージ・クルーニー演じるセスが、車から降りるシーンで手にしているのもビッグ・カフナ・バーガー。タランティーノ監督がビッグ・カフナ・バーガーを気に入っているため、随所で登場すると考えられています。
◆05:レッド・アップル
タランティーノ監督の映画で頻繁に登場するタバコの銘柄が「レッド・アップル」。「パルプ・フィクション」でミアが何気なく吸っているタバコや……
同じく「パルプ・フィクション」で、ブルース・ウィリス演じるブッチが、ジョン・トラボルタ演じるヴィンセントと一触即発のにらみ合いを始める前に買い求めるタバコもレッド・アップル。
フロム・ダスク・ティル・ドーンで移動する車のダッシュボードにもひそかにパッケージが映っていたり……
キル・ビルでも大きなポスターが登場しています。
◆06:ナースの名前は「ボニー」
「レザボア・ドッグス」のワンシーンでは、Mr.オレンジが銃で撃たれて治療を受ける必要が生じますが、宝石強盗であるため、病院に行くことはできません。
そこでナイスガイ・エディ・キャボットが呼ぼうとする闇医者のナースの名前は「ボニー」と呼ばれています。
さらに、「パルプ・フィクション」でも、タランティーノ演じるジミーのナースの妻が「ボニー」という同じ名前で呼ばれていました。
◆07:ポーラ・シュルツの墓
「ジャンゴ 繋がれざる者」には、賞金稼ぎのドクター・キング・シュルツという人物が登場しますが、彼の物語が始まったのはこの時ではありません。
「キル・ビル Vol. 2」のザ・ブライドが、墓の下から脱出するシーンがありますが……
墓石には「ポーラ・シュルツ 1823年~1898年」と書かれており、この年代は「ジャンゴ 繋がれざる者」の時代背景と一致しています。
さらなるつながりとして、「ジャンゴ 繋がれざる者」で読まれる新聞に「クレイジー・クレイグ・クーンツ」という人物名が書かれていますが……
これは「パルプ・フィクション」で7年間ハノイに捕虜として抑留され、戦友の形見である金時計を腸の中に隠し抜いてその息子に返還した、クーンツ大尉のことだと見られています。
◆08:Mr.ホワイトとアラバマ
「レザボア・ドッグス」に登場するMr.ホワイトが、過去に「アラバマ」という名のパートナーがいたことについて話すシーンがあります。
そのパートナーとは、「トゥルー・ロマンス」の主人公の恋人役として登場するアラバマ・ウィットマンであることは明白とのこと。どちらも重要な配役であり、この設定だけで映画が1本書けそうな背景を予想させるため、この2人に関する映画がいまだ登場していないのは残念だ、と Screen Rantはコメントしています。
◆09 :ディミック兄弟
「パルプ・フィクション」でタランティーノ監督が演じたキャラクターのフルネームは「ジミー・ディミック」。
「レザボア・ドッグス」のMr.ホワイトは「ローレンス・ディミック」という同じ名字がつけられています。
作中ではこの2人が名前以外に兄弟であることを示す証拠はないとのことですが、タランティーノ監督は「ベガ兄弟」のように意図して同じ名字を使うことがあるため、いつしか2人が兄弟であることがタランティーノ監督の口から明かされるかもしれません。
◆10 :タフガイな保安官
「キル・ビル」には忘れがたいキャラクターの1人として保安官のアール・マクグローが登場します。
なお、息子役として出演するもう1人の保安官は、アール・マクグロー役を演じたマイケル・パークスの実の息子でもあるとのこと。
マイケル・パークス演じる「タフガイな保安官」は、タランティーノ監督作品の中でたびたび登場しており、初めて登場した作品は「フロム・ダスク・ティル・ドーン」。
「デス・プルーフ in グラインドハウス」でも、保安官として登場しているのがわかります。
このムービーを作成したScreen Rantは、ほかにも知られていないつながりや秘密を見つけたら、YouTubeのムービーにコメントしてほしいとお願いしています。なお、クエンティン・タランティーノ監督の最新作「THE HATEFUL EIGHT(ヘイトフル・エイト)」が2016年1月に公開予定ですが、じっくり細かいところまで注意して見ることで、「新しい秘密」も見つかるかもしれません。
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