空飛ぶドローンの視線そのままのパイロットビューで行うリーグ戦「Ultimate FPV Racing League」が圧倒的ド迫力

高い飛行性能を持ち、少しの練習で自由に飛ばすことができるマルチコプター(ドローン)の楽しさは一度でも飛ばしたことがある人なら病みつきになる魅力を持っているといえます。予想どおりと言うべきか、そんなドローンを使ったエアレースが欧米を中心に始まろうとしています。

Ultimate FPV Racing League - FPV Racing League Events
http://www.fpvracing.tv/

サイトではシリーズのレース開催地としてオンタリオ(カナダ)、ブリスベン(オーストラリア)、シャルトル(フランス)などの都市が挙げられています。開催予定日はそれぞれ2月15日、2月22日、6月6日とのこと。

参加チームには6チームの名前が掲載されています。世界中からチームが集まっているようで、中には自分たちでオリジナルの機体を製作しているチームもあって盛り上がりの一端を伺い知ることができます。

例えばBlackoutのサイトでは、4ローターから6ローターを持つ機体のフレームが購入可能。

チームが多くあれば、もちろんパイロットもたくさん名を連ねています。それぞれ個性的な雰囲気漂うパイロットの面々。

レースの舞台となる「サーキット」は、体育館のような屋内や広大な広場などに仮設されるコースになる模様。以下のムービーのように、屋内にパーティションやゲートを使ったコースを作ってスピードや操縦テクニックを競うようになっています。

Slow mo pass through the gate at racing fpv.com - YouTube

なぜか、コースを人間の足でレースしてしまったムービーも公開されているようです。

Foot race for a 12" fpv monitor at racingfpv.com - YouTube

とはいえ、やはりドローンレースの魅力と呼べるのはそのスピード感とFPVによる迫力の視点。以下のムービーでは、まるで映画「スター・ウォーズ」に登場するポッドレースのようなレースが繰り広げられているシーンを見ることができます。

FPV Racing - Crash Session!!! - YouTube

こちらの映像は、がらんとした立体駐車場のようなスペースで繰り広げられているレースの様子。いずれのムービーも、周囲への安全対策は講じられている模様です。

BLACKOUT MiniH FRIDAY NIGHT - YouTube

2015年1月にアメリカ・ラスベガスで開催されたCES 2015の会場でも、ドローンを使ったバトル「ドローン・ロデオ」の展示が行われていた模様。ムービー後半に登場する透明な機体の丈夫さは目を見張るものがあります。

Racing in a Las Vegas Drone Rodeo — CES 2015 - YouTube

「ヨーイ、ドン！」とスタートの合図を出すおじさん。目の前には2機のDJI Phantom 2がホバリングしていましたが……

スタートの合図で猛烈なダッシュ！ここはオープンスタイルのロデオ会場のようです。

一方のこちらは四角いテントに囲まれたリングの中。右の男性が持つ透明な機体はオリジナルのもののようです。

このテントの中では、ドローンによる決闘が行われます。「相撲のようなもの」と表現される戦いでは、地面に着いたり墜落させられるとポイントを失います。各プレイヤーには3ポイントが与えられており、0ポイントになると負けが確定する、というルールになっている模様。

墜落した場合には、各プレイヤーには90秒の修理時間が与えられ、時間内に復旧して飛べば戦いに復帰することが可能。各プレイヤーは制限時間内に見事に機体を修復してしまうそうです。

こちらの機体は、没入型ディスプレイのOculus Riftを搭載したFPVドローン。

Oculus FPV - a fully immersive live view from a DJI Phantom 2 - YouTube

通常では単眼式のDJI Phantom 2ですが、2つのカメラで複眼式にカスタマイズされています。

パイロットの頭の動きに合わせて「ぎゅい、ぎゅい」と動いている様子。

ドローンから送られてくる映像はこんな感じ。

これをOculus Riftで見ながら操縦するわけですが、ケタ違いの臨場感が備わっていることは容易に想像がつきます。

安全さえ確保できれば、従来では成し得なかったエンターテインメントを可能にするドローンによるFPVレースの盛り上がりでした。日本でもそのうち同じようなレースがどこかで開催される日が来るはずです。