「日本でしかできないことがある」とチャリダーマンが一時帰国中にやったこと
単調で脂っこい食べ物が続いて御飯と味噌汁が懐かしくなったり、高価格で低品質の日用雑貨を見ては100円ショップが恋しくなったり。海外の滞在が長くなると、たまに日本へ帰りたくなります。だから、今回は2年ぶりに日本へ一時帰国を果たしました。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。9月29日から4週間、日本に一時帰国しました。短い滞在でしたが、作業に追われながらも、久々の日本を満喫しました。いろいろとやることがあったので、今回はそれをまとめてみます。日本の食事を楽しむのも、一時帰国では大切なことでした。
◆事務
・パスポートの更新
2009年のユーラシア横断から使っているパスポートの査証欄は、増補までしたというのに残りが10ページ弱。ビザが必要な国ではまるまる1ページを使うので、このまま使い続けると、旅先で切替が必要になりそうでした。加えてイギリス、アメリカ、イスラエルと入国審査が厳しい国への渡航を控えた中で、中東やアフリカのスタンプが溢れたパスポートを提示するのは、面倒に巻き込まれかねないと判断。そういう事から、帰国してすぐに切替の申請。1週間後の受取の際、1万6000円(10年)の申請料を支払って、無事に新しいパスポートを手に入れました。
・ロシアビザの取得
そもそもロシアは訪問にビザ(査証)が必要。そのビザも事前取得が前提で、海外では一部の国でしか発給していません。その煩わしさもあって、世界一周旅行者でもロシアは何かと敬遠しがち。再出発の際にはピンポイントで首都モスクワを訪問する予定だったので、日本でビザの取得を済ませておきました。地元の福岡から最寄りの申請先は大阪の領事館。インターネットの情報をもとに自力取得も狙っていましたが、一時帰国中は常に時間の余裕がなくて断念。
東京の旅行代理店に全ておまかせすると、すんなりとビザの取得ができました。必要事項をインターネットのフォームに入力して送信。パスポート原本と写真1枚を郵送で送付し、申請費用を銀行振込で入金したら、あとは待つだけ。2週間後の受取で料金は8000円。成田からのフライト間近だったので、オフィスで直接パスポートを受け取りました。ビザがないと航空券が無駄になっていたので、ひと安心。
・トラベラーズチェックの換金
シティバンク銀行に口座を持っていると、ドルにしろユーロにしろ、そのままの額面でトラベラーズチェックを外貨預金の口座に預け入れができます。旅行中にアメリカとタイで換金したのですが、それ以外には使用する機会なし。ユーロに至っては、ヨーロッパで換金場所を見つけるのも煩わしかったので、一時帰国中に整理しておきました。かつては盗難対策もあって重宝されていたトラベラーズチェックですが、これだけATMが普及した今では用途も限られてきます。
・郵送品の片付け
自転車旅行中は少しでも重量を軽くしたくて、機会をみつけては、日本へ不必要な荷物を送っていました。その結果、帰国してたじろぐことに……。部屋に積み重なった封筒や段ボールの山に手を出すのは面倒なんですが、中には次の旅で必要かもしれないグッズもあるので、全部中身を確認して整理整頓します。各地の地図や、世界の硬貨、ジュースのラベルなど、懐かしい品々が詰まっていました。
フランスから送った荷物。
2012年に一時帰国した際は、このような感じに積み重なっていました。この時は3年ぶりの一時帰国。
◆買物
タイに滞在していた頃からアマゾン、楽天、カカクコムを使って必要な物を揃えていきました。海外とは違い、日本ならどうすればいいのか分かるので、欲しいものを一番安い値段で探し出せます。古くなっていた装備を一新させました。
・折り畳み自転車
湾岸諸国、地中海はバックパッカーとして訪問したのですが、少し物足りなくもありました。これからも、できたら自転車の旅をしたい。特にカリブ海は、島国の一周に興味をそそられていました。だけどフライトが次々と重なるので、今までの自転車ではパッキングと超過重量が不安。そうした事から、今回は20インチの折り畳み自転車を新規購入しました。ドッペルギャンガーの「200-WH whiteback」というモデルをツーリング仕様に改造しています。
・防水のダッフルバッグ
