Appleがどこにこだわりを持ってアルミ・鉄・金の「Apple Watch」3モデルを製造したかがよくわかるムービー
2015年4月24日に発売されることが決定した、Apple初のスマートウォッチが「Apple Watch」です。現地時間で2015年3月9日に開催されたAppleのイベントSpring forward内で正式に発売日や販売価格などが明かされ、「Apple Watch」「Apple Watch Sport」「Apple Watch Edition」という3つのモデルから多彩なモデルが登場することが発表されました。そんなApple Watchの製造工程をムービーにまとめてAppleが公開しています。
Apple - Apple Watch
http://www.apple.com/jp/watch/
まずは「Apple Watch Sport」の製造工程をチェック。
Apple Watch Sport - Aluminum - YouTube
Apple Watch Sportの筐体部分に使用されているのはアルミニウム。
アルミニウムは丈夫で軽量なので、Apple Watch Sportにはピッタリな素材といえます。
Appleのエンジニアは、通常のアルミニウムよりも丈夫にするべく、新しい合金「7000シリーズアルミニウム」を生み出しました。
これは、標準的なアルミニウム合金よりも60%強く……
非常に軽量です。
この合金を作り出すのに必要なのは……
非常に精密な合金化のプロセスです。
最初に純度の高いアルミニウムを熱して溶かし……
厳密にコントロールされたマグネシウムと亜鉛と混ぜ……
これらが固まって非常に丈夫な合金となります。
そして合金を型に注ぎ込み、急速に冷却。
高温処理により、鋼片を最小化して均一なムラのない構造に仕上げます。
次に、噴出装置を使って合金の表面を均一処理。
こうして慎重に慎重を重ねてできあがったコレを削り、Apple Watch Sportの筐体ができあがります。
各筐体は機械で削り……
磨き上げられます。
そして、微小なジルコニアの粒を吹き付けることで……
光沢感のある仕上がりに。
こうしてできあがった筐体部分のパーツがコレ。
最後は筐体パーツをより頑丈できれいな見た目に仕上げるために、酸化皮膜処理用の液体につけ込みます。この処理により、Apple Watch Sportは傷や衝撃にも強くなるそう。
酸化皮膜処理後の筐体パーツはこんな感じ。
龍頭部分のパーツもカリカリ製造中……
龍頭部分の線が1本1本掘られていきます。
そうして完成したのがコレ。
Apple Watch Sport
続いて「Apple Watch」の製造工程をじっくり見てみることに。
Apple Watch - Steel - YouTube
Apple Watchの筐体部分はステンレススチール製。ステンレススチールが使用される理由は、丈夫で見た目がキレイだから。
過去の腕時計でも、同様の理由でステンレススチールが使用されてきました。
Apple Watchに使用するステンレススチールも、特殊な製造方法がとられています。
使用しているステンレススチールは、丈夫で錆びにも強い「316Lステンレススチール」。
そして、鍛造工程を工夫することでより頑丈な素材に仕上げたそう。
最初の金属を溶かす段階で、金属の配合は厳格にコントロールされています。
不純物は最小限に抑えられ、可能な限り硬度を高く保ちます。
そしてできあがった金属の塊を……
冷間鍛造。これにより、最大80%もステンレススチールが硬くなり、傷にも強くなります。
筐体は複数の機械により徐々に削り出されていき……
非常に精巧な筐体パーツとなります。
そして、機械で磨き上げることで鏡面仕上げを施すわけです。
これが鏡面仕上げを施した筐体パーツ。
なお、スペースブラックの場合はこれらの工程に加えてダイヤモンドライクカーボンを表面にコーティングします。
同じように、Appleはバンド部分のメタルパーツにもこだわりを持って製造しています。
このバンドは140個のパーツをつなぎ合わせることで出来上がり……
金属メッシュのバンドは、ステンレススチールのコイルを織って作り上げられています。
なので、織物のように美しい見た目です。
これらのパーツを組み合わせれば、ステンレススチール製の美しいApple Watchが完成。
最後は18金を使用した高級モデル「Apple Watch Edition」の製造工程。
Apple Watch Edition - Gold - YouTube
Apple Watch Editionの筐体素材は金。
幅広い個々人のスタイルに合わせられるように、とApple Watch Editionの製造を決定した模様。
使用した金は、イエローとローズゴールドの2色。もちろん2色とも特殊な製造方法をとっており、見た目が美しいだけでなく、通常の金よりも丈夫なものになります。
まず最初に分子レベルで正確に銀・銅・パラジウムの量を調節して混ぜ合わせることで……
特殊な色に仕上げます。
そして、Appleの冶金専門家が開発した方法で溶かした金を型に流し込み、インゴットを作成
インゴット表面を惜しげもなく削り……
プレスします。
これで、隙間のない金のパーツが完成。
さらに、超音波スキャナーを使って金属パーツを数分間検査。
品質に問題がなければ、ひとつずつパーツを削りだしていきます。
龍頭部分も他のApple Watchとは加工方法が異なる様子。
各パーツはどれも他のApple Watchとは一線を画す高級感を醸し出しています。
筐体パーツは最後に人の手で磨き上げられ、曇りひとつない美しい見た目に仕上がるわけです。
こうして完成するのが、頑丈さと美しさを両立したApple Watch Edition。
なお、Apple Watch3モデルと、本体サイズ2種類、さらにリストバンドの組み合わせまで含めれば全部で38通りの選択肢が存在するそうで、各組み合わせごとの販売価格は以下の記事からチェックできます。
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