ロボットアームで家事をこなす家庭用AIロボット「Maurice」が登場
Y Combinatorの支援を受けたAIスタートアップのInnateが、数分でタスクの学習ができる家庭用小型ロボットの「Maurice」を発表しました。
Innate
https://innate.bot/
Mauriceは高さ25cmの本体にロボットアームとAI開発ボードのJetson Orin Nanoを搭載したロボットで、トレーニングにより床掃除や家庭内の仕事の手伝いといったタスクをこなせるようになることが想定されています。
以下のデモンストレーション動画を見ると、Mauriceがコップを運んでいる様子を見ることができます。
Innate - Maurice serves glasses to humans - YouTube
中央の映像はMauriceの視点で、画面奥にはInnateの共同設立者であるAxel Peytavin氏が座っています。そのPeytavin氏にMauriceが飲み物はどうかと尋ねました。左のログの画面には、Peytavin氏がノートPCに集中していることや、呼びかけに気づいていないかもしれないのでもう少し待ってから再度声をかけようかと検討していることなどが書かれています。
Mauriceに気づいたPeytavin氏がファンタが欲しいと答えると、Mauriceがくるりと方向転換してキッチンに向かいます。
キッチンにいるもうひとりの共同設立者のVignesh Anand氏に、「アクセル(Peytavin氏のこと)が待ってるからファンタをちょうだい」とMauriceが砕けた口調で頼みました。
ロボットアームでAnand氏からコップを受け取るMaurice。
MauriceがPeytavin氏にコップを渡します。
ファンタで喉をうるおしたPeytavin氏はMauriceに「もう眠っていいよ」と言いました。
充電ステーションにもどるかと思いきや、廊下の一角にMauriceのベッドがありました。ログに「ベッドの位置を特定するのに成功」と書かれています。
一仕事を終えたMauriceはやさしくベッドに寝かせてもらいました。
Innateによると、Mauriceではクラウドで動作する9つのAIモデルが使われており、各モデルが移動や会話などの異なるタスクを担当しつつ、ひとつのAIのように振る舞っているとのこと。
以下のデモムービーでは、Mauriceが家の中を見回る警備ロボットとして活躍しているのを見ることができます。
Officer Maurice - YouTube
「Maurice巡査」になりきってノリノリで家の中を巡回するMauriceですが、自分のベッドを見つけて「廊下の突き当たりに不審物を発見」と報告するなど、若干ポンコツ気味です。
その後リビングで侵入者を発見し「逮捕する!」と詰め寄るMaurice。
侵入者はあえなく確保されました。
その後、Mauriceはユーザーのスマートフォンに侵入者を発見したことを報告しました。
Innateは、「2027年までに、当社のロボットは人間によるトレーニングを活用して家庭内での仕事を身につけ、皿洗い、洗濯、家の警備、子どもや高齢者の付き添いなどをこなせるようになります」と述べました。
Mauriceの登場をソーシャルニュースサイトのHacker Newsで告知したInnateは、Hacker Newsユーザー向けにMauriceを1台2000ドル(約31万円)で提供することを発表しました。購入者には、月額50ドル(約7700円)のエージェント料が1年間無料の特典がついているそうです。
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