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なぜウルティマオンラインには18年経った今でもプレイヤーがいるのか?


MMORPGを一般に普及させたターニングポイント的存在である「ウルティマオンライン(Ultima Online、以下UO)」が発売されてから、まもなく18年が経過します。どんなゲームにも栄枯盛衰はあるものですが、なぜUOは18年経ってもいまだにプレイヤーがいるのか、その謎を、新たにブリタニアの世界に飛び込んだ1人のゲーマーが考えています。

18 Years Later, Why Are People Still Playing Ultima Online? | Rock, Paper, Shotgun
http://www.rockpapershotgun.com/2015/06/30/ultima-online-retrospective/

UOはMMOPRGの中でも古い作品に属し、定期的にプレイ料金が必要なサブスクリプションモデルで運営が続けられています。なぜUOはこうしてサービスが続いているのか、ゲーム情報サイト「Rock, Paper, Shotgun」のジェイク・タッカーさんは自ら新たなプレイヤーとして飛び込んで自分の目で世界を見ると同時に、フォーラムで出会ったベテランプレイヤー・Petra Fydeさんに話を聞いて、その理由を探りました。


Fydeさんは2000年10月、息子のアカウントにキャラクターを作成したところからUOライフを始めました。それからすぐ、夫とともに自分のアカウントを取得し、約15年にわたってUOを遊び続けています。今、Fydeさんが行っているのは、ゲーム内にある分かりづらいことのサポートガイドを書くことです。

15年も続けられるモチベーションは何なのかと尋ねられて、Fydeさんは「UOをプレイすることはとても楽しいから」と理由を語りました。「ゲームを通じて、私には世代や国境を超えて、たくさんの友人ができました。中には会ったことのない人もいますが、彼らは私がトラブルに遭ったときには助けてくれます。それこそ、隣人がすぐそこにいるかのように、です」

そうはいっても当初はUOが他のMMORPGと違っているとは思えなかった、と語るジェイクさん。しかし、自らゲームを遊ぶことで、他のMMORPGをプレイした際に最初の数日で体験できることよりももっと刺激的なことに出会い、UOの特別さを実感していきます。

by UO Journal

MMORPGの醍醐味の1つが、自分の分身であるキャラクターをどう作るかということ。UOはいくつも拡張パックが導入されてきてはいますが、古いゲームらしく、選べる外見的特徴にはそれほど幅がありません。しかし、ジェイクさんはこれを気に入り、パラディンを目指すか、それともブリタニアをサムライとして旅するか、あるいは若い冒険者たちに武器を提供しては尊敬されるような存在を目指すか……とワクワク。

これがUOのキャラクター作成画面。選べるのは髪型・ひげの形・肌のトーン・シャツの色・パンツの色・髪の色・ひげの色。シャツとパンツはあとで染め桶と染め粉を使えば好きな色に染め直せます。


結局、せっかくブリタニアに生まれ落ちたのだからと、金床の後ろに座ってあくせく働くのではなく、外に出ることを選択。「忍者」が、まるでアダマンチウム製の爪をつけているかのような外見だったので、「Wool Verrine(ウール・ヴェリーヌ)」と名付けたキャラクターを作成しました。

おそらく、ジェイクさんは「武刀の天地」発表時の、以下のような忍者イラストを見たものと思われます。UOでは、他のMMORPGのように、キャラクター作成時に職業やクラスを選択することはありません。


いかにも標準的なチュートリアルを終えて初心者の町・ニューヘイブンに到着したのち、「スキルを使って敵を倒す」という標準的なMMORPGのプレイスタイルを採ったジェイクさんは、鷲相手に戦いを挑んで殺され、持っていた剣や服をすべて失ってしまいました。改めて準備を整えてから、ジェイクさんはモンスターたちが新規プレイヤーであることを示す「young」属性のついたキャラクターに対しては先制攻撃してこないということに気づき、ブリタニア世界の「従軍記者」になりました。

いろんなムーンゲートを通って、ブリタニア世界で見聞を広めたジェイクさんに、「多くの人々にはそれぞれのプレイスタイルがありますが、UOにはそれらに合うような多様性があり、かつ、ゲーム側からプレイヤーに求めてくるものがないので、続いているのだと思います」と語ったFydeさん。「基本的に、自分がしたいことをしたい時にするだけ。たとえばレイドボスのために何時間もゲームに割く必要はありません。たとえ10分しかログインしなくても、達成感を得られる何かがあります。それに、プレイヤーはゲーム内財産の所有権を持つので、家を建てたり家具を配置したりすることで、ブリタニアで『生きて』いるんです」と、その魅力を語りました。

UO上で行われた結婚式

by Andreas N.

このFydeさんの言う「ブリタニアで『生きる』」ということがユーザーをブリタニア世界に呼び戻しているのではないかと感じたジェイクさんは、ブリタニアがわずかづつ衰退していくのを目の当たりにするのは少し悲しいことだと表現。

結局、ジェイクさんは3ヶ月で38.99ドル(約4834円、日本だと1ヶ月1554円・3ヶ月4179円・6ヶ月7329円)というプレイ料金が法外だと感じたため、UOをプレイしたのはトライアルの14日間だけ。システムを理解するには十分なだけの時間を取ることができず、プレイ経験として十分なものなのかはわからないと断りつつも、プレイした印象は全体的にはポジティブなものであり、ファンタジー世界を冒険することが好きなのであれば、ブリタニアはとても良い場所である、と締めくくっています。

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in ゲーム, Posted by logc_nt

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