イエネコの起源が5300年前の古代中国であるという証拠が中国の農村から発見される
By Kenny (zoompict) Teo
犬と並んで世界中でペットとして暮らしているイエネコの発祥はいつ・どこからなのか?という説には、「約4000年前の古代エジプト起源説」や、さらに古くは「約8000年前の古代キプロス起源説」といったものもあります。そんな中、ワシントン大学が、5300年前の古代中国の農村があった場所から、人間と猫が共生関係にあったことを示すイエネコの骨が発見されたことを発表しました。
Cat domestication traced to Chinese farmers 5,300 years ago | Newsroom | Washington University in St. Louis
https://news.wustl.edu/news/Pages/26273.aspx
これまで、「いつからどこでヤマネコが家畜化されてイエネコになったのか」ということは定かではありませんでしたが、ワシントン大学で考古学を研究するフィオナ・マーシャル教授によると、ASUの中国調査チームのSongmei Hu氏たちによって、5300年前の古代中国の農村があった場所から世界で初めてイエネコ発祥の直接的な証拠となりうる、2匹以上の猫の骨格が発見されたとのこと。
By Pierre Lesage
発見された猫の骨格に対して放射性炭素年代測定法および炭素・窒素を用いたアイソトープ分析を行ったところ、耕作物を食べるげっ歯類を食べていたことが判明。また、2匹の猫のうち一方は高齢だったこともわかっており、穀物を狙うげっ歯類に引き寄せられて、少なくとも人間の村の近くで食物をとっていたことを示唆しています。
By cloud_nine
さらに、同時代の穀物の貯蔵穴が穴を掘るげっ歯類を防ぐ設計であったため、古代の農民がげっ歯類に対して問題を抱えていたことを表しており、猫をネズミなどげっ歯類の対策として飼っていた可能性も考えられます。
近年のDNA研究から、世界に6億匹存在するイエネコのほとんどは「近東由来のリビアヤマネコ」の子孫であることがわかっており、今回猫の骨格が発見された中国の農村エリアにはリビアヤマネコの亜種は生息していなかったため、イエネコ起源の証拠としては確定的とまでは言えませんが、今後この猫が近東由来のリビアヤマネコに近い子孫であることが判明すれば、イエネコ起源中国説はより確実となると考えられます。
By Henry Stern
・関連記事
島民15人とネコが100匹以上暮らす島「青島」で大量のネコと戯れてきました - GIGAZINE
猫様が飼い主の人間の世話をするためのハウツーガイド - GIGAZINE
アクセスするだけで愛くるしいネコたちのムービーが流れまくる「Evercat」 - GIGAZINE
平凡な家ネコはどのようにして体高の5倍以上を軽々と跳躍するジャンピングキャットへと変貌したのか? - GIGAZINE
ネコに関する17個の知っておいて損はない豆知識 - GIGAZINE
・関連コンテンツ