取材

テスラ「モデルS」の日本リリースイベントにあのイーロン・マスクCEOが登場


シリコンバレー発の電気自動車(EVカー)メーカー・テスラモータースが、本日2014年9月8日から、いよいよ高級セダンタイプの「モデルS」の日本デリバリーを開始しました。そのテスラモデルSの日本納車記念式典に、PayPalの共同創業者・宇宙会社SpaceXの創業者にしてテスラモータースCEOのイーロン・マスク氏が来日して、モデルSの納車を祝うと共に、今後のテスラの日本を含めた展望について語りました。

テスラモータース
http://www.teslamotors.com/jp/models


2014/09/08 15:00
テスラモデルS納車イベントの会場の六本木ヒルズに到着。


美術館展望台へ。


受付が見えてきました。


エレベーターで52階の会場に行くと多数の報道陣。モデルSならびにマスクCEOの注目の高さがよく分かります。


天候はあいにくの曇りですが、なかなか壮観な眺め。


2014/09/08 16:00
・プレゼンテーション
時間になり、イーロン・マスクCEOが会場に到着。


いよいよ今晩からモデルSが日本の公道を走ります。そして、今夜日本で初公開するスーパーチャージャーという急速充電器を、モデルSのオーナーの皆さんに無料でお使いいただけます。日本中のスーパーチャージャーが無料です。


スーパーチャージャーは太陽光発電を利用して電力を得ます。スーパーチャージャーの電力網が日本の電力グリッドのインフラ構築に大きく貢献できると考えています。今後も、さらに多くの太陽光発電システムを導入していく予定です。


モデルSについてお話しします。モデルSは500kmというEVカーでは例のない長距離走行を実現しています。


モデルSに搭載されているバッテリーはすべて日本製です。アメリカや中国などの世界中で販売されるモデルSすべてのバッテリーがパナソニック製です。つまり、「日本の心」がモデルSに搭載されているというわけです。


・質疑応答
Q:
日本へのデリバリーが遅れた理由は?

マスクCEO:
まず右ハンドルへの対応というのが大きな理由です。もう一つが日本語対応です。英語のままお渡しするというわけにはいきませんからね。2つの作業が完了してついにお届けすることができるようになりました。基礎インフラをきっちり整備するのに時間をかけたということです。

Q:
今後はテスラ発展のために日本市場・日本の技術の重要性をどう考えているか?

マスクCEO:
EVカーで最も重要なのはバッテリーです。EVカーに搭載するバッテリーだけでなくやギガファクトリー(注:テスラのバッテリー製造工場のこと)建設を含めてパナソニックは最も大切なパートナー企業の一つです。そして、日本はアメリカ・中国に次ぐ世界で3番目に大きな市場になると期待しています。


Q:
日本市場投入まで長い道のりだった。リーマンショックもあった。これまでの最も大きかったことは?

マスクCEO:
2008年ころ大きなファイナンスをまとめようとしていました。しかし、当時、GMやクライスラーでさえ下降線。ましてやEVカーへの投資を集めるのは非常に困難でした。私も私財の多くをテスラに投じました。最終的にダイムラー・パナソニック・トヨタに資金を提供してもらえた結果、ここまで来れました。

Q:
日本は水素燃料電池車が次世代EVカーという見解があるが。

マスクCEO:
私が思うに、水素燃料電池は進むべき道ではありません。水素そのものを作るのに多くのエネルギーがかかり、水素の保管や移送の問題もあります。私見では水素燃料電池車は難しい。もちろん、技術的なトライは大きな意味がありますが。


Q:
大切なパートナーのパナソニックについて。テスラのビジネススピードについていけてるか?

マスクCEO:
パナソニックは素晴らしい企業です。山田副社長もテスラの大ファンですし(笑)パナソニックは通常のスピード以上でテスラと付き合ってくれています。お互いに良い影響を与え合っていると思います。


Q:
自動運転車については?

マスクCEO:
以前、「自動運転が実用化にこぎつけるのに10年は必要だ」と言っていましたが、ここにきて技術の進化の速度が加速度的に高まっています。このままでいけば5、6年後に実用レベルに達するのではないかと考えています。

Q:
トヨタとの関係は?

マスクCEO:
トヨタは素晴らしいパートナーです。また、テスラの大株主でもあります。一旦、プログラム(RAV4への電池供給プログラムのこと)が終了しますが、2、3年後にもっと大規模な取り組みを共同で行っていても不思議ではありません。まだ、具体的な計画はありませんが。


Q:
特許戦略についてどう考えているか?(注:テスラは2014年6月に保有するEVカー関連の200を超える特許を開放し、オープンソース化済み)

マスクCEO:
後世に「馬鹿げた決断だった」と言われるかもしれません。しかし、EVカーの発展と普及のためにはオープンにして自由に使えることが大切だと考えています。もちろん、技術で最先端を走ることが重要で、テスラは今後もEVカー開発の最前線を走り続ける考えであることはもちろん変わりません。

Q:
昨晩、ラーメン屋に行ったと聞いた。味はどうだったか?

マスクCEO:
ラーメン二郎新宿店に行きました。大きな器にてんこ盛りで美味しかったです。友人と歩いていて「ここ美味しそうだね」と飛び込みで。自販機でチケットも買いましたよ。アサヒビールも飲みました。非常に楽しめました。


納車イベント
マスクCEOのプレゼンが終わり、納車イベントがスタート。本日この納車イベントの後に、テスラモデルSがいよいよ日本の道路を走り始めることになります。


ベールを脱いだモデルS。六本木ヒルズ52階にモデルSがずらりと用意されていました。


マスクCEOからキーを受け取るのは1号車のオーナーであるパナソニックの山田喜彦副社長。自費で購入したとのこと。


最初に予約したオーナーは実に3年間待ち続けたわけで、興奮している様子が伝わってきます。


最後に紀念撮影。和やかな雰囲気で納車イベントが終了しました。


なお、納車イベント終了後は、用意されたモデルSをじっくり見ることができました。


トランクルームは結構広め。


記念の日付が入れられています。


ホワイトカラー


タイヤは19インチ


ボンネット下にも収納スペース。モデルSはモーターをリアに搭載しています。


キーを持った人が手を伸ばすとドアノブが飛びだす仕組み。走行中は空気抵抗減のために収納されています。


レザーのシートはホールド性も考慮されています。


センター部分に17インチのディスプレイ。


室内や車両のコントロールはすべてこのタッチパネルで行う仕組み。


スピードメーターもディスプレイ。


リアシートは分割式で倒せます。


リアシート用のエアコンもあり。


まさに「プレミアムセダン」といった感じ。


スーパーチャージャー
グランドハイアット東京の駐車場に移動。そこには10台以上のモデルSがずらり。


この紺色のモデルSの後方に……


テスラの急速充電器「スーパーチャージャー」が設置されていました。


「TESLA」の文字。


マスクCEOが急速充電を実演。


給油口ならぬ給電口が開けたら、スーパーチャージャーのノズル先をはめるだけ。「これだけです」と簡単さをアピールするマスクCEO。


そしてこのドヤ顔。


スーパーチャージャーを使えば約20分で充電完了。EVカーの最も弱点である短い航続距離を補うために、全国に配置される予定。モデルSのオーナーは無料で使うことができます。


今後、全国にスーパーチャージャー網が構築される予定です。

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in 取材,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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