ハードウェア

2歳の誕生日を迎えたRaspberry Piの偉大な功績を振り返るとこんな感じ

By Jeff Jackowski

安価な教育用のシングルボードコンピュータとして開発された「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」が、発売から2周年を迎えました。これを祝ってRaspberry Piによって生み出された、たくさんの作品を集めたムービーが公開されています。楽しいアイデアに彩られた多くの作品を見つつ、Raspberry Piが果たした貢献を振り返ってみました。

Raspberry Pi | An ARM GNU/Linux box for $25. Take a byte!
http://www.raspberrypi.org/

Raspberry Piは、電源やSDカードストレージを装着することでコンピュータとして使用できる、ワンボードマイコンとよばれるハードウェアです。


ケンブリッジ大学コンピュータ研究所に勤務していたエベン・アプトン氏は、子どもたちがプログラミングやコンピュータを手軽に学ぶことのできるツールが減ったことを嘆いて、より安価なシングルボードコンピュータを作ろうと2009年5月にRaspberry Pi財団を設立しました。そして、開発されたのがRaspberry Piで、2012年2月29日、わずか35ドル(約3500円)という低価格で発売されると、当初、想定していた教育用途だけでなく「コンピュータいじり」を楽しみたい世界中の大人たちから注文が殺到し、発売初日に10万台が売れる大ヒット。その後、イーサネットなどの機能を省いた25ドル(約2500円)の廉価版「Model A」も追加され、現在までに250万台が売れ世界中で人気を博しています。

Raspberry Piは、性能こそ最新スペックのコンピュータには見劣りするものの、シンプルな機能とコンパクトなサイズによって、アイデア次第でいろいろなオリジナルコンピュータを作れることから、世界中で独創的なコンピュータが作られており、自宅の家電を外から遠隔操作したり、3分の1サイズの初代Macintoshを製作したりと、多種多様な面白いアイデアが披露されています。

そんなRaspberry Piを活用した面白ガジェットのアイデアは以下のムービーで一挙に見ることができます。

Two years of Pi! - YouTube


Raspberry Piをぬいぐるみに入れて成層圏を観測


クアッドコプターを操縦。


テニスボールをつかめるロボットアームを作成。


立体的に設置したLED電球を点灯させるのにRaspberry Piが活用されています。


これはRaspberry Piを64台連結させて作られたスパコン。製作者はサウスハンプトン大学のサイモン・コックス教授。


映画マトリックスで有名となったバレットタイム撮影を行う人も。


Raspberry Piは宇宙観測にも活用されています。


何かを机から落としたこのマシンは……


愛犬にエサを与える自動エサやり機。


チョコレートを食べるとエアバッグが膨らむ「Cadbury Joy Jackets


Appleの共同創業者であるスティーブ・ウォズニアックもRaspberry Piに大興奮。


Raspberry Piでゲーム機を開発する人もたくさんいます。これは携帯型ゲーム機「Pi-to-Go


Raspberry Piの裏にタッチパネルを装着してゲームを楽しむ使い方もあり。


中にはパックマンのゲーム機を作る人も登場。


Raspberry Piはロボット作りにも大活躍。ミニチュアサイズのR2-D2


絶妙のバランスで直立するロボット。


独特の動きを見せるクモ型ロボット。


人型ロボット「RAPIRO」はKickstarterで7万5000ポンド(約1300万円)の資金を集めることに成功。製作者は石渡昌太氏。


クビを振りながら進む恐竜。


2輪車で進むロボット。


黒いラインに沿って進むロボット。


海面をばく進する水上マシン。


自動車のように走行してきたマシンは……


ニョキっと立ち上がり……


四足歩行ロボットに変身。


もちろんRaspberry Piは、開発の目的であるコンピュータ教育にも活用されています。


Raspberry Jamboree 2013でスピーチをするエイミー・メイサーさん。13歳の少女は、どのようにしてRaspberry Piに出会いプログラミングを始めたかを語りました。


少年を指導するのはRaspberry Piの生みの親エベン・アプトン氏。


Googleのエリック・シュミットCEO(当時)は、日本のコンピュータサイエンス教育を支援する「コンピュータに親しもう」プロジェクトでRaspberry Piを5000台無料で提供。


Raspberry Piは、世界中の子どもたちにコンピュータの魅力を教えています。


このように、コンピュータを学ぶ子ども達だけでなく大人も魅了するRaspberry Pi。この魅力にとりつかれたある父親が、我が子に作った極めつけのマシンをこちらのムービーで見ることができます。

Making Fun: Mission Control Desk - YouTube


白い机で宿題をする男の子。満面の笑みです。


この男の子の使っている机はお父さんの手作り。


ボルトで固定したり……


何層にも色を塗り重ねたり……


非常に丁寧に作られています。


ドリルで穴を開け……


さまざまなボタンやスイッチ類を取り付けていくと……


なにやら怪しいコントロールパネルが出来上がっていきます。


パネルをネジでしっかりと固定。非常に手の込んだ作りであることが確認できます。


取り出したのは、LED電球。


そしてRaspberry Pi。


LED電球用の回路を設置。


ものすごい数の配線です。使ったLED電球の数は640個とのこと。


コントロールパネルを机にはめ込み……


モニター代わりに使うiPad用のステーを装着して完成したのは……


「MISSION CONTROL」という、司令センターの制御装置!


ボリュームボタンや……


数値モニター。


インジケータランプに……


トグルスイッチ。


iPadでできたモニター部分を含めて、とんでもない完成度。


ガラス越しに、この制御装置を機能させるRaspberry Piが見えます。


「BOOSTER」ボタンを押すと迫力のサウンドが再生され……


まるで原発を操作しているかのようなロック機構が付いたものものしいトグルスイッチまで用意されています。


操作する男の子は完全に司令官の気分でしょう。


「ABORT(プログラム終了)」ボタンを押すと、「ミッション終了」というアナウンスまで……。こだわり具合が半端ではありません。


世界地図のパネルを倒せば……


学習机にもなりますが、はたして勉強がはかどるのでしょうか……


世界中の多くの人に愛されてやまないRaspberry Piは今後も改良が続けられる見込みで、BCM2835チップを代替するオープンソースのグラフィックドライバを開発しRaspberry Piに導入するために、Raspberry Pi財団は、最初にドライバを開発した人に10万ドル(約1000万円)の賞金を贈呈することを発表しています。なお、エベン・アプトン氏によると、2、3年をめどに、より高性能の新Raspberry Piのリリースを検討中とのことです。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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