世界最速のmicroSDカードをうたう「SanDisk Extreme Pro microSDXC UHS-I」はどれくらい速いのか?
UHS-I規格対応で読み込み速度が最大95MB/s、書き込み速度が最大90MB/sを実現し、4Kムービーの撮影もこなせるmicroSDカード「SanDisk Extreme Pro microSDXC UHS-I」がどれくらい速いのか、アクションカメラ「GoPro HERO3」で4Kムービーを撮影したり、その撮影データをコピーしまくったりして、「microSDで世界最速」をうたう読み書き速度を徹底的にチェックしてみました。
サンディスク エクストリーム プロ microSDHC™/ microSDXC™ UHS-I カード
http://www.sandisk.co.jp/products/memory-cards/microsd/extreme-pro-uhs-i/
◆外観チェック
これがSanDisk Extreme Pro microSDXC UHS-Iカード。Extreme Proシリーズではおなじみの赤×黒のデザインです。UHSスピードクラス3とSDスピードCLASS 10をサポート。
microSDカードなので指の上に載せられるくらい小さなサイズ。容量別に16GB・32GB・64GBの3種類あります。
裏面は緑色。
もちろんアダプターでフルサイズのSDカードに変換することもOK。
◆4Kムービー撮影
microSDカードサイズでは世界最速という性能を確かめるために、GoPro HERO3で4Kムービーを撮影してみます。まずは、GoPro HERO3に挿入してフォーマット。
GoPro HERO3で河川敷をサイクリングする様子を撮影したところ、転送スピード不足によるコマ落ちなどは一切なし。下のムービーはその一部で、YouTubeの「設定」で「2160p」を選択すると4K解像度で視聴できます。
Extreme Pro microSD+GoPro HERO3で4Kムービーを試し撮り - YouTube
GoPro HERO3は4Kムービーの撮影機能を持っていながら、安定してデータを書き込めるmicroSDカードがないためその性能を存分に発揮できないと悩んでいる場合には、Extreme Pro microSDXC UHS-Iを使えば4Kムービーの撮影で悩む必要はなさそうです。
◆ベンチマーク測定
約6分間、GoPro HERO3で撮影したところ、動画データのサイズは約2GBとなりました。さすがに4Kムービーのサイズは巨大です。この状態でCrystalDiskMarkを使ってベンチマークをとるとこんな感じ。シーケンシャルリードが86.35MB/s、シーケンシャルライトが77.20MB/sという結果は、スペックシートの最大速度(それぞれ95MB/s・90MB/s)には及びませんが、SDカードとしてはかなりの速度。
なお、ADATAのCLASS 10対応microSDカードのベンチマークを測定するとこんな感じ。シーケンシャルライトの速度で15倍近くExtreme Pro microSDXC UHS-Iに差をつけられています。もちろん、このカードではGoPro HERO3で4Kムービーを撮影してもコマ落ちが発生してしまいます。
参考までに、通常のSDカードサイズの「SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-I」の速度は以下の通り。先ほどの結果と見比べるとExtreme Pro microSDXC UHS-IはフルサイズのSDカードと遜色ない速度をmicroSDカードサイズで実現していることがよく分かります。
◆ファイル転送速度測定
・PCへのデータ転送
次に、GoPro HERO3で撮影した約2GBの4KムービーデータをWindows 7・PCのデスクトップにコピーする速度をソフト「転送速度計測」を使って測定しました。
8回測定した結果は、675.51Mbps、675.13Mbps、674.05Mbps、673.78Mbps、675.24Mbps、673.81Mbps、676.16Mbps、668.44Mbpsで、上下をカットした6回分の平均速度は674.59Mbps(84.32MB/s)でした。
・PCからのデータ転送
逆に、PCにある約2GBのデータをSanDisk Extreme Pro microSDXC UHS-Iへコピーしてみました。
8回測定した結果は、542.74Mbps、558.82Mbps、559.15Mbps、558.48Mbps、568.17Mbps、560.06Mbps、559.37Mbps、559.69Mbpsで、上下をカットした6回分の平均速度は559.26Mbps(69.91MB/s)となりました。
なお、参考までに先ほどベンチマークを測定したCLASS 10対応のmicroSDカードで転送速度を測定すると、PCへのコピーが159.09Mbps(19.87MB/s)、microSDカードへのコピーが45.28Mbps(5.66MB/s)という結果になりました。microSDカードへ約2GBのデータを書き込む場合の処理時間は6分を超えることから、このようなシーケンシャルライトの速度が遅いSDカードでは4Kムービーのようなサイズの大きなデータを取り扱うことは実用的ではなさそうです。
「SanDisk Extreme Pro microSDXC UHS-I」はフルサイズSDカードのハイスペックモデルと同等の速度を実現しており「世界最速のmicroSDカード」という触れ込み通りの性能でした。GoPro HERO3を使って4Kムービーを撮影したり、microSDカードスロット搭載のスマートフォンで高速連写で写真撮影をしたりする場合には、大いに威力を発揮してくれそうなメディアカードと言えそうです。
なお、SanDisk Extreme Pro microSDXC UHS-Iは2014年10月発売予定で、ヨドバシ.comでは16GBが8200円(税込、10%ポイント還元)、32GBが1万3820円(税込、10%ポイント還元)、64GBが2万6780円(税込、10%ポイント還元)で予約を受付中。いずれのモデルも無期限保証つきとなっています。
・関連記事
サンディスクが世界最速のSDカード「エクストリーム プロ SDHC(TM)/SDXC(TM)UHS-II カード」を4月に発売 - GIGAZINE
サンディスクが世界最大容量128GBのmicroSDXCカードを発表 - GIGAZINE
世界シェアNo.1のサンディスクに今後のフラッシュメモリ製品や販売戦略についてインタビューしてみました - GIGAZINE
東芝とSanDiskによる最新フラッシュメモリ工場「東芝四日市工場」の竣工・起工式を見学してきました - GIGAZINE
「GoPro Hero3」を分解したフォトレポート公開、4K画質の秘密はこんな感じ - GIGAZINE
SDカードの書き込みをロックするつまみが折れて壊れたので、サンディスクの「無期限保証」を使ってみた - GIGAZINE
・関連コンテンツ