走行時は自転車の荷台に積載するので防水を希望。フライトの際に機内に持ち込むので背負いたい。この二つの用途に適したバッグが、ノースフェイスのBCダッフルでした。アルゼンチンで、口をクルクル巻いて閉じる袋型の防水バッグを購入したものの、走行途中に荷物の出し入れが不便だったことから、今回は上面がファスナーで開くこのバッグに変更。それに、再開後の旅は10数本のフライトを控えています。フライトの際には、折り畳み自転車を運ぶことから、重量の超過にも十分に注意して、機内に持ち込む鞄一つにしても、しっかりと考える必要がありました。
・電気ケトル
通常なら電熱コイルを持ち歩くのですが、今回は移動が早く国によって電圧が変わることから、全世界対応となるこちらの電気ケトルを購入。渡航先によって、スイッチで電圧を変更できます。これを使って、宿の部屋でお湯を沸かして、カップ麺やコーヒーを作る予定。ペルーの日本人宿で大学生が使用していたトラベルグッズで、ずっと気になっていました。
・一眼レフカメラのケース
2012年のアメリカ大陸縦断から使用している一眼レフ。ゴツゴツとしたケースに入れていたのですが、自転車のフロントバッグだと問題無いものの、バックパックだと変形せずにスペースを取るので不便でした。そのため、自転車を離れて観光に出かける際には、ケース無しで一眼レフを運ぶことに。何とかしたいと考えていたので、今回は柔らかいクッションのケースを購入。こちらだとすんなりとバッグに入るので、便利に持ち運べるようになっています。
・コンパクトデジタルカメラ
一眼レフは持っているものの、その大きさから簡単には取り出せません。コンデジも併用しているのですが、安いモデルなので画質に難あり。商店で買ったジュースだったり、バスで移動中の車内だったり、ふとした時はポケットに入れたコンデジで写真を撮っていました。その写真もこだわりたかったので、一時帰国を機にソニーの「DSC-RX100」をカカクコムの最安値で購入。消費税0%のドバイで同じモデルを探したのですが、日本の方が格段と安かったりします。
・歯ブラシ
世界中で手に入る歯ブラシですから、特にこだわってはないものの、日本製はブラシが小さく小回りがきいて便利。磨いてる感触が伝わるのは日本製だと思っています。
◆100均グッズ
一時帰国前に立ち寄ったタイにも100円ショップのダイソーが展開していたのですが、日本と同じ商品が60バーツ(約200円)で販売されていました。そうでなければ、地元民が20バーツ均一(約67円)のお店を開いていますが、クオリティはそれなり。海外で日本の100均グッズを追い求めると、高価格か低品質になりがち。だからこそ、一時帰国している間に欲しいものは買い揃えました。100円ショップは、どうしても行きたい場所の一つでした。
・ビニールケース
海外でもたまに見かけるのですが、サイズが違うか値段が高いと、なかなか日本のようにいきません。2年間の使用で、くたびれてしまった古いビニールケースを一新。整理整頓と簡易防水を兼ねて、衣服やノートパソコンなどを入れたりしています。
・巾着袋
こういう巾着袋も、海外ではなかなか手に入りません。こちらのナイロン製は軽量なので、一時帰国の度に新調。コッヘルやシューズなどを入れています。
・買物バッグ
2年前の色違いを再度入手しました。宿に着いたときや、街に滞在するときの、ちょっとしたお出かけに重宝。一眼レフを持ち出したり、買い物したものを入れたりしています。ファスナーが付いているので、中身を落とす心配もなし。古い買い物バッグは、旅の途中で破けてしまったので廃棄。似たようなバッグはあったのですが、ファスナー付きは見つかりませんでした。
・LEDライト
財布に繋げたチェーンの先に取り付けて使用中。肌身離さず持ち歩いている財布と一緒ですから、電気がない街で買物の際にお金を確認したり、真っ暗な部屋で明かりのスイッチを探したりと、ふとした所で何かと役に立っています。
・太い縫い針
とあるフライトのセキリティチェックで、うっかりと手荷物に紛れ込んでいた裁縫道具の太い針が、危険物と判断されて没収。そういう事から、今回改めて日本で買い直しました。今の日本では、100円でこれだけの針が揃うことに驚愕。
・液晶保護フィルム
こちらも海外にはありそうですが、100円で見つけるのは難しそう……。デジカメやスマホの保護フィルムを張り替え。塵や埃が付かないように、お風呂場で作業をしました。
・パンク修理のパッチ
パッチを穴に貼り付けた後に、薄いフィルムがうまく剥がれるとほとんど失敗しないので、こちらを愛用しています。海外で手に入る安パッチは修理しても、中途半端に剥がれたりするので、あまり使いたくありません。
