Android5.1でどれだけ高速化したのか?デザインはどこがどう変わったのか?
Nexus 6やNexus 5を中心に、Android OSの最新版「Android 5.1」のOTA配信がスタートしています。そのAndroid 5.1ではAndroid 5.0と比べてデザインや性能がどう進化しているのかについてArs Technicaがまとめています。
A look at Android 5.1: speed, security, tweaks | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2015/03/a-look-at-android-5-1-speed-security-tweaks/
◆性能
これはNexus 6とNexus 5のそれぞれで、Android 5.1とAndroid 5.0のランダムリード(オレンジ色)とランダムライト(青色)の速度を比較したグラフ。特にランダムライト速度が大きく向上しており、Nexus 6では約9倍に、Nexus 5では約4倍にアップしていることが分かります。このベンチマーク結果の通り、Nexus 6ではキビキビした動きの差が体感できるとのこと。
一方、シーケンシャルリード(オレンジ色)とシーケンシャルライト(青色)の速度変化はこんな感じで、ほとんど変化はありません。
Nexus 6のランダムアクセス速度が大幅アップしたことについて、長年、Androidカーネルを開発してきたフランシスコ・フランコ氏は「暗号化パフォーマンスの速度を向上させるためにNEONというSIMDエンジンを用いており、現在、Androidオープンソースプロジェクトで実験中のハードウェアアクセレレーション機能を使えば、さらなる速度アップが可能である」と述べており、Nexus 6が今後のOSバージョンアップでさらに速度アップする可能性を指摘しています。
Android 5.1のパフォーマンスアップは、CPUマッピングの変更にも原因があります。従来のAndroid 5.0では、低負荷時にCPUのコアを完全に停止させていましたが、Android 5.1ではコアを停止させずに待機状態になるように変更されています。これによって、瞬時にCPUパワーを引き出せるようになり、体感速度のアップにつながっているというわけです。
なお、CPUを常に待機状態にしておくことでわずかに電力消費量はアップしますが、スマートフォンでもっとも電力を必要とするディスプレイの電力消費量に比べれば微々たるもので、Googleは、バッテリ駆動時間の減少よりも体感速度アップの方を優先させていると言えそうです。
◆デザインと機能
端末の盗難対策に強化されたのが「デバイス保護」機能。
Android 5.1ではGoogleアカウントのセットアップをしてロック画面をONにしている場合には、端末が初期化されたとしてもGoogleアカウントへのサインインとロック画面の解除を行わない限り、端末を使えない仕組みが取り入れられています。これによって、Android端末の盗難被害の減少が期待できます。
デザイン面でも変更があります。例えばクイック設定画面でのWi-FiとBluetoothアイコンの下に▼マークが追加されています。
このアイコンをタップすることで、利用可能なWi-FiやBluetooth接続が表示されます。また画面下の「MORE SETTINGS」で「設定」画面へアクセスできるようになっています。
ボリュームコントロールパネルにもアイコンが追加。タイマー設定では設定時刻が表示されるように変更されています。
Android 5.1ではポップアップされる通知を表示したままにすることも可能。
スクリーンのピン留め画面のデザインも変更されています。
連絡先画面のレイアウトも大幅に変更。デザインが洗練されてきており、ぱっと見の情報量が増えている印象を受けます。
細かい部分もブラッシュアップされています。例えば、スクロールバーのデザインもわずかに変更。
Android 5.1では複数枚のSIMカードの使い分けをサポートしており、SIMカードが入っていない場合には、ステータスバーのアイコンで通知するようになっています。
SIMカードやIMEIの情報を表示することも可能。
時計のウィジェットもAM・PM切り替えボタンの位置が変更されています。
アイコンはAndroid 5.1でフラットデザイン化。
Google Playの検索ツールが「検索バー」に変更されています。
Android 5.1はマイナーバージョンアップらしく派手な新機能の追加こそありませんが、性能面やデザイン面での改良が随所に施されているようです。
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