レビュー

161人の天才たちが行っていた日々の習慣をまとめた「天才たちの日課」

by woodleywonderworks

「老人と海」「武器よさらば」で知られる小説家のヘミングウェイが毎日書いた語数を記録していたり、「ゴリオ爺さん」などで知られる小説家のバルザックが午前1時になると起きて仕事をしていたりと、後年に名を残した人たちの「さすが」と納得するようなものから「そんなことを?」と思うほど意外なものまで、さまざまな習慣をまとめた書籍が「天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」です。

元になった「Daily Rituals」は世界各国で翻訳されたベストセラーで、このたび日本語版が出版されました。

天才たちの日課 | 動く出版社 フィルムアート社
http://filmart.co.jp/books/composite_art/2014_10_27/


書籍の外観はこんな感じのソフトカバー。


ぺらっとめくると「レベッカへ」の文字。これは著者のメイソン・カリーさんの妻・レベッカさんのことで、あとがきの中で「彼女こそ、私にとって絶え間ない喜びとインスピレーションの源だ」と感謝の言葉が綴られています。


右ページにあるのはベンジャミン・フランクリンが自伝に残した1日のスケジュール。これぐらいはっきりと「日課」を定めていた人もいます。


目次にはずらっと「天才たち」の名前が並びます。


作家、画家、学者などその職業は様々。


著者によると「彼ら(偉人たち)の日常のごく平凡な事柄――何時に寝て何時に食事し、いつ仕事をしていつ頭を悩ませていたか――を書くことによって、その性格や生涯について新たな視点を提供し、習慣の奴隷としての姿を、小さなおもしろい絵に描くのが目的」だとのこと。


たとえば詩人のW・H・オーデンは「その日のうちにやりたいこと、やらねばならないことを決め、それを毎日必ず決まった時間にやる。そうすれば欲望に煩わされることはない」と日課を定めることで、自分の創造的な生活を維持していたそうです。


作家のトーマス・ウルフは夜12時ごろから仕事を始め、冷蔵庫を机代わりにして夜明けまで執筆を続けていたとのこと。このように、それぞれのエピソードはだいたい1ページから2ページに収まる分量です。


これらのエピソードを書くために使用された膨大な引用文献が巻末に記載されています。


翻訳は金原瑞人さんと石田文子さんが担当。


本の価格は1800円+税で、ISBNは「978-4-8459-1433-3」です。

Amazon.co.jp: 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々: メイソン・カリー, 金原瑞人, 石田文子: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4845914336


