ハードウェア

Appleを含む162社に約90億円を投入、兵士向けウェアラブル端末の開発へ

By The U.S. Army

兵士の健康状態をリアルタイムで把握したり、活動を補助するための専用端末の開発に向け、Apple・ボーイング・クアルコム・ハーバード大学・MIT・スタンフォード大学などの162の企業・大学で構成されている団体「FlexTech Alliance」に対して、アメリカ国防省が5年計画で7500万ドル(約90億8000万円)の資金を出資することがわかりました。

FlexTech Alliance Receives $75 Million Department of Defense Award To Create and Manage a Flexible Hybrid Electronics Manufacturing Facility | FlexTech
http://flextech.org/flextech-alliance-receives-75-million-department-of-defense-award-to-create-and-manage-a-flexible-hybrid-electronics-manufacturing-facility/

DoD Announces Award of New Flexible Hybrid Electronics Manufacturing Innovation Hub in Silicon Valley > U.S. DEPARTMENT OF DEFENSE > News Release View
http://www.defense.gov/News/News-Releases/News-Release-View/Article/615132/dod-announces-award-of-new-flexible-hybrid-electronics-manufacturing-innovation

FlexTech Allianceは96の企業、11の研究所および非営利団体、42の大学、14の州および地域団体で構成されたシリコンバレーのコンソーシアムです。アメリカ国防省は、兵士に装備させるヘルス・モニタリングシステムや通信機能を備えた、フレキシブル素材を用いたウェアラブル端末を開発するべく、FlexTech Allianceに7500万ドル(約90億8000万円)の連邦政府補助金を拠出することを発表しました。政府以外からの出資も集まっており、資金は合計で9600万ドル(約116億円)以上に及ぶとのこと。

資金を受けたFlexTech Allianceには多種多様な業界の組織が集まっているため、技術や知識を連携することで、2020年までに基板プリント技術や、回路をプリントできる伸縮可能な新素材、兵士向けに特化したウェアラブル端末などの開発を目指しています。


具体的にどのようなウェアラブル端末を開発するのかは、以下のムービーで解説されています。

Flexible Hybrid Electronics Manufacturing Innovation Institute (FHE-MII) - YouTube


基盤は以下のようにぐにゃりと曲げることができ、各種センサーを搭載。


ウェアラブル端末に関しては基盤だけでなく全てのパーツがフレキシブル素材で作られるとのこと。


フェーズドアレイレーダーにより兵士の現在地の遠隔確認できる端末や、医療用端末、運動補助端末、バイオロジカルデバイスなど、数種類のウェアラブル端末を開発する予定。


例えば、紙のように薄く丸めたりできるバッテリーや……


ぺらぺらのアンテナ


印刷できる回路や基板などを大量生産できるようにするとのこと。


通常の基板を使った端末だと、衝撃による故障が弱点となりますが、フレキシブル素材に基板をプリントした端末であれば、どこにでも取り付けられて耐衝撃性を持ち合わせているため、兵士の装備としては最適。また、航空機の壁面などにもセンサーが取り付けられるようになります。


最終的にはこんな感じで、発汗・電解質量や心拍数血液酸素飽和度などをリアルタイムで検知して、生体指標をディスプレイに表示することができるようになります。


遠隔地からでも全兵士の状態をリアルタイムで確認できるため、汚染地域などでの活動にも効果的。従来の電子端末のようにキーボードなどを触らずに通信できるようになることで、兵士の活動が安全かつ効率的になるとのことです。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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