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ベテラン泥棒は無意識状態で物色行動することが仮想現実空間の実験で判明

By Incase

犯罪を予防するには犯罪者の心理を読み解くことが重要です。イギリスのポーツマス大学の研究者がVR空間を使って犯罪者に物色行為を仮想体験してもらうという実験を行った結果、ベテランの泥棒はほとんど意識を向けることなく貴重品を探し出せることが判明しました。

BBC - Future - The strange expertise of burglars
http://www.bbc.com/future/story/20150618-the-strange-expertise-of-burglars

ポーツマス大学のクレア・ニー博士は、犯罪者の行動を研究するために窃盗で服役中の受刑者に、VR空間に作り出した仮想的な住宅に侵入して金目の物を物色してもらうという実験を行いました。なお、ほとんどの受刑者は退屈な日常を送っているせいか、実験に協力的で、過去の体験談を事細かに話してくれたとのこと。

これが実験で使われた仮想現実の家。泥棒役は部屋に侵入してテーブルやソファに置かれた小物などから金目の物を選んで素早くゲットすることが求められます。


実験の結果、ベテラン泥棒たちは約4分間の「犯行」で平均1000ポンド(約19万円)の金品の奪取に成功したそうで、これは対照群として実験に参加したニー博士が指導している学生たちの平均をはるかに上回る「成績」だったとのこと。

実験中の受刑者の目線や注意についての調査では、驚くべきことに泥棒たちはほとんど意識をさくことなく金品の探索行為を行っていることが判明。あたかもルーティンワークの様に手際よく無意識状態で物色していることが分かりました。泥棒たちは、家に住人が残っていないか、帰宅する者がいないかということに意識を集中させており、貴重品の物色にはほとんど注意を払っていないという実態が明らかになったそうです。

窃盗行為を繰り返すうちに経験値が高まり、どこに何があるのか、どこを探せば何が出てくるかが分かるようになり、あらゆる可能性を試すことがなくなると無意識下で物色行動ができるようになるというわけです。

By josep salvia i boté

なお、このような犯罪者の心理を深く理解することは、犯罪を効果的に予防する研究につながるとニー博士は考えています。例えば、留守中に不審者が侵入した場合に鳴り響く家庭用の防犯アラームは、動作してから隣人が警察を呼ぶまでに平均して20分かかるとのこと。そのためベテランの泥棒は防犯アラームが鳴り響いたとしても、これを無視して物色し続け手早く仕事を済ませることが分かってます。一方で、あえて開け放たれた窓や扉などは、ベテランの泥棒に在宅者の存在を意識させ、窃盗行為を躊躇させる効果があることが分かっているそうです。

犯罪者の心理を深く読み解くことで、その犯罪を予防する効果的な手法の開発に、今後、仮想現実技術がますます活用されていきそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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