街中の公衆電話に誰がいつどこにいたかを記録できるBluetoothビーコンが大量に仕掛けられていたことが判明
By David Minder
デジタル広告会社のTitan 360が、ニューヨーク内にある公衆電話に「Gimbalビーコン」と呼ばれる近距離無線通信装置を多数設置していたことが判明しました。
Exclusive: Hundreds Of Devices Hidden Inside New York City Phone Booths
http://www.buzzfeed.com/josephbernstein/exclusive-hundreds-of-devices-hidden-inside-new-york-city-ph
New York City orders Bluetooth beacons in pay phones to come down | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2014/10/new-york-city-orders-bluetooth-beacons-in-pay-phones-to-come-down/
「Gimbal」はAndroidやiOS端末から利用可能な近距離通信サービスです。Gimbalを使用する際は専用の近距離無線装置「Gimbalビーコン」を配置する必要があり、このビーコンが置かれた近くを専用アプリを搭載したスマートフォンが通ると、Bluetooth経由で端末の日付・時間・位置情報を記録したり、ビーコン側から情報をスマートフォンに送信したりが可能となります。これらの機能を使用すれば、携帯電話の持ち主が「いつ・どこにいたのか」が詳細に追跡可能となり、さらには「マクドナルドの近くに立ち寄ったユーザーにマクドナルドの広告を配信する」のような効果的な広告配信方法も可能となります。
Gimbalを使うとどんなことができるようになるのかは以下のムービーを見るとよく分かります。
Gimbal Context Aware Platform - YouTube
このGimbalは、iOS 7から使用可能な「iBeacon」のライバルサービスであり、使用用途などはほとんど同じです。
iOS 7の隠れキラーコンテンツとなる近距離無線通信「iBeacon」とは? - GIGAZINE
そんなGimbalのビーコンをニューヨーク中の公衆電話に配置しまくっていたのが広告会社のTitan 360。Titan 360では公衆電話の側面にある広告スペースを5000箇所以上取り扱っており、ニューヨークにある自社が管理する公衆電話約500個にビーコンを設置した、とのこと。
公衆電話の側面にある広告スペースはこんな感じ。
By C-Monster
ニューヨーク市のスポークスマンを務めるPhil Walzak氏は、「Titanがテスト用に公衆電話に設置したビーコンは、個人の携帯電話から情報を受信したり集めたりすることはできないものであり、これの撤去も既に依頼済みです」とArs Technicaにコメントしています。さらに、Titan 360の最高戦略責任者であるDave Etherington氏も、「公衆電話に設置したビーコンはユーザーの個人情報などを集めてはおらず、何かしらのコンテンツをユーザーに送るようなことも、携帯電話をトラッキングするようなこともしていません」と、ビーコンを使って公衆電話付近の市民のデータを収集していたことは否定しています。
なお、Titan 360はビーコンをどのような目的で設置していたのかについては何も語っていません。
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