BBC野生動物ドキュメンタリーの美麗映像はどうやって撮られているのか?
「アース」や「ネイチャー」といった、日本でも公開された自然ドキュメンタリー映画を制作してきたのがイギリスの公共放送局BBCです。息を飲むような美麗な映像には毎回驚かされるばかりですが、不思議なのは撮影方法について。BBCのドキュメンタリー番組「Wildlife」のディレクター兼プロデューサーのJohn Downer氏が、その撮影方法をインタビューで明かしています。
Sensory: BBC Wildlife Director John Downer & the technology of 'spy-cam' filmmaking on Vimeo
http://vimeo.com/102514372
「私がWildlifeで仕事を始めたときは、ビデオカメラで撮影を行っていました。それからHDカメラが誕生して、カメラはどんどん小型化していきました」と語るDowner氏。
美麗な映像を撮影できるのは、高性能な小型カメラと作り手のアイデアがあるからとのこと。
こちらは鳥の卵を模したカメラ。
Downer氏率いる撮影班は野生動物をできるだけ近くで撮影するため、自然のモノにカムフラージュしたカメラを使用します。
この時はエサと勘違いした野生動物がカメラを持って飛んでいったため、素晴らしい映像を収められました。
時には背中の上に小型カメラをセットしたこともあります。
鳥の目線での撮影に成功し、貴重な映像を撮影できました。
「小型化していくとともにカメラの値段は高くなったのですが、GoProの登場で小型カメラ市場に衝撃が走ったんですね。我々のようなプロフェッショナルだけでなく、アマチュアの人でも素晴らしい映像を撮れるようになりました。だから、プロの私たちは、アマチュアの人が撮れないような映像を撮るために試行錯誤しましたよ」と語るDowner氏。
制作者のアイデアが詰まっているのがトラを撮影したときのこと。
どうやって至近距離からの撮影に成功したのか?
こちらが撮影で使用された、岩の形をしたカメラ。
自然にカメラを溶け込ませることで、トラの自然な動きを撮影できました。
カメラに興味を示すトラ。
ホッキョクグマの撮影には……
遠隔操作で動かせるカメラを使用。
移動式のカメラでホッキョクグマを探し……
こんな接写に成功。
水の上を移動できるカメラを使ったこともあります。
水辺で食事中のホッキョクグマたち。貴重な映像です。
こういったカムフラージュカメラには制作者のアイデアが詰まっています。
撮影難易度が高かったのがイルカの撮影。
イルカの撮影に挑むため、まずはペンギンの模型にカメラをセットしてペンギンを撮影できるかどうか挑戦。
無事ペンギンの群れを撮影できました。
より大きくスムーズに動けるカメラが必要なイルカの撮影には、ウミガメ型のカメラを使用。目の部分にカメラが搭載されています。
ウミガメの首を操作して上下に動かせるようにしたことで、水上と水中におけるイルカの姿を撮影できたとのこと。
別の撮影では魚に模したカメラを使用。
イルカが泳いでいる迫力満点の映像はこうして撮られていたのでした。
新しいプロジェクトではいつも問題にぶつかりつつも、スタッフ全員でアイデアを出し合い素晴らしい映像を撮影することができたそうです。GoProの登場で、プロフェッショナルとアマチュアの境目がなくなってきた今、大事なことは高価な機材ではなく、撮影方法におけるアイデアとのことでした。
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in 生き物, 動画, Posted by darkhorse_log
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