「サルによる写真には著作権は存在せず」との判断、カメラマンは窮地に


クロザルが人間のカメラを奪って「自撮り」した写真に著作権が認められるかをめぐって大きな騒動を巻き起こしていた事件ですが、アメリカの当局による見解でも、サルが撮影した写真には著作権を認めないとする判断が下されることになりそうです。

Monkey’s selfie cannot be copyrighted, US regulators say | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2014/08/monkeys-selfie-cannot-be-copyrighted-us-regulators-say/

この見解は米国特許商標庁が公開したPDFファイル「compendium of u.s. copyright office practices(米国特許商標庁における実務の概要)」の修正3稿に掲載されているもの。1222ページにわたるレポートはまだドラフト版であり最終版ではないものの、「サルによって撮影された写真」は著作権で保護されない知的財産であると結論づけられています。

ドラフト版54ページの「306 The Human Authorship Requirement(著作者が人間である必要性)」で記載されている本文では「本庁は自然物、動物、植物によって作成された作品を登録しない。同様に、本庁は神または超自然的存在によるものと偽って作成された作品を登録しない。ただし作品あるいはその納本が神の意志に端を発して作成されたものを明記している場合においては登録することがある」とする旨が記載され、一例として「ゾウによって描かれた絵画」や「海流の作用によって表面が滑らかに形成された流木」などと並ぶ形で「サルによって撮影された写真」が明記されています。


この文書は、ウィキメディア財団が「写真の著作権はパブリックドメインであり、イギリス人フォトジャーナリストのデイヴィッド・スレーター氏に属するものではない」と公表したレポートから2週間後に発表されたものとなっています。

問題となっている写真はスレーター氏が2011年にインドネシアに滞在して撮影活動を行っていた時に撮影されたもので、カメラ本体のシャッターボタンをスレーター本人ではなくクロザルが押したという事実を原因に論争が起こることになりました。詳細な経緯は以下の記事で確認することができます。

Wikipediaが「写真の著作権はサルにある」としてカメラマンの訴えを却下 - GIGAZINE


同庁によると、この規定は2014年12月15日頃をめどに施行されることになるとのこと。

今回の一件はウィキメディア財団が拠点を構えるアメリカで下されたものですが、一方でスレーター氏の母国である英国の法律では、仮に自らシャッターを押していない場合でも著作権が認められるという規定が存在しているとのこと。スレーター氏は理論的には訴えを起こすことが可能となっていますが、過去に前例がない事例ということで、今後の先行きを見守りたいところです。

・つづき
「サルの自撮り写真」の著作権はサルに認められるのか、ついに判決が下る - GIGAZINE

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