ちなみに、登場する161名の一覧は以下の通り。

ウィスタン・ヒュー・オーデン(詩人/「20世紀最大の詩人の1人」)
フランシス・ベーコン(画家)
シモーヌ・ド・ボーヴォワール(作家・哲学者/「第二の性」)
トーマス・ウルフ(小説家/20世紀初期の偉大な小説家の1人)
パトリシア・ハイスミス(小説家/「太陽がいっぱい(リプリー)」など)
フェデリコ・フェリーニ(映画監督/「甘い生活」「道」「8 1/2」など)
イングマール・ベルイマン(映画監督/「沈黙」「野いちご」「処女の泉」など)
モートン・フェルドマン(作曲家・図形楽譜の発案者)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(作曲家/「交響曲第25番ト短調」「ピアノソナタ第11番(第3楽章 トルコ行進曲)」「フィガロの結婚」「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」など)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(作曲家/「交響曲第5番 運命」「交響曲第9番」「ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 月光」「エリーゼのために」など)
セーレン・キェルケゴール(哲学者/「不安の概念」「死に至る病」など)
ヴォルテール(哲学者)
ベンジャミン・フランクリン(政治家、雷が電気であることを証明した学者)
アンソニー・トロロープ(小説家・郵便職員)
ジェーン・オースティン(小説家/「分別と多感」「高慢と偏見」「エマ」など)
フレデリック・ショパン(作曲家/「華麗なる大円舞曲」「英雄ポロネーズ」「幻想即興曲」など)
ギュスターヴ・フローベール(小説家/「ボヴァリー夫人」「サランボー」など)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(画家/「ムーラン・ルージュにて」など)
トーマス・マン(小説家/「魔の山」など)
カール・マルクス(哲学者/「共産党宣言」「資本論」など)
ジークムント・フロイト(精神科医/「夢判断」「精神分析入門」など)
カール・グスタフ・ユング(精神科医、分析心理学を確立)
グスタフ・マーラー(作曲家/「大地の歌」「交響曲第1番ニ長調『巨人』」など)
リヒャルト・シュトラウス(作曲家/「ツァラトゥストラはかく語りき」「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」など)
アンリ・マティス(画家、/「緑の筋のある女:マティス夫人」「ジャズ・サーカス」など)
ジョアン・ミロ(画家/「階段を昇る裸婦」「朝の星」など)
ガートルード・スタイン(著述家/「アリス・B・トクラスの自伝」など)
アーネスト・ヘミングウェイ(小説家/「日はまた昇る」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」など)
ヘンリー・ミラー(小説家/「北回帰線」など)
スコット・フィッツジェラルド(小説家/「グレート・ギャツビー(華麗なるギャツビー)」「ラスト・タイクーン」など)
ウィリアム・フォークナー(小説家/「響きと怒り」「八月の光」「アブサロム、アブサロム!」など)
アーサー・ミラー(劇作家/「セールスマンの死」「るつぼ」など)
ベンジャミン・ブリテン(作曲家/「シンプル・シンフォニー」「戦争レクイエム」など)
アン・ビーティー(著述家)
ギュンター・グラス(小説家/「ブリキの太鼓」など)
トム・ストッパード(劇作家/「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」、映画「恋に落ちたシェイクスピア」脚本など
村上春樹(小説家/「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」「1Q84」など)
トニ・モリスン(小説家/「青い眼が欲しい」「ソロモンの歌」など)
ジョイス・キャロル・オーツ(小説家/「生ける屍」など)
チャック・クローズ(美術家)
フランシーン・プローズ(著述家)
ジョン・クーリッジ・アダムズ(作曲家)
スティーヴ・ライヒ(作曲家)
ニコルソン・ベイカー(小説家)
バラス・スキナー(心理学者、行動分析学の創始者)
マーガレット・ミード(文化人類学)
ジョナサン・エドワーズ(神学者)
サミュエル・ジョンソン(詩人)
ジェイムズ・ボズウェル(著述家)
イマヌエル・カント(哲学者/「純粋理性批判」「実践理性批判」「判断力批判」など)
ウィリアム・ジェームズ(哲学者)
ヘンリー・ジェイムズ(小説家/「ねじの回転」など)
フランツ・カフカ(小説家/「変身」「審判」など)
ジェイムズ・ジョイス(小説家/「ユリシーズ」など)
マルセル・プルースト(小説家/「失われた時を求めて」)
サミュエル・ベケット(小説家/「ゴドーを待ちながら」)
イーゴリ・ストラヴィンスキー(作曲家/「春の祭典」「火の鳥」「ペトルーシュカ」など)
エリック・サティ(作曲家/「ジムノペディ」など)
パブロ・ピカソ(画家/「アヴィニョンの娘たち」「ゲルニカ」など)
ジャン=ポール・サルトル(哲学者/「存在と無」)
T・S・エリオット(詩人/「荒地」「寺院の殺人」)
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(作曲家/「交響曲第5番」など)
ヘンリー・グリーン(作家/「パーティー・ゴーイング」「ラヴィング」など)
アガサ・クリスティ(小説家/「アクロイド殺し」「オリエント急行殺人事件」「ABC殺人事件」「カーテン」など)
サマセット・モーム(小説家/「月と六ペンス」など)
グレアム・グリーン(小説家/「権力と栄光」「第三の男」など)
ジョゼフ・コーネル(芸術家)
シルヴィア・プラス(詩人)
ジョン・チーヴァー(小説家/「泳ぐひと」ほか)