◆食事
日本で生まれ育ったので、日本の料理が一番口に合います。日本の食は、一時帰国における何よりの楽しみでした。これといっていいお店で食事をした訳でもないのですが、2年ぶりでしたので、いろいろと美味しくいただきました。幸せでした。
・豚骨ラーメン
地元が福岡なので、豚骨ラーメンの一択。天神の繁華街に出かけたついでに、食べログの評価も上々の「久留米大砲ラーメン」を訪れてみました。コシのあるストレートの細麺に、コクのある白濁スープ、具材はのり、卵、チャーシュー、ネギ。コッテリとしたスープをまとった麺は、するすると口の中に入っていきます。もちろん替え玉で麺を追加。全部食べ終わって、最後に一口、もう一口とスープの余韻から離れられないのはなぜでしょう。追い求めていた日本のラーメンでした。
・牛丼
しっかりと味の染み込んだ牛肉に、とろけるほどに柔らかくなった甘い玉ねぎ。ご飯が嬉しい日本のファストフードは牛丼です。煮込んであるので、油っこくもなくどんどんと食が進みました。
・カレーライス
ドバイのインド食堂のカレーも絶品だったのですが、日本人なら日本式カレーも恋しくなります。違いはとろりとしたカレーのルー。シンプルでありながら、奥が深い日本に根付いた忘れられない味ですね。
・卵ごはん
賞味期限が1ヶ月あり、保存方法も違う海外の卵を生で食べる勇気はありません。卵を割って醤油をスーッと垂らしてかき混ぜて、ほかほかのご飯に落とすと出来あがり、お椀を持って一気にかきこむ幸せといったら。
・海鮮丼
新宿「魚の三是」の大海鮮丼は、目を疑うほどに刺し身が乗っていました。マグロ、ブリ、サーモン、甘エビ、イクラなどなど種類も豊富で、ご飯を覆い尽くしています。日本に滞在してたからこそ、生の魚は食べておきたい。その欲求が満たされた一品でした。これだけ詰まって、1050円とお手軽な値段もすごい所。
◆お菓子
・ブラックモンブラン
アイスクリームをチョコレートでコーティングしてクッキークランチをまぶしたロングセラー商品。アイスにくっついたつぶつぶのクッキーがアクセントとなって、独特の味わいを作り出しています。全国展開されてないアイスクリームなのですが、地元の福岡ではCMも流れていた時期もあり身近な存在。
・じゃがりこ
海外にもあるポテトをスティックにしたスナックは細くてサクサク、じゃがりこのようなポキっとした食感とは違っています。噛めば噛むほどポテトから味が染み出してくるので、食べだしたら止まりません。日本に帰ったら、一度は口にしたいお菓子の一つでした。
・こんにゃくゼリー
ゼリーでありながらも、蒟蒻のような歯ごたえが絶妙。日本では一般的なこんにゃくゼリーも、欧州や米国などでは誤飲による窒息事故の懸念から、見かけることはありません。日本でも問題となりましたが、美味しいものは美味しいですからね。
◆私用
成田からのフライトでしたので、夜行バスを2本乗り継ぎ、地元の福岡から大阪経由で東京へ移動しました。バタバタしながらも、大阪と東京では友人に再会。最愛の人をみつけて幸せな家族を築いていたり、仕事も順調で後輩を指導する立場でいたりと、過ぎた時間の分だけ変わっていく友人たち。自分には旅してきた時間しかないのですが、それでも話ができる人がいるだけで救われます。大阪ではGIGAZINE編集部にもご挨拶。本当、自由に記事を書かせてもらっているので、どうにか結果で応えたいところです。
東京では上京している2人の弟と再会。こう見えても私は長男なのです。決して胸を張ることができない生き方に、合わす顔がないと後回しにしたかったのですが、両親だって兄弟仲良くを望んでいることだし、これも親孝行だと思って一緒にご飯を食べました。おおよそ5年振り。決して順当ではないものの、社会人として東京で暮らす弟たちに、自分もしっかりせねばと刺激を受けました。
こんな感じで、物質的に精神的にも満たされた今回の一時帰国でした。やはり日本が、一番落ち着きます。成田からはアブダビ経由のロンドン。そこからアイスランドやロシアなど未訪問国をピンポイントで周る形で、もう少しだけ旅を続けてみます。
(文・写真;周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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