ハードウェア

個人情報を盗まれないようセキュリティを強化したAndroidベースのスマホ「Blackphone」


監視カメラ大国イギリスはゴミ箱を使ってスマートフォンのデータを収集、Baiduは入力した文字列をすべて無断でサーバに送信していたなど、技術の進化によって人間は利便性を手に入れましたが、同時に個人のプライバシーはどんどん侵害されてきています。そこで個人のプライバシー保護を最大の目的として開発されたのがAndroidベースのスマートフォン「Blackphone」です。

:: Blackphone ::
https://www.blackphone.ch/



New Smartphone To Put Privacy And Control First -- WASHINGTON and MADRID, Jan. 15, 2014 /PRNewswire/ --
http://www.prnewswire.com/news-releases/new-smartphone-to-put-privacy-and-control-first-240235801.html

Blackphoneの目的や開発経緯は以下のムービーから確認可能。

Introduction to Blackphone on Vimeo


現在スマートフォンにおける個人のプライバシー保護は問題となっており、「PRISM」問題を暴露したエドワード・スノーデン氏は情報漏れを防ぐために携帯電話を冷蔵庫に入れることで高周波から携帯電話を保護していたと言われているほどですが、Blackphoneは電話・テキストメッセージ・ファイルのやり取り・ビデオチャットなどデバイス上の行為を他人に監視されることなく行える「PrivatOS」というAndroidベースのOSを使用。


BlackphoneおよびPrivatOSは暗号ソフトウェアPGP(Pretty Good Privacy)を開発したPhil Zimmermann氏の率いるチームによって開発されました。PGPは他人に読まれたくないメールやファイルを送信する際に使われるソフトウェアで、開発当初アメリカでPGPの輸出は法律上禁止されていたため、Zimmermann氏は3年間犯罪捜査の対象にもなっていたのですが、最終的にソフトウェアを6000ページもの本12冊にまとめて合法的に国外に輸出することに成功。国外で再度電子化することで、PGPをインターネット上で無償公開するに至りました。


そのZimmermann氏がメールの暗号化よりも前に考えを巡らせていたのが、携帯電話のセキュリティ強化というアイデア。しかし、当時はまだ技術がアイデアに追いついていなかったため実現することができず、技術の基盤が整うのを待っている間にPGPが完成したとのこと。

Blackphoneのセキュリティがどれほどなのかはまだ公開されておらず、メールが暗号化されるのかも不明ですが、Blackphoneにインストールされているアプリを使っている間は自分の知らないうちに誰かに監視されていた、ということは起こらないとのことです。端末はあらゆるGSMキャリアで利用可能で、搭載されるセキュリティ機能はキャリアの種類に左右されません。ハードウェア詳細も明らかになっていないのですが、公式サイトでは以下のようなデバイスの写真が掲載されています。


なお、Blackphoneの詳細は2014年2月24日にスペイン・バルセロナで行われるMobile World Congressで明らかになり、同時に予約販売も開始される予定です。

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in モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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