ルイ・アームストロング(ミュージシャン)
ウィリアム・バトラー・イェイツ(詩人)
ウォーレス・スティーブンス(詩人)
キングズリー・エイミス(小説家/「ラッキー・ジム」「地獄の新地図」など)
ウンベルト・エーコ(哲学者/「薔薇の名前」「フーコーの振り子」など)
ウディ・アレン(映画監督/「アニー・ホール」「ミッドナイト・イン・パリ」など)
デヴィッド・リンチ(映画監督/「エレファント・マン」「マルホランド・ドライブ」など)
マヤ・アンジェロウ(詩人)
ジョージ・バランシン(バレエ)
アル・ハーシュフェルド(風刺画家)
トルーマン・カポーティ(小説家/「ティファニーで朝食を」「冷血」など)
リチャード・ライト(小説家/「アンクル・トムの子供たち」「アメリカの息子」「ブラックボーイ」など)
H・L・メンケン(ジャーナリスト)
フィリップ・ラーキン(詩人)
フランク・ロイド・ライト(建築家)
ルイス・I・カーン(建築家)
ジョージ・ガーシュウィン(作曲家/「ポーギーとベス」「パリのアメリカ人」など)
ジョセフ・ヘラー(作家/「キャッチ=22」など)
ジェームス・ディッキー(詩人)
ニコラ・テスラ(電気技師)
グレン・グールド(ピアニスト)
ルイーズ・ブルジョワ(彫刻家)
チェスター・ハイムズ(小説家)
フラナリー・オコナー(小説家)
ウィリアム・スタイロン(小説家/「ソフィーの選択」など)
フィリップ・ロス(小説家/「さようならコロンバス」「ポートノイの不満」など)
P・G・ウッドハウス(小説家)
エディス・シットウェル(詩人)
トマス・ホッブズ(哲学者/「リヴァイアサン」など)
ジョン・ミルトン(詩人/「失楽園」など)
ルネ・デカルト(哲学者/「方法序説」など。『我思う、ゆえに我あり』が有名)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(詩人/「若きウェルテルの悩み」「ファウスト」)
フリードリヒ・フォン・シラー(詩人)
フランツ・シューベルト(作曲家/「野ばら」「魔王」「ます」など)
フランツ・リスト(作曲家/「パガニーニによる大練習曲 第3番嬰ト短調 ラ・カンパネラ」「ハンガリー狂詩曲」など)
ジョルジュ・サンド(小説家)
オノレ・ド・バルザック(小説家/「ゴリオ爺さん」「谷間のゆり」など)
ヴィクトル・ユーゴー(小説家/「レ・ミゼラブル」など)
チャールズ・ディケンズ(小説家/「クリスマス・キャロル」「オリバー・ツイスト」など)
チャールズ・ダーウィン(科学者/「種の起源」「ビーグル号航海記」など)
ハーマン・メルヴィル(小説家/「白鯨」など)
ナサニエル・ホーソーン(小説家/「緋文字」など)
レフ・トルストイ(小説家/「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」など)
ピョートル・チャイコフスキー(作曲家/「白鳥の湖」「スラヴ行進曲」「交響曲第6番 悲愴」「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調」)
マーク・トウェイン(小説家/「トム・ソーヤーの冒険」など)
アレクサンダー・グラハム・ベル(科学者/電話や金属探知機の発明者)
フィンセント・ファン・ゴッホ(画家/「ひまわり」「タンギー爺さん」など)
N・C・ワイエス(画家)
ジョージア・オキーフ(画家)
セルゲイ・ラフマニノフ(作曲家/「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」など)
ウラジーミル・ナボコフ(小説家/「ロリータ」など)
バルテュス(画家)
ル・コルビュジエ(建築家)
バックミンスター・フラー(思想家)
ポール・エルデシュ(数学者)
アンディ・ウォーホル(画家、ポップアートの巨匠)
エドワード・アビー(作家)
V・S・プリチェット(著述家)
エドマンド・ウィルソン(著述家)
ジョン・アップダイク(作家/「走れウサギ」など)
アルベルト・アインシュタイン(科学者/「一般相対性理論」や「特殊相対性理論」で知られる)
ライマン・フランク・ボーム(児童文学作家/「オズの魔法使い」など)
クヌート・ハムスン(小説家)
ウィラ・キャザー(小説家)
アイン・ランド(小説家)
ジョージ・オーウェル(小説家/「1984年」「動物農場」など)
ジェイムズ・T・ファレル(小説家)
ジャクソン・ポロック(画家)
カーソン・マッカラーズ(作家)
ウィレム・デ・クーニング(画家)
ジーン・スタッフォード(作家)
ドナルド・バーセルミ(小説家)
アリス・マンロー(小説家/「イラクサ」「林檎の木の下で」など)
ジャージ・コジンスキー(小説家)
アイザック・アシモフ(小説家/「ファウンデーション」「われはロボット」「鋼鉄都市」など)
オリバー・サックス(神経学者/「レナードの朝」など)
アン・ライス(小説家/「夜明けのヴァンパイア(インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア)」など)
チャールズ・M・シュルツ(漫画家/「ピーナッツ」など)
ウィリアム・H・ガス(小説家)
デヴィッド・フォスター・ウォレス(漫画家)
マリーナ・アブラモヴィッチ(アーティスト)
トワイラ・サープ(ダンサー)
スティーヴン・キング(小説家/「シャイニング」「キャリー」「ミザリー」「ザ・スタンド」など)
マリリン・ロビンソン(小説家)
ソール・ベロー(小説家)
ゲルハルト・リヒター(画家)
ジョナサン・フランゼン(小説家)
マイラ・カルマン(画家)
ジョルジュ・シムノン(小説家)
スティーヴン・ジェイ・グールド(古生物学者)
バーナード・マラマッド(小説家)

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in レビュー, Posted by logc_nt

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