若い頃に音楽をトレーニングすると成長してから会話の理解力が段違いにアップすることが研究で判明

by Ninha Morandini

楽器の演奏は脳に影響を与え、老化を遅らせたり認知症を防いだりできると考えられています。それに加え、カナダ・トロントの研究機関Baycrestが行った最新の研究によると、若い頃に音楽のトレーニングを積むことで、人生後半における話の理解力が段違いにアップすることが分かりました。

Musical Training Orchestrates Coordinated Neuroplasticity in Auditory Brainstem and Cortex to Counteract Age-Related Declines in Categorical Vowel Perception
http://www.jneurosci.org/content/35/3/1240

Early music training prevents loss of listening skills later in life - The Washington Post
http://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2015/02/03/early-music-training-prevents-loss-of-listening-skills-later-in-life/



研究は55~75歳の健康な20人を対象としたもので、被験者たちはヘッドフォンを装着し、脳波を測定されながら「ランダムに流れる話声のうち、どのくらいの速度まで聞き分けることができるか」をテストしました。この時、被験者のうち半数は若い頃に音楽訓練を行っており、残り半数は音楽訓練を行っていませんでした。

「聴力が低下した」という実感がなくとも、年齢とともに人の話を認識・理解する能力は低下していくものです。しかし今回の実験で「楽器を演奏した経験のある人は、音楽経験のない人より20%も速い話声を認識することが可能」であるということが判明し、音楽が加齢に伴う認識力の低下を防いでいるということが示されました。

by RustyClark (hottnfunkyradio.com)

「音楽活動は脳のトレーニングになるのです」と研究を率いたガヴィン・ビデルマン氏は語ります。「かつてミュージシャンだった人は、そうでない人よりも脳の反応が2~3倍よいことが今回の研究で明らかになりました。つまり、彼らの脳は明瞭で細かく、正確な話のシグナルを伝えることができるのです。これは『若い頃にミュージシャンだった人がなぜ話をより聞き分け、理解することができるのか』ということを説明するように思えます」とビデルマン氏。

音楽が子どもの脳に与える影響については、過去にも多くの研究が行われており、2015年1月に発表されたバーモント大学の研究では、楽器の演奏を学ぶ子どもはそうでない子どもよりも注意力と感情バランスのマネージメント能力に優れているという結論が出されました。また、モントリオール大学神経学病院も2013年に「6~8歳の子どもが音楽訓練を行うと、その後、長期にわたって運動スキル・知覚能力によい影響がある」ということを発表しています

by Steven Shingler

一方で、モーツァルトを聴かせても子どもの知能は上がらないという研究結果も出ていますが、ビデルマン氏が率いるチームによると、脳によい影響を与えるためには「14歳の時から少なくとも10年間はフォーマルな音楽訓練を行う必要がある」とのこと。今回の研究は大人になってからの音楽経験に着目していませんが、「成長期に楽器の演奏を学ぶことは脳にとって有益である」ということの証拠の1つとなったわけです。

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