簡単に「ベストセラー小説」を書くための文章テクニックとアドバイスを集めた「How to Create an Instant Bestselling Novel」
By Michael Shaheen
スティーブン・キングは「ショーシャンクの空に」「スタンド・バイ・ミー」「グリーンマイル」といった数々のベストセラー小説を世に送り出していますが、世界中で認められるストーリーを書くには、人を引きつける文章力や秀逸なストーリー展開を練るという類いまれな才能が必要とされます。ベストセラー小説を書くにはどのようなテクニックが使われているのか?どのようなストーリー展開がベストセラー小説になり得るのか?ということを研究した数学作家のクリフ・ピックオーバー氏が「簡単にベストセラー小説が書ける方法」を公開しています。
How to Create an Instant Bestselling Novel
http://sprott.physics.wisc.edu/pickover/bestseller.html
◆ベストセラーが書ける文章テクニック14選
By Oliver Hammond
1:「話す」より「示す」
ナレーターのように単調に説明するよりも、キャラクターの動きを表す方がベター。「ガースは神経質になった」ではなく「ガースの手は震えた」と言い換えたり、「ガースは3等陸佐と共にこのホールを通り抜けたくないと思っていた」ではなく、「ガースは『3等陸佐と共にここを通るなんて絶対に無理だ!』と言った」という風に、キャラクターの言動を示す方がより良いというわけです。
2:体の動き
誰かが話す前に登場人物の体の動きを描写することで、「誰が話しているか」を明確にする効果があります。
「いつフランスへ発つつもりだい?」とジョンは尋ねた。
↓
ジョンはゆっくりため息をついて、「いつフランスに発つつもりだい?」
3:長くするより短く
実生活の中では、短文とフレーズを組み合わせて会話するように、文章の中でもたびたび短縮形を用いるべきとのこと。
「PCでネットサーフィンをしよう」
↓
「ネットしよう」
4:会話を分ける
会話文を書く必要がある場合は、発言のできるだけ早いタイミングで「~と彼は/彼女は言った」というフレーズを挿入するのがベター。具体的にはこんな感じになります。
「わかった。俺はあいつを殺すことはないだろう」と彼は言った。
↓
「わかった」と彼は言った。「俺はあいつを殺すことはないだろう」
5:能動態を使用する
「その書類は医者によって壁に貼り付けられた」と受動態で書かず、「医者は書類を壁に貼り付けた」と能動態に書き換えます。
6:全知のナレーターを回避
ナレーターが登場人物の1人の頭の中にとどまることで、物語に直接性を持たせることができます。例えば、ナレーターをジェイクの頭の中に限定します。物語の中でジェイクはメリンダの心を読むことはできないため、読者はジェイクがメリンダについて感じたこと、見えたもの、聞こえたこと、彼女との会話によってメリンダの考えを想像することができるわけです。
7:場面を急がせない
もし場面を急がせる必要がある場合、詳細や質感への留意は最小限にして、アクションと不安の描写を多くしましょう。
8:自然な会話
自然な会話になっているかどうか心配な時は、声に出して読むことが最善の確認方法です。
9:五感に訴える
強く読者を巻き込むためには、読者の感覚を刺激する必要があります。もし10ページにわたって、におい・触感・音・あじわいなどが欠落していれば、その本は直接性を失ってしまいます。
10:「言った」を使う
ピックオーバー氏は若手の作家が「言った」をあまり使わずに「命じた」「注意した」「発した」「話し始めた」という風に代用していることに気付きました。冗長にならないための策と考えられますが、最高の作家はほとんど全ての時に「言った」を使っており、会話に意味を持たせています。「『今すぐにここから出て行け!』と彼は命令した」という一文は、「『今すぐにここから出て行け!』と彼は言った」よりはるかに悪い文章とのこと。「命令」の単語には強い意味があり、会話から注意を反らしてしまいますが、読者は「言った」という単語の場合、読者はこれに気付かないこともあるので、会話に重点を置くことができます。
11:「~し始めた」は使わない
登場人物に「~をし始めた」「~をしようとしている」といった表現は使わない方がベター。「マリーはスキップで街を下り始めた」ではなく、「マリーはスキップで街を下った」と変化させましょう。
12:堅苦しい表現は避ける
「四六時中ジョーのことを考えていたのだけれども、メアリーはTVをつけた」
↓
「メアリーはTVをつけ、四六時中ジョーのことを考えていた」または、「メアリーはTVをつけて、そしてジョーのことを考えた」
13:登場人物に印象を与える
登場人物に何かを言わせたり終わらせたりする時は、何か飛び抜けた返答をさせることで読者にキャラクターを印象づけます。新人作家は物語を展開する時に、しばしば登場人物の返答を忘れがちです。
14:括弧を使わない
あるフレーズに括弧を使って補足した方がわかりやすく、引き立たせられる場合でも、一文にまとめた方が良いとのこと。例としては「私は、とがった耳で、毛皮や歯と唇が黄褐色のシェパード犬が好きだ」という感じ。
◆ベストセラーを生み出す8のアドバイス
By Hartwig HKD
1:ナショナルジオグラフィックを買う
各写真を眺めて水の中に潜ったり、臭いをかごうとしたり、音を聞いたり……、という風に、ページに目を通してセッティングを選択したり、鮮明な景色を記述するのに使えるとのこと。
2:メインの登場人物に男(A)と女(B)、サブの登場人物にも男(C)と女(D)を起用する
物語に水面下で魅力を生み出すためには、メインの男(A)とサブの女(D)の間で緊張を高めるべきです。また、メインの男(A)には物語で示されている問題を解決するための特別なスキルを持たせる必要があります。
3:男(A)と女(B)にはキスが必要
物語のあるポイントで、メイン登場人物の男女の魅力を引き出すために「手を握る」「キスをする」といった物理的表現が必要です。
4:危険な状況
物語の全体にわたって危機的状況が存在するとベター。あるポイントで緊張を緩和させ、しばらくして突然登場人物におそいかかってくる、といった演出が望まれます。
5:読書ペースを遅くさせるあらゆる長文記述を削る
段落なしで5段落以上の読書ペースを落とさせない文章を書けるように練習してください。練習を重ねた後はおのずと段落を分けるべきポイントが見えてくるとのこと。
6:物語は読者の注目を集めるネタで始める
出だしの文章は特に重要なため、光る文章から始めるのが鉄則。
7:フラッシュバックは使用しない
フラッシュバックは物語の構成を壊してしまう要素。
8:校正は必ずしてもらう
数人の人から校正を受けるまでは、絶対に寄稿してはいけないとのこと。
・関連記事
小説を書き上げるために役立つ5つのポイント - GIGAZINE
スティーヴン・キングが語る「小説家として成功するために知るべきすべてのこと」 - GIGAZINE
プロの小説家になるにはどうすればいいのか?「魔術士オーフェン」で有名な小説家、秋田禎信さんにインタビュー - GIGAZINE
日本のAmazonが実績から選定した「オールタイムベスト小説100」が発表 - GIGAZINE
印象深い小説の出だしがずらっと並んでインスピレーションが刺激されまくるサイト「本の書き出し」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