ハードウェア

あるPCメーカーの「リビジョン」によるマザーボードの品質劣化が暴かれる


オランダのPCパーツ系コミュニティで、台湾のPCメーカーである「GIGABYTE(ギガバイト)のマザーボードがオリジナルモデルから変更されている」と投稿されました。不具合などの修正のためにハードウェアの同じモデルでパーツなどが変更されることは「リビジョン」と呼ばれており、珍しいことではないのですが、Hardware.Infoが変更されたマザーボードをテストしたところ、オリジナルモデルよりも明らかに性能が劣化していることが明らかになりました。

Spot the differences: GIGABYTE motherboard revisions present markedly different test results | Hardware.Info United States
http://us.hardware.info/reviews/5835/spot-the-differences-gigabyte-motherboard-revisions-present-markedly-different-test-results


PCなどのハードウェアで不具合のあるパーツが見つかった場合、パーツが交換されることがあります。大幅な改訂があった場合は「モデルチェンジ」となり、異なる製品として発売されますが、細かな修正の場合は「REV:1.0」「REV:2.0」のようにリビジョン番号が付与された「リビジョンチェンジ」となり、型番やUPCコード(日本でいうところのJANコード)はそのままで、同じ製品として販売が続けられます。

Hardware.Infoを含む価格比較検索エンジンなどは、型番とバーコードで製品を分類するため、リビジョン製品も同一製品として扱われます。とりわけネットショップなどではリビジョン情報は反映されにくく、オリジナルモデルの写真がそのまま使われていることもしばしば。そのためエンドユーザーは、注文後に箱を開けるまでリビジョンによる製品の変化に気付くことが難しくなっています。Nexus、Antec、Seasonic、XFXなどのメーカーではリビジョンを行う習慣がありますが、全てリビジョン後には性能が向上している、というのがポイントです。

ただし、リビジョン後に性能が劣化している例も存在し、例えば以前にKingstonが「V300」というSSDのフラッシュメモリをリビジョンチェンジした事例では、Hardware.Infoの調査で著しくパフォーマンスが低下していることが判明しています。それと同様の見えない「バージョンダウン」が、GIGABYTEのマザーボードでも見つかっているとのこと。


以下はGIGABYTEのマザーボード「B85M-HD3」の「REV:1.0」(左)と「REV:2.0」(右)を並べた写真。使われているパーツがかなり変更されていることが分かりますが、どちらも同じ製品として販売されています。Hardware.Infoが実際にいくつかのGIGABYTEのマザーボードを入手して調査したところ、CPUパワーの低下や電源フェーズ数の減少が確認されています。


B85M-HD3のCore i7 4770Kプロセッサを使ったベンチマークテストの結果では、デフォルト設定の結果が「REV:1.0」から「REV:2.0」になると低下していることが分かります。「REV:2.0」では手動でターボ設定にしないと「REV:1.0」と同等の数値が得られていません。


続いて「B85M-D2V」。市場ではオリジナルの「REV:1.0」が手に入らなかったとのことで、「REV:1.1」(左)と「REV:2.0」(右)を比較しています。Hardware.Infoの調査で分かった最も重要な変更点は「Rev. 1.1」はデュアルBIOSですが、「REV:2.0」のBIOSチップは1枚になっていること。GIGABYTEは「B85M-D2V REV 2.0」のページで「デュアルBIOS」の記載を削除していますが、型番やバーコードが同じのため、例えばオリジナルのスペックを掲載しているオンラインショップの表記は変更されないことがほとんど。消費者が「デュアルBIOS」のスペックを見て、異なるスペックのREV:2.0やREV:3.0を買ってしまう可能性が十分に考えられるわけです。


Hardware.Infoは「このようなリビジョンがもし法律で認められるとしても、消費者に対する健全なアプローチではない」としており、「Kingstonと同様に、高評価レビューを得た後にリビジョンを実施しているのは明らかだ」と指摘しています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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