運動嫌いの怠け者になってしまうのは、遺伝的に仕方のないこと?
「日頃の運動不足を解消するために休日はランニングに出かけよう」と考えていても、いざ休日になるとついソファの上でゴロゴロと過ごしてしまう人もいるかと思いますが、「怠惰」になってしまう原因は遺伝的なところにもあり、必ずしも自分だけの責任ではないかもしれません。
The Science of Laziness - YouTube
脳や身体の発育には、食べ物・セックス・運動が欠かせません。
そして、さまざまな経験からくる満足感の大部分は、脳内物質のドーパミンと深い関わりを持っており、中でも運動由来の満足感は、習慣にすることができます。
とある実験で、ネズミを「自発的によく走る集団」と「あまり走らない集団」の2つのグループに分け、何世代にもわたって運動量を観察したところ、「自発的によく走る集団」は「あまり走らない集団」よりも滑車の上を75%も多く走り、16世代に渡る全てのネズミが1日7マイル(約11キロメートル)を走ったとのこと。対する「あまり走らない集団」は1日4マイル程度しか走らなかったそうです。この実験結果から「運動」に対するモチベーションの差は遺伝的なものであることがうかがい知れたとのこと。
人間は誰しも両親から遺伝子を受け継いでいるわけですが、この遺伝子は脳の成長において大きな役割を担うものです。そして、遺伝子はいくつかの活動を渇望させることもできるようで、実際に「自発的によく走る集団」のネズミは、運動に対するモチベーションや義務感が他方のグループよりも強く、遺伝的にランニング中毒の脳を持っていたとのこと。
このように、遺伝的に「運動」を渇望する人と、そうでない人がいるわけです。
また、その他の「impulsivity(衝動)」や「procrastination(優柔不断)」といった特性も、「怠け者」を形成する遺伝的な要素であるとのこと。さらに、正常な遺伝子が運動のレベルを調整した結果、「怠け者」を形成する遺伝的な要素が形成される可能性もあるようです。
「怠け者」を形成する遺伝的な要素は、ドーパミン受容体が大きな原因となるようで、このドーパミン受容体がないと、運動よりも座ってのんびりしていることを好む傾向が強くなります。
なので、自分が運動をしたがらない「怠惰」な人間だからといってそれがすべて自分の責任ではない、とのこと。
しかし、「怠惰」であるからには多くの環境要因も影響しているはずで、そこから抜けだして活動的になることも可能なようです。そのためには遺伝的に活動的な人よりも強い自制心が必要になってくるわけですが、多くの知識で武装し、自身の遺伝的な部分に打ち勝つことは不可能なことでは決してありません。
・関連記事
ダイエットを続けるための5つのコツ - GIGAZINE
運動がどうしても習慣化しない人のための4つのアドバイス - GIGAZINE
やるべきことに対するモチベーションをハックしてやる気を出す方法 - GIGAZINE
効率よく働くために知っておくべき「集中力」についてのアレコレ - GIGAZINE
健康的にダイエットを続けるためのルール8個 - GIGAZINE
健康的にダイエットを続けるため自動的にデータをネットに記録できるスマート体重計「Withings WS-50」を約1ヶ月半使ってみましたレポート - GIGAZINE
・関連コンテンツ