会議やプレゼンなど大勢の前で話す時のテクニックや注意事項をまとめた「speaking.io」

By Leo Lambertini

Appleの創設者で元CEOであるスティーブ・ジョブズは、「伝説のスピーチ」を残したりと、大勢の心をつかむことに秀でていましたが、カンファレンスや会社の会議など、人前で話すことは簡単ではなく、うまく自分のテーマを大勢の前で伝えるのは難しいもの。そんな大勢の前で講演やプレゼンする時の、話すスピード・構成・話題選び・スライドの作り方・使用する機材・ソフト・練習方法からプレゼン後の注意事項など、「話す」テクニックを詰め込みまくったのが「speaking.io」。世界各地のテクニカル・カンファレンスで話した経験を持つGitHubの従業員のZach Holman氏が作成しています。

speaking.io
http://speaking.io/


◆1:トークの構成を練る


どんな話題を選ぶかは重要ですが、「内容の焦点を限界まで小さく」絞って、数週間かけてでも、自分と相手が興味を持てるポイントを発見する必要があります。また、「自分が知らないテーマは回避」し、自分自身が興味を持っているテーマを選択することが大事です。

テーマに沿った内容を説明するのに効果的な方法は、「反復」です。スティーブ・ジョブズも、スライドや1度話した内容を、異なる見せ方、話し方で繰り返す手法を用いています。特に、複雑な場面を説明する時に有効です。また、トークの終わりに1、2分空けておき、重要だった内容を1度か2度、簡単にまとめて言い直すことで記憶に残りやすいトークになります。

Holman氏は30分のトークに100枚のスライドを使用することもありますが、何枚のスライドを使用するかは、テーマや話す人によって変わります。スライドはシンプルに自分の話を印象づけるために用意し、挿入する言葉は1語~2語以内にすると、会場の反応に合わせてスライドの追加・変更に応用がききます。また、Holman氏にとっては10枚のスライドを20秒で流すのがベストな間隔ですが、効果的なスライドは5~10分使うこともあるとのこと。しかし、スライドを流す操作のために気が散ってしまうくらいなら、スライドは0~2枚にして、話すテンポとペースを意識するべきです。


◆2:スライドの色使い


スライドに書いたテキストの大事なポイントには、赤などの注意色を使用したり、色使いをうまく使うことが重要。素晴らしい色や組み合わせを探すのは難しいものですが、「COLOURlovers」のようなパレットサイトを使えば100万色以上から選択可能。色選びの方法はコントラストが有効で、「ダークカラー×ライトカラー」と、「赤系×青系」のような、2色のアクセントカラーを以下のように並べたスライドは、観客をプレゼンターの話に集中させる効果があるとのこと。


また、以下のように全体を淡いオレンジ色のスライドでまとめ、重要な部分は真っ白のスライドにしてゆっくりと流す、といったテクニックも観客の気持ちをとらえる1つの工夫です。


◆3:スライドの作り方

スライドを流すソフトは大多数が「keynote」か「PowerPoint」を利用しており、他に優れたソフトを探すよりもこの2つを選ぶのがベスト。もし別のソフトを使用したい場合は、「showoff」や、「impress.js」といったブラウザで使用できるオープンソースもあります。

スライドに表示するテキストの基本は、「大きすぎず、多すぎず」が基本となり、シンプルにテキストを表示するだけのスライドも、多くの人が取り入れている有効的なアイデアです。フォントはPCのデフォルトからソリッドフォントを選ぶか、「Google Fonts」も優れたフォントの一種です。また、スクリーンの比率は、「4:3」より「ワイドスクリーン」にすると映画風の雰囲気を作ることができ、作成サイズは1920×1080に統一すると、会場の機材がフルHDに対応していればきれいに表示でき、古い機材であってもポップな雰囲気に映すことが可能です。


◆4:当日に向けて練習する


スライドが完成したら、決してそのまま本番で披露せず、スクリーンキャストを使って実演と同じ構成を録画、収録したものを見直してタイプミスや構成を考え直すことが不可欠。完璧なスクリーンキャストが完成したら、そのまま本番で再生するという手もあります。次に、最低でも2回~3回は、本番で話す内容を全て実際に話す練習を実施。大きな声で話すことが重要で、「最後まで話すまでに何分かかったか?」を計ると本番での時間オーバーを防ぐことができます。

さらに、話している自分を収録したものは最高の学習ツールとなります。自分でも気づかないうちに「えっと……、あー、うん」など不要な言葉を発していたとしても、この段階で気付くことができます。MacシリーズのPCを使っているなら、QuickTimeの「ファイル」から「新規画面収録」で、音声だけでなくスライドも同時に流しながら録画可能です。


◆5:本番


見知らぬ人が大勢いる中では、思いがけない失敗が起こりやすくなりますが、「大半の人があなたの人生や言うことに興味がない」ということを忘れなければ、失敗の確率を低下させられるとのこと。本番が始まったら1つのジョークや30秒ほどの楽しい話をすることは、観客の心をつかみやすくする技術です。ステージの上では謙虚でいることを心掛け、もし大失敗してしまっても、正直に話すほうがベター。

スライドを使用する時は、直接ノートPCを操作せず、リモコンを使用することで自然な演出が可能であり、Holman氏のおすすめは「Logicool プロフェッショナルプレゼンター」。Appleの「Apple Remote」は、使用できる範囲が狭いので使用しない方が良いとのこと。また、本番の直前までに、「携帯電話をサイレントにする」、「ノートPCの輝度を最大にする」、「会場の機器でのスライドの位置調整」を行っておく必要があります。


準備を万全にして、本番は楽しんで挑むしかありません。プレゼン中には、「話すペース」を速くすれば観客を興奮させる雰囲気を作り出すことができ、ゆっくり話すことで個々の単語に重みを持たせることができます。「話すボリューム」は常に大きく話し、重要なことを説明する時には「声の高低」で変化を加えるなどのテクニックも覚えておくと効果的。

◆6:観客の反応や起きたことを思い返す


スピーチが全てではなく、カンファレンスによってはスピーチ後に質問時間が設けられていることがあったり、会社の会議でも終了後に同僚からの質疑応答があるかもしれません。観客との質疑応答は特に重要で、臆さずにはっきりと返答することで、今回のスピーチが「どれくらい成功したのか?」「どの点に興味を持たれたか?」などがわかるはず。質問を受けた時に、聞き取れなければもう1度話してもらっても失礼には当たりません。もし質問の答えを持ち合わせていなければ、質問者と会話をすることで堂々巡りを回避できます。

話した内容に対して観客から指摘を受ける場合がありますが、指摘の正誤が判断できない場合は「それは知りませんでした」と伝えることで、「コロコロ考えを変える人」と言うレッテルを回避することができます。間違っていた時は素直に受け取ることで新しいアイデアにつながるとのこと。

By Official GDC

同じスピーチを異なる時間、異なる場所で行うことは多々あるため、当日のトークを思い返して内容におかしな点があれば、どんどん改良するべきです。話しながら観客に注意を払っていれば、途中で話を聞いていなかったり、携帯電話を触っていた人が多かった場面がわかります。該当するトークを思い返し、「話すスピードが遅い」、「説明が小難しい」など、気づいた点は、少々砕いた表現に変えるだけで興味を引く内容に改善できるようです。

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