レビュー

JRの運行状況や駅情報などを超音波経由でも入手可能な「JR東日本アプリ」を使ってみました


JR東日本は2014年3月10日、エリア内の列車の運行状況や駅設備情報をはじめ、走行中の車両の詳細な情報やクーポンなどをゲットできるアプリ「JR東日本アプリ」をリリースしました。多くの情報を入手できるという便利さに加え、一部の車両では人間の耳には聞こえない超音波でチェックインしてデータを受信することができるという新しい機能を搭載したアプリを実際に使ってみることにしました。

JR東日本アプリ:JR東日本
http://www.jreast-app.jp/

◆「JR東日本アプリ」の特徴
JR東日本アプリでは、リアルタイムの運行状況や列車の位置、駅の構内図などの情報に加え、エキナカなどのクーポンをゲットしたりさまざまなお知らせ情報を知ることができるようになっています。


運行状況に乱れがある時には「列車に乗る」メニューに「!」マークが表示されるので、メニュー内の「運行状況一覧」をタップすると実際に乱れが発生している地点の地図と、詳しい状況が表示されます。


「リアルタイム列車位置情報」では、ほぼリアルタイムの列車運行状況が表示され、遅れがある場合は赤い文字で表示されるようになっています。


そして、このアプリの目玉機能の1つとも言えるのが「山手線トレインネット列車情報」です。画面には山手線の路線図が表示され、機能に対応している列車の位置がリアルタイムで表示されて場所がわかるようになっています。なお、現時点では対応しているのは2編成だけですが、2014年度内には全ての車両が対応する予定となっているとのこと。


画面に表示されている赤い矢印マークをタップすると、その列車の車内温度や混雑具合、車いすに対応した車両の位置などの詳細情報が表示されます。弱冷車の位置もわかるので、特に夏場の時期などには重宝しそうです。


さらにJR東日本アプリは、対応している車両に設置された送信機から発信される音波を受信することでチェックインして、さまざまな情報を受信する機能を備えています。データを送信する音波には人間の耳にはほとんど聞こえない高周波の音が使われており、その音をスマートフォンのマイクが拾ってデータを受信する仕組みになっています。これにはNTTドコモが開発した「Air Stamp」という技術が用いられています。


実際に車内で音波を受信してみたのが下記の画面です。「トレインネットにアクセスする」をタップすると受信が開始され、数秒で「ただいま品川です」と実際の現在位置が表示されました。その後、列車が発車して駅を離れると、画面の表示が「次は田町です」と、これもほぼリアルタイムで更新されました。


その後もしばらく乗車していると、画面が次々に更新されていきました。


「山手線トレインネット」に対応している車両には、車内のドア上部に「車内状況・運行情報を配信中」というステッカーが貼られているほか、以下のようなラッピングが車体に施されてい見つけやすくなっています。また、「山手線トレインネット」の画面で表示される赤い矢印を待ち伏せて乗車することも可能です。


◆アプリのインストール方法
JR東日本アプリはiOS版とAndroid版が提供されています。

iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 JR東日本アプリ
https://itunes.apple.com/jp/app/jr-dong-ri-benapuri/id820004378

JR東日本アプリ - Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.jreast

今回はiPhoneにインストールしてみました。App Storeから「無料」→「インストール」→「開く」とタップしてインストールを完了させます。


次に表示される画面で、普段よく使う路線と駅を設定します。ここで路線や駅を設定しておくとアプリのホーム画面で表示されるので、欲しい情報をより簡単にゲットすることができます。この設定は後から変更・追加することも可能です。


まずは「My 路線」の選択画面。関東エリアの全ての路線が網羅されています。


次に「My 駅」を設定します。路線を選択すると駅名が表示されるので、画面右側にチェックマークを入れて「登録」をタップして設定完了。


利用規約に同意し、性別や生まれた年、職業などを選択して「登録して利用する」をタップ。なお、これらの情報を登録しなくても利用は可能なようです。次に、音波を受信するために必要なマイクへのアクセスを「OK」し、位置情報の利用にも「OK」すると、全ての設定が完了してアプリ起動画面に移ります。


ホーム画面が表示され、アプリを使う準備ができました。まずはGPS機能で現在地が割り出され、最寄りのJR駅の天気情報や運行状況などが表示されています。


◆いろいろな機能
「運行状況一覧」や「山手線トレインネット列車情報」などに加え、アプリではさまざまな情報を入手することが可能です。「駅構内図」を各駅ごとに表示させたり……


駅構内の設備を調べることも可能です。


また、東京駅構内にあるSuicaで利用できるコインロッカーの利用状況を画面で調べられるという便利な機能を使うこともできます。「駅構内図」をタップして画面に表示された「コインロッカー空き状況」をタップ。


コインロッカーのサイズを指定します。


すると、コインロッカーの利用状況が表示されました。それぞれの利用状況がアイコンで表示されて残りの空き数が事前にわかるので、空きロッカーを求めて駅舎内をさまよい歩くことがグッと減りそうです。


実際に東京駅の中だけでもこれだけのコインロッカーがあるので、事前に調べられるのは非常にありがたいかも。


これら以外にも、遅延証明書をアプリから取得できたり……


駅構内のお店のクーポンをゲットすることなども可能になっています。


このように、さまざまな情報やクーポンなどをゲットできて便利に使えそうな「JR東日本アプリ」ですが、実際に使ってみて少し残念に思えたのが、乗り換え検索機能が使えないことでした。運行状況がわかっているのに路線の検索を行うには別のアプリを立ち上げなくてはならず、二度手間になってしまいます。このあたりの機能強化が実現されて運行状況に応じた路線設定などが実装されると、ワンストップでほぼ全ての要望を満たすことができそうなので、改善を望みたいと感じました。

また、アプリ自体の動作に、やや「もっさり感」があるのも残念なところ。特にアプリをゼロから立ち上げる(コールドスタート)際には約15秒程度の時間がかかることが多く、必要な時に待たされると思わぬ足止めを食らってしまうこともあるように感じました。

それでも、情報を入手するツールとしては使いやすいと感じることが多いので、気になる人はいちど試してみると面白いかもしれません。今後の機能充実に注目したいところです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ごく普通のノートPCを使って超音波によるデータの送受信を可能にする実験 - GIGAZINE

無料でWi-Fiを利用できる「Facebook Wi-Fi」が日本でも本格導入か - GIGAZINE

iOS 7の隠れキラーコンテンツとなる近距離無線通信「iBeacon」とは? - GIGAZINE

iOS 7の近距離通信iBeaconを使った新しいターゲットマーケティング手法が続々と登場 - GIGAZINE

コンピューターが自動車を運転する世界で人間が考えるべき問題とは? - GIGAZINE

街中どこでも充電が可能になる無線電力伝送技術「Cota」が実用間近に - GIGAZINE

in レビュー,   ソフトウェア,   ネットサービス,   ピックアップ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.