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完全匿名のSNSアプリ「Secret」を遠隔操作でユーザーのスマホから削除するよう裁判所がAppleやGoogleに命令


完全匿名で「どのユーザーがどんな投稿をしているのか」や「自分が誰とコミュニケーションを取っているのか」すらも分からないという一風変わったSNSアプリ「Secret」が、ブラジルでの使用を禁止されました。

Brazil court to Apple, Google: Wipe anonymous sharing app off users’ phones | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2014/08/brazil-court-to-apple-google-wipe-anonymous-sharing-app-off-users-phones/


Secret may be banned in Brazil over anonymity, after judge grants preliminary injunction — Tech News and Analysis
http://gigaom.com/2014/08/20/secret-may-be-banned-in-brazil-over-anonymity-after-judge-grants-preliminary-injunction/

「Secret」はApp StoreやGoogle Playからインストール可能。

Secret - Speak Freely on the App Store on iTunes


Secret - Speak Freely - Google Play の Android アプリ


アプリは初回ログイン時にアカウントの作成や電話番号の登録を促してきますが、これらはユーザーの知り合いにSecretユーザーがいないかを調べるために使われる情報。

Secret自体は非常にシンプルなサービスで、テキストのみの投稿もしくはテキストと写真を合わせた投稿を行うだけで、各投稿が誰のものなのかは全く分かりません。


そして、気に入った投稿にはハートをつけたりコメントを残せばOK。これだけのシンプルで分かりやすいサービスなのですが、一体全体誰がどの投稿をポストしているのかは全くもって分からないので、気取らないありのままの自分を表現できそうです。


2014年8月18日(月)、ブラジルのヴィトーリアにある民事裁判所は、iOSとAndroid向けアプリとして提供されている「Secret」と、SecretのWindows Phoneアプリバージョンである「Cryptic」の使用を禁じるため、これらの仮差し止めを命じました。さらに、裁判所はApp Store・Google Play・Windows Phoneアプリストアの3つを運営する、Apple・Google・Microsoftに、それぞれアプリ所持者のスマートフォンからアプリを遠隔操作で削除するように、とも命じています。

現在出されているのはあくまでも仮差し止め命令で、これは最終判決が出る前の予防措置のようなものです。そのため、Apple・Google・Microsoftの3社は上告するチャンスがまだあります。Secretは2014年5月からブラジルでも使用可能となっていましたが、ブラジル憲法の5章には「考えを表現する自由」や「匿名であることを禁じる」旨が明示されており、Secretの匿名性がブラジル憲法のこの部分に反していた、というのが裁判所の判断のようです。Apple・Google・Microsoftの3社は10日以内に命令に応じるか、1日当たり2万ブラジルレアル(約92万円)の罰金を支払う必要があるとのこと。

なお、弁護士側はSecretは憲法に違反していないと主張しており、その根拠として「技術的に誰がどの投稿をポストしたかをトレース可能である」という点を挙げています。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii

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