「山手線トレインネット」試験運用へ、乗車率や乗降位置など便利な情報満載

JR東日本が山手線の運行状況から車内の乗車率や乗降位置、果ては車内温度といった非常に詳細な情報をインターネット上で公開する「山手線トレインネット」の試験運用を開始することが明かされました。

山手線車内にてスマートフォン向け情報提供サービスを試行します～個々のお客さまへの情報提供サービスについて研究開発を進めています～ [PDF/379KB]

このサービスが適用される車両は無線LANによるインターネット接続が可能となっていて、接続することで運行情報を中心とした各種情報を見ることが可能。一見するとよくあるスマートフォン用のサイト表示ですが、その内容は驚愕の一言。トップ画面上部には常に乗車中の電車の次の停車駅が表示されます。

これまで、電車に関する情報を得る手段としては、車内の液晶画面に表示される内容を見たり、スマートフォンなどで自分でインターネットに接続して調べたりするのが一般的でしたが、今回のサービスが実用化されれば、手元の端末を使ってリアルタイムで配信されるJR東日本自体が発信する情報を簡単に閲覧できるというのがかなり画期的。JR東日本が運行している路線全体に拡充していけば、鉄道情報を得る手段としてはまさに真打ちといったものになりそうです。

「運行情報」には山手線だけでなく接続している他路線の状況が表示されます。

乗換案内の機能もあります。

駅構内の案内図と車両の位置関係を表示する「駅構内案内」。

3段階で乗車率を示した上、しかも車内の温度や弱冷房車かどうかまで把握できる「車内状況」

さらには最寄りの駅のNEWDAYSのクーポン（ただしセルフレジでは使えない）が配布されるなど、山手線のみならず電車を利用する人であればかゆいところに手が届いていると実感できる内容となっています。

文字で見る提供情報は下記の通り。各種鉄道情報のみならず、コミックや小説、動画などの配信も予定しているなど、さまざまな用途で利用するようです。

３．本試験で提供する主なサービス
【鉄道関連情報】
・運行状況： 首都圏各路線の遅延や運転見合せ情報
・駅・乗換案内： 停車駅一覧と各駅までの所要時間、各駅のホーム設備や乗換路線の案内
・車内状況： 各号車の乗車率・車内温度
【マーケティング関連情報】
・沿線ニュース
・コミックや小説、動画
・エキナカ店舗のキャンペーン情報やクーポン
・トレインチャンネルと連動した動画広告

JR東日本のプレスリリースによると、同社は「山手線トレインネット」の試験運用期間中、JR東日本フロンティアサービス研究所が設計・試作した、車両内でのパーソナルな情報提供システム「infoPiC」を山手線1編成に搭載し、稼働させるとのこと。

「infoPiC」とは車内の乗客の携帯端末へきめ細かい情報提供を行うために開発したシステムの名称で、「Information Providing System for Individual Customers」の略称。このシステムは車内サーバと無線LANアクセスポイントから構成されていて、車両の情報管理装置から必要な情報を収集し、乗客のスマートフォンへ情報を配信します。

試行期間中にシステムが搭載された列車に乗車した乗客は、手持ちのスマートフォンで自由にサービスを利用できます。利用者のアンケートなどを通じて、提供するサービスの内容を評価・検証し、今後の実用化を目指していくようです。

車内での接続手順はiPhoneで接続する際の画像を使って説明されています。Wi-Fiの設定画面からWi-Fiをオンにし、接続ネットワークから「Trainnet」を選択。パスワードは不要です。そしてブラウザを立ち上げて更新ボタンを押すと最新情報が表示されるといった感じです。

9月20日（火）に本サービス試験の公式サイトを開設する予定だとリリースにはありましたが、該当URLにアクセスするとティザーサイトとしては機能しています。サイトからの利用のほかに、App StoreとAndroid Marketでアプリを配布する予定があるとしています。

wi-fi車内情報提供サービス実験 山手線 トレインネット

サービスの試験運用はは10月4日（火）から11月2日（水）まで、山手線1編成にてサービス試験を実施する予定となっています。