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2Dと3Dで地図の投影法によりどれぐらい歪むか体験できる「visualizing map distortion」


メルカトル図法などのさまざまな投影法を使った2Dの地図と、3Dの地球儀を見比べながら、実際の地形に比べてどのくらい変形しているのかを見られるのが「visualizing map distortion」です。

visualizing map distortion
http://bl.ocks.org/enjalot/bd552e711b8325c64729

「visualizing map distortion」のページを開くと、茶色の2Dの地図と、灰色の3Dの地球儀が表示されます。2Dの地図で赤い点線に囲まれているエリアが、3Dの地球儀上にも赤い点線で表示されています。


2Dの地図の投影法を変更するには、地図の下部にあるメニューから目的の投影法を選べばOKです。


試しに、Googleマップにも使われているメルカトル図法を選んでアメリカの東海岸を表示してみました。メルカトル図法は緯度を平行に引き、経度は緯度と垂直になるように平行に描いている地図です。実際の経線は赤道から離れるほど短くなるのですが、メルカトル図法では経線の長さが統一されているため、高緯度の地域になればなるほど実際の面積よりも大きく表示されてしまいます。そのため、3Dの地球儀では上辺の短い台形を描いています。


2D地図の上でマウスホイールを操作すると地図を拡大・縮小することも可能。最大限まで拡大すると、ゆがみが小さく正確に表示できます。


北極・南極に近づくほどゆがみは大きくなります。


南極を表示してみるとこんな感じで、3Dの地球儀では上辺の短い台形が表示されています。なお、表示可能な範囲はアメリカ大陸・ヨーロッパ大陸の西側・アフリカ大陸・南極などに限定されていて、日本やオーストラリアを表示することはできませんでした。


他の投影法も試してみます。エイトフ図法(Aitoff)は、赤道を長軸とした正距方位図法の地図で、赤道の長さと子午線が2:1の長さで描かれた楕円(だえん)形をしています。


ユーモルフィック図法(Boggs eumorphic)はモルワイデ図法とサンソン図法の経緯線のそれぞれの間隔の算術平均で得られ、2つの図法の中間的な形状となる正積擬円筒図法で描かれています。


クラスタ・パラボリック図法(Craster parabolic)は、別名プトニンシュ P4(Putnins P4)とも呼ばれる擬円筒図法。


正積円筒図法(cylindrical equal area)は面積比を正しく表した円筒図法の地図。


ドイツの地理学者マックス・エケルトによって考案された6種類のエケルト図法(Eckert)のうち、1番目のエケルト第1図法は正方形の左右に三角形を付け加えた六角形で描かれている地図。


エケルト第3図法は正方形の左右に半円を付け加えた、楕円形っぽい形。


エケルト第4図法は、面積比が正しくなるようにエケルト第3図法の緯線を調節したもの。


エケルト第5図法は正方形の左右に正弦曲線を付け加えた形。


正距円筒図法(Equidistant Cylindrical)は緯線と経線が直角・等間隔に交差している地図。


ファヒー図法(Fahey)は縦長の楕円形を描いた地図。


フーコー正弦曲線図法(Foucaut Sinusoidal)は、経線を正弦曲線で表した「正弦曲線図法」をアレンジして面積の正確さを上げた地図。


ガル図法(Gall Stereographic)は北緯45度と南緯45度の2本を標準緯線として表した平射円筒図法。


ギンツブルク第8図法(Ginzburg VIII)は、別名TsNIIGAiKとも呼ばれる擬円筒図法のひとつ。


カヴレイスキー第7図法(Kavraisky VII)も擬円筒図法で描かれた地図のひとつ。


ラリヴェ図法(Larrivee)は複数の図法を組み合わせて上下がへこんだ形の地図。


マクブライド・トーマス図法(McBryde - Thomas Flat-Pole Quartic)は、世界地図に使われる擬正積円筒図法の地図。


ミラー図法(Miller Cylindrical)は、メルカトル図法で描けなかった極点を表すことができるように改良された地図。


モルワイデ図法(Mollweide)は、地球全体を正しい面積でひとつの楕円形として表示できる擬円筒図法。


ナチュラル・アース図法(Natural Earth)は擬円筒図法のひとつです。製作したのは地図に関する数々のオープンソースツールを開発している地図製図者のトム・パターソン。


ネル・ハマー図法(Nell-Hammer)は正積円筒図法をもとに、楕円形を横に引き延ばした形状の地図。


四次等積図法(Quartic Authalic)は擬円筒図法を用いて2つの正弦で作られた地図。


ロビンソン図法(Robinson)は、既存の図法で問題となっていた面積とゆがみを調整した地図。ナショナルジオグラフィックでも使われていたことがあります。


正弦曲線図法(Sinusoidal)はサンソン図法とも呼ばれる、面積を正しく表した擬円筒図法のひとつ。


ファン・デル・グリンテン図法(van der Grinten)は地球全体を正円で表した地図。


ワグナー第6図法(Wagner VI)は擬円筒図法で地球全体を楕円形で表し、北極と南極は直線状となっている地図。


ワグナー第7図法(Wagner VII)は南極大陸を描けるように改良した地図。


ヴィンケル図法(Winkel tripel)は正距円筒図法とエイトフ図法を合成したもので、ひずみが非常に小さく、世界地図を表示するのに適しています。


なお、visualizing map distortionで使われている地図の全体図は以下のページから見ることが可能です。

Comparing Map Projections
http://bl.ocks.org/syntagmatic/ba569633d51ebec6ec6e

